【ONE SAMURAI01】ホルミルザエフの挑戦受ける若松佑弥「99%の人間は囚われの世界でしか生きていない」
【写真】この爽やかな笑顔と、リングの上の差。それが若松佑弥。そして生死を語ると思いきや、当然の「オナニーもしない」発言。それも若松佑弥(C)MMAPLANET
明日29日(水・祝)に東京都江東区の有明アリーナで開催されるONE SAMURAI 01で若松佑弥が、アバスベク・ホルミルザエフの挑戦を受けONE世界フライ級王座、2度目の防衛戦に臨む。
Text by Manabu Takashima
昨年3月の日本大会でアドリアーノ・モライシュを下し、念願のベルトを巻いた若松は11月の同じく日本大会でストロー級王者ジョシュア・パシオの挑戦を一蹴し、図抜けた強さを見せつけた。
そんな若松がサンジャル・ザキロフと並ぶ、ONEフライ級戦線の猛者ホルミルザエフの挑戦を受ける。もとはザキロフとの防衛戦の話があったという若松は、「なんとかロフ。なんとかドフと戦いたかった」と、ホルミルザエフに相手が代わっても意中の相手だったことを明かした。
31歳、ここからピークといえる若松は「語りたくない」と言いつつ、その精神性と人生観について話してくれた。
『なんとかロフとか、なんとかドフ』系と戦いたいと思っていた
――アバスベク・ホルミルザエフと防衛戦、このチャレンジャーの名前を聞いて盛り上がったファンも多いかと思います。
「実は2月の会見の前にサンジャル・ザキロフが挑戦者になるって聞いていたんです」
――おお、そうだったのですか。
「もともと僕も『なんとかロフとか、なんとかドフ』系と戦いたいと思っていたので、やり甲斐のある相手が来たと思っていました。と同時に日本で戦うのはホルミルザエフになるかと思っていたのですが、ザキロフになったかと。そうしたら2、3週間後ぐらいにホルミルザエフに相手が代わっていました。いずれにせよ、今回も挑戦ですね」
――若松選手がピークを迎えつつあるなかで、少しでも強い相手との試合が見たい。そういう声が本当に多いなかで、ザキロフにしてもホルミルザエフにしても、凄く説得力のある挑戦者です。
「ONEに用意された相手と戦う。それが僕の基本姿勢なんですけど、そうなってもロシア系、中央アジアの選手が上ってくるのが現実問題で。若くて強い中央アジア、コーカサス系の奴らを30代になって、MMAファイターとして熟成した僕が倒す。35歳ぐらいまで倒し続ける。そういうことを継続していきたいです。
ザキロフとかトラッシュトークを見ても、まだ若いですよね。でも、僕のことはトラッシュトークでも絶対にバカにするような言動は取らせないです。でも、アレは相手選手に対してではなくて、今の日本人がそういう風に海外からバカにされるようになったんだと思います」
――それはどういうことでしょうか。
「30年間、経済的にも成長をしていないこととか。外国人からすると脅威だった武士道とか、もう無くなってしまって。でも僕はそれをずっと磨き続けてきました。今回、僕と対峙した時ホルミルザエフも、僕のそういう部分を感じ取ることになると思います」
――GHQが大日本武徳会を解体し、武道を禁じたこともその表れでしょうし。ともあれ、この2020年代を生きる若松選手、周囲も現代人として生きている中で、どのように武士道精神を磨き続けることができているのですか。
「だからこそ、これは少しでも緩むと終わってしまうことなんです。自分を信じて、死ぬまで追求する。真理を追究することで、自分探しにもなっています。自分自身と向き合う。そして感謝の気持ちをもって、突きつめて生きていれば他人からどう思われようが関係なくなります。他人の評価も気にしないし、その瞬間が来た時に全てを出し切るだけで。
僕の生き方に賛同しない人たちは、たくさんいると思います。99パーセントの人間には理解できないことだけど、僕は自分を信じているので。常に100パーセントで生きることができている。だから他人に何を思われようが関係ないです」
人を殴って、お金を稼ぐというのは残虐なことで。その分、反動的に優しさが大切で
――MMAに技術力は絶対です。体力も。栄養学、減量と科学的なことが欠かせないのがMMAだと思います。と同時に、どういう心の持ちようでMMAと向き合っているのか。ファイターのなかでも、特別な精神性を持っている選手は若松選手以外にも少なからず存在しており、向き合い方にも特別なモノを感じることがあります。
「特別……他と違うというのは、絶対だと思います。正直、語りたくもないですけど、宇宙の法則でソレが一致した時に爆発的なモノが出る。エネルギーを得て、精神性を高める。そのためのMMAです。人を殴って、お金を稼ぐというのは残虐なことで。その分、反動的に優しさが大切で。2連敗した時に、それに気付きました。そういうことを僕は実際に体験しているし、信じています。99パーセントの人間は目に見えているモノに縛られ、囚われの世界でしか生きていない。対して僕は、半分は目に見えない世界を本気で信じています。
もちろん現実的な技術も磨くし、相手のことも徹底的に研究します。栄養管理にしても、やれることは全てやっています。でも、もうオナニーもしないですし」
――!!! いきなり、そっちの話ですか。オナニーをしないということは、どこに通じるのですか。忍耐力ですか?
