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【UFC199】ビスピンが、オクタゴン生活10年で初の世界戦=ロックホールドに挑戦も……苦戦は必至

Rockhold【写真】王座奪取した時のような急激なスタミナ切れさえなければ、王座安泰か──ロックホールド(C)MMAPLANET

4日(土・現地時間)、カリフォルニア州イングルウッドのザ・フォーラムで開催されるUFC 199「Rockhold vs Bisping 2」。メインではイベント名にある通り、UFC世界ミドル級王者ルーク・ロックホールドにマイケル・ビスピンが挑む。

本来は昨年12月にロックホールドに王座を奪われたクリス・ワイドマンがダイレクト・リマッチに挑む予定だったが、負傷欠場。その勝者への挑戦者一番手のホナウド・ジャカレは5月14日に試合をしたばかりで、ネームバリュー的にも試合間隔的にも問題のなかったビスピンが──オクタゴン実働9年11カ月を経て、初の世界王座挑戦権を手にした。

タナボタであるが、これまでの長くトップ戦線で戦い続けてきた功績でもピカイチのビスピン。彼以上の挑戦者はこのタイミングではいなかったであろう。とはいってもこの両者、2014年11月に対戦しており、その時はロックホールドが2R0分57秒ギロチンで一本勝ちを収めている。しかも、試合展開も一方的なモノだった。

サウスポーの構えから、左ロー。そして左ミドルでビスピンを突き放したロックホールドは、踏み込みが大きくなりパンチも大振りになったビスピンの攻撃をバックステップでかわし、ほとんどパンチを被弾していない。加えて前進を続けるしかなくなったビスピンに対し、左ミドルや右フックで迎え撃ち常に自分の距離で戦い続けた。

ロックホールドの左ミドルはビスピンの前進を止めるだけでなく、ダメージを与えて動きも止めた。仕上げは軌道を変えた右ハイキックで、さらに混乱させて左ハイ一閃。ダウンを奪いパウンドを落としたロックホールドは、起き上がってきたビスピンをギロチンに捉えてタップを奪った。文字通りの完勝だ。

まだ記憶に新しい試合内容だけに、どう考えても今回の挑戦もビスピンの勝機は少ないと予想するのが妥当だ。特に左から蹴りの残像が頭とハートに残っている限り、ビスピンは再びがんじがらめのような状況で戦うことになる。突破口があるとすれば、ローキックで前足を削り続けること。とはいっても、ローに左ストレートを合わせることを得意としているロックホールドだけに、この点ですら完遂することは困難だ。

ビスピンが勝つには、前回の試合がなかったようなスタンス、間合い、戦術で攻めること。意外とテイクダウン重視で戦うと、ロックホールドを削ることができるかもしれない。いや、逆をいえば王座を奪取した一戦でも、極度の疲労に襲われていたロックホールドだけに、意外やケージに追い込む作戦は有効かもしれない。ビスピンが賭けるのは、自らのスタミナ。そこに勝機を見出したい世界戦となる。


■ UFC199対戦カード

<UFC世界ミドル級選手権試合/5分5R>
[王者] ルーク・ロックホールド(米国)
[挑戦者] マイケル・ビスピン(英国/4位)

<UFC世界バンタム級選手権試合/5分5R>
[王者] ドミニク・クルーズ(米国)
[挑戦者] ユライア・フェイバー(米国/3位)

<フェザー級/5分3R>
マックス・ホロウェイ(米国/4位)
リカルド・ラマス(米国/5位)

<ミドル級/5分3R>
ダン・ヘンダーソン(米国/15位)
ヘクター・ロンバード(豪州)

<ライト級/5分3R>
ダスティン・ポイエー(米国/11位)
ボビー・グリーン(米国/13位)

<フェザー級/5分3R>
コール・ミラー(米国)
アレックス・カサレス(米国)

<フェザー級/5分3R>
ブライアン・オルテガ(米国/12位)
クレイ・グイダ(米国)

<ライト級/5分3R>
ベニール・ダリューシュ(米国/10位)
ジェイムス・ヴィック(米国)

<女子ストロー級/5分3R>
ジェシカ・ペネ(米国/6位)
ジェシカ・アンドレジ(ブラジル)

<ウェルター級/5分3R>
ショーン・ストリックランド(米国)
トム・ブリーズ(英国)

<ライトヘビー級/5分3R>
ジョナサン・ウィルソン(米国)
ルイス・エンリケ(ブラジル)

<ミドル級/5分3R>
ケビン・ケイシー(米国)
エルビス・ムタプチッチ(ボスニア・ヘルツェゴビナ)

<ライト級/5分3R>
ポロ・レイジェス(メキシコ)
キム・ドンヒョン(韓国)

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