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【UFC202】諦観。水垣偉弥、ガーブランド戦の敗北と今後<02>「終わり方を考えつつ、戦っていきたい」

Takezo【写真】吹っ切れ、諦めの気持ちがあるとしても、まだ心の整理が恐らくはついてない状況で水垣はその心境を正直に話してくれた。そんな彼の右耳はガーブラントのパンチでわいてしまっていた……。このような事実が彼の言葉に通じていく……(C)MMAPLANET

20日のUFC202「Diaz vs McGregor 2」でコディー・ガーブラントに敗れた水垣偉弥インタビュー第2弾。

「トップに立つ夢を諦めた」という日本のエースが考える、終わり方とは。15年近く打ち込んできた格闘技、そして生業となっているMMAの終焉について、水垣の赤裸々な言葉が続く。
<水垣偉弥インタビューPart.01はコチラから>


──大丈夫というのも少し悲しい言葉ではありますが。ところで、ガーブラント戦ではアヴィーチーのWake Me Upで入場したのは?

「あれは今回からでなく、去年の日本大会からだったんですよ」

──えっ、そうだったのですか……。いや、スイマセン、気付いていなかったです。

「連敗していて、気分転換で入場曲を変えようかと思っていた時に、一番気に入っていた曲の歌詞を調べたら、自分の状況にもピッタリと合っているかなって思って。アレでなんか恋愛モノとかだったら、恥ずかしいじゃないですか(笑)」

──確かに(笑)。しかし、夢を実現させるのに夢中だから放っておいてくれという状況でなくなってしまいました。

「もう現実をバリバリ見ています(苦笑)。自分より上のランカーたちの頭上に、隕石が降って落ちてこない限り、もう僕がUFC世界バンタム級のタイトル戦に辿り着くことはない。そういうことが起きたら、またイキイキしだすかもしれないです(笑)。

そんなことは奇跡ですから、自分の終わり方を考えつつ、試合のチャンスを与えてもらえるなら1試合、1試合を戦っていきたいと思っています。でも、リリースされて強制終了というケースもあるので……。

満足できるところまで戦うことができれば、それは嬉しいです。でも強制終了で終わることも十分にあり得ます」

──……。いずれにせよ、終了に向かうわけですね。

「う~ん、ドミニクに負けたのとガーブラントに負けるのは意味合いが違いますから。ドミニクはスーパーチャンピオンで、あの人にアッサリ負けてしまっても、もう一度彼と戦い一発を当てることができるかもしれないという気持ちをもってやってきました。

けど、そうじゃない選手……下から上がってきた選手にやられてしまうと、もうこういうレベルなんだなって思ってしまうので。ドミニクがいて、その下にTJ・ディラショーがいるし、ハファエル・アスンソンもいる。で、ガーブラント。こういう選手と戦って、もう一度ドミニクの前に立てるというのは、現実的な考えではないです。そういう心の折れ方をしました」

──それでも日々のトレーニングにまた向かえるモノなのでしょうか。

「上を目指すというのではなく、いち格闘家として自分の選手生命を満足させて終わるために練習はできます。まだ、向上心を持ってやってきたいですし」

──上を目指すことを諦めた。でも向上心は持ち続ける。なかなか想像ができない心境です。

「本音を言えば……そこまで深く考えられていないです(笑)。自己満足なんです。仕事をして、金を稼ぐことと自己満足。ただし、これまでMMAをやってきて──そういう気持ちで戦ったことがないので、実際はどういう風になるのかは自分でも分かりません。

上手くいって、何か一皮むけることであれば──なんて期待も実はしています(笑)。そのなかで、もう格闘技はやりきった。満足したなって思った時が終わる時。それまでは前進し続けたいです」

──どのレベルの相手に、練習の成果を見せることができると成長になり、満足できるのでしょうか。

「最低限がUFCに留まるということですね。だからUFCを切られる前に、『もう終わろう』という気持ちになりたいです。例えばですけど、日本大会でノリ(田中路教)に思い切りブッ飛ばされたら、『終わったな。気持ち良いな』って辞めることができると思うんです」

──もうやり切ったと?

「アイツがやりたがらないことは分かっていますが、そういう終わり方ができたらなって考えはします。同じ階級でずっと一緒に練習してきて……。ソイツにブッ飛ばされる……もう思い残すことはないですよね、MMAに」

──勝負なので、どうなるかは別にしても田中選手が負けてしまうこともあるので。でも、そうなるとある意味、悲惨な流れですね。

「それはもう、アイツ次第です(笑)。でも、そんな風にアイツに託すような終わり方ができればなっていうのはあります。そんな試合は組まれないでしょうけど、それぐらい吹っ切れることがあれば、満足して引退すると思います。

で、ファイト・オブ・ザ・ナイトを貰います(笑)」

──結局、そこですか。ありがとうございます(笑)。

「ハハハ。そこは戦う大前提です。お金は大切ですよ。まぁ、でもホントにあと2年。35歳の頃には、結論が出ているはずです。どういうモチベーションがあるのか、それはまだ自分のなかでも答は見つけられていないです。これから戦い続ける──そのモチベーションが何になるのかと問う……とても返答することが難しいです」

<この項、続く>

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