「生物の機能として、僕はもう子孫繁栄は終わっています。だから快楽を求めるために、刺激的なモノを欲することを自制しているんです。携帯から得られる情報なんかは、もう感覚的に自分を弱くします。だから、本質でなく刺激を与えるような目に入ってくるものを制限して、目に見えないものを大切にしています」
――目に見えないもの……どういうことが、人としての真理なのですか。
「それはやっぱり、感謝の気持ちとかですね。そこに通じる周波数というモノがあって、だからこそ爆発力が出る。ただ相手を研究して、技術をつけても感謝の気持ちがなく、人を尊重できない人間は、ダメです。
それが今の僕の全力で。でも、それも絶対的ではない。これから生きていく上で、真理も変わってくるはずです。とにかく、そう信じて今を全力で生きています。目に見えないモノを大切するからこそ、瞑想とかって大昔から行われてきたんですよ」
――常日頃からオナニーをしないぐらい、人間の真理を追究してMMAに全力で向き合う。対して、試合が決まってから相手を殺してやろうという気持ちを創って、試合に臨む。この2つの取り組み方では、明確な違いがあると?
「それは、もう一瞬、一瞬で違います。自分の弱さが、負けを呼びます。以前の僕がそうでした。でも毎日細かいことから、自分に打ち克ってきたら、自分の弱さが出ない。もちろん、人間には体もあって。試合までの8週間で、極限まで自分を追い込んでいます。でも肉体だけじゃない。人間の真理を追い求めるために、周波数をどこに向けるのか。そこに全力を注いでいます。それには自分の嫌なところにも目を向けないといけない。結果、生きていることに感謝しているって、全力で感じるんです。
むしろ、そっちが基盤にあって。試合が決まると、そこに加えて肉体を鍛え上げているような感じです。だから、そうしている人間と、していない人間の差は絶対にあります。僕は何があっても怖くない。いつ死んでも……しょうがない。死ぬなら死ぬで、ここまで全力でやってきたのでそれを潔く受け入れることができる。ただ試合に勝つとか、相手を倒すとかだけ考えても、それはどうでも良いことなので。
もちろん試合に勝つと嬉しいです。でも勝ったから、自分の何が変わるかといえば、何も変わらないです。それは負けた時も、そうだと思います」
――精神性がDNAに含まれているのであれば、日本はほとんどが農民でした。島国の中で、外敵から狙われた数は数えるほど。攻め込むことも、ほぼなかった。だから格式や様式美が、武士道の中にも存在している。それが精神性でもあります。対して、それこそ若松選手が口にしていてコーカサスや中央アジアの人々は、領土を奪い、奪われるという血で血を洗うような過去を繰り返して、今に至っています。ホルミルザエフやザキロフは、その末裔です。
「ハイ。彼らの血には、騎馬民族のDNAが残っています。アイツらに比べると、僕なんて本当に弱い。でも、僕らには大和魂のDNAがあります。決して推奨できることじゃないけど、特攻にしても、その心があるからで。この心が一番強い。そこを超えているモノを向うが持ってくるなら、僕は潔く認めます。僕が全力で、命を懸けてやっているのに、向うが勝つなら……それはもう大したモノだと認めるしかない。そう思います。でも僕が信じている武士道、大和魂は絶対に負けない。目に見えているモノに囚われている日本人とは僕は違うので」
対策練習は十分にしてきたけど、あまりホルミルザエフの動きに囚われないように戦うこと
――ではMMAファイターとして、ホルミルザエフはどのようなファイターだと捉えていますか。
「積極的で、プレッシャーを常にかけてくる選手ですね。ザキロフはアグレッシブなウェルラウンダーのようで、カイラット・アクメトフのように勝ちに徹するところあるんですよ。攻撃という面では、ホルミルザエフの方が危険度は高いです。
ただ勝ちに徹するのはザキロフで。博打を打たない。最後はしつこくダブルレッグでテイクダウンを狙う。折れた相手は四の字バックに取られて、勝てる試合を落とす。そういう点でいえば、試合が面白くなるのはホルミルザエフだと思います。彼は積極的に攻める分、隙もできるので。
そういうホルミルザエフの強い部分に対しても、僕はしっかりとディフェンスができます。被弾しても良いという考えは持たないので。どの攻撃も破壊力があるから、ディフェンスは徹底的にします。如何に省エネで戦うのか。そうやって自分のプレッシャーを与えていくことですね」
――省エネという部分では、自らの空振りはスタミナをロスすると思います。同時に当たらないパンチも必要になってくる。この辺り、若松選手はどのように捉えていますか。
「それがフェイントということですからね。フェイントをかけて、ジャブを当てていくとか。当てなくても、ガードさせて隙間を作らせるとか。同時に実際に面と向かって『行ける』と思ったら、そのまま当てに行きます。相手が警戒しているように見えたら、餌を巻くようなこともあるし。そこは何パターンも用意していますね。
相手の出方次第ですし、前に出てきたらカーフを蹴る。上体を動かして来たら、そこに合わせて顔面を狙う。右ストレートを意識しているようなら、左フックや左ハイを狙う。全てやるべきことは頭に入っています。対策練習は十分にしてきたけど、あまりホルミルザエフの動きに囚われないように戦うことが大切です。
あんまり向うのことを見て動いていると、フェイントにも引っかかってしまいますし。自分が不利になってしまうこともある。それこそザキロフもそうだし、ホルミルザエフにしてもレコードが良いから、これまで戦ってきた選手はそこに囚われてしまう所があったはずです。相手を大きく見過ぎてしまうと、隙ができて弱さが出てきます。
だから僕は絶対に自分を信じているし、そういう心境を何度も乗り越えて戦ってきたので。相手のレコードで、心に隙ができるようなことは絶対にないです。自分を信じ切っています」
――今大会、MMAは日本人対決が多いです。そのなかで若松選手はザキロフと並ぶ最強の相手を挑戦者として国際戦を戦います。
「だからこそ、しっかりと勝たないといけないです。強い相手を倒すためにMMAをやってきたので。勝つか負けるか、生か死かぐらいの気持ちで戦います。負けて良いとか、絶対に思っていないです。過去最強に追い込んできたので、過去最強の姿を見せることができるはずです。
そこをどう感じるかは、もう見る人の勝手です。僕自身はここで死んでも良いという覚悟で戦います」
■放送予定
4月29 日(水・祝)
午後1時15分~U-NEXT
■ONE SAMURAI01対戦カード
<ONEキック暫定世界フライ級王座決定戦/3分5R>
ロッタン・ジットムアンノン(タイ)
武尊(日本)
<ONE世界フライ級(※61.2キロ)選手権試合/5分5R>
[王者] 若松佑弥(日本)
[挑戦者]アバスベク・ホルミルザエフ(ウズベキスタン)
<ONEムエタイ・アトム級王座決定戦/3分5R>
[王者]吉成名高(日本)
[挑戦者]ソンチャイノーイ・ゲッソンリット(タイ)
<ONEキック世界バンタム選手権試合/3分5R>
[王者] ジョナサン・ハガティー(英国)
[挑戦者] 与座優貴(日本)
<キック・フェザー級/3分3R>
マラット・グレゴリアン(アルメニア)
海人(日本)
<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
三浦彩佳(日本)
澤田千優(日本)
<キック・バンタム級/3分3R>
秋元皓貴(日本)
久井大夢(タイ)
<キック・フェザー級/3分3R>
和島大海(日本)
リカルド・ブラボ(アルゼンチン)
<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
平田樹(日本)
リトゥ・フォーガット(インド)
<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
和田竜光(日本)
伊藤盛一郎(日本)
<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
山北渓人(日本)
黒澤亮平(日本)
<ムエタイ・フライ級/3分3R>
吉成士門(日本)
ジョハン・ガザリ(米国)
<キック・アトム級/3分3R>
黒田斗真(日本)
田丸辰(日本)
<キック・フライ級/3分3R>
陽勇(日本)
内藤大樹(日本)
<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
永井奏多(日本)
神部篤坊(日本)


















