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【Pancrase268】ベラトール準優勝者を完封、上田将勝 「ビビアーノさんの圧力を経験していたので」

Masakatsu Ueda【写真】打・倒・抑の局面で実力者ノゲイラに圧力を感じなかったという上田 (C)MMAPLANET

5日(日)に江東区ディファ有明で開催されたPANCRASE 268ルイス・ベタオ・ノゲイラに快勝した上田将勝。

ブラジル×日本の4×4対抗戦のトリで2013年5月のケビン・ベリンゴン戦以来の勝利を挙げた。打撃、テイクダウン、スクランブルというそれぞれの局面でノゲイラにペースを握らせなかった上田は、彼にとって大いなる失望となったベラトール・フェザー級トーナメント準優勝者への完封劇は、トラウマを解消する見事な勝利となった。

──おめでとうございます。25カ月振りの勝利です。

「ありがとうございます。最後にいつ勝ったのか、ちゃんと数えていなかったんですけど、本当に久しぶりに勝つことができました」

──快勝だったと思います。上田選手自身はどのような印象を持っていますか。

「どこかでガツンと一発来るんだろうと思いながら戦っていたんですけど、最後まで来なかったので自分のペースで戦うことができました。2Rになってからノゲイラ選手が疲れたというのが分かりましたし」

──初回、大きく勢いのあるフックの直後にしっかりと左ミドルを入れることができました。

「打ち負けなかったことは良かったです。タイミングをずらすパンチをずっと新井(誠介)コーチに習っていて。打った後も避けるという練習も続け、体が自然と反応してくれました。

寝技も警戒していたのですが、いざそういう局面になっても『アッ、こんなもんか』と思えました。ビビアーノ(フェルナンデス)さんの圧力を経験していたので、そこは大丈夫でした」

──ビビアーノ戦を経験する前とは違った?

「あの圧力を経験していなければ、もっとびっくりしていたかと思います。特に体を見た時点で(苦笑)。凄い体をしていました」

──上を取り切れないという場面もありましたが。

「『滑るなぁ』って思っていました。だから無理な力を使わないで戦おうと。ああいう展開は僕も得意なので、際でトップを取ってやろうと戦っていました」

──下になった時も得意の巻き込んでのスイープも出ました。

「アレは狙っていました。そしてすぐにシングルにつなげようと」

──話を伺う限り、かなり気持ち的にも余裕を持って戦えたのでしょうか。

「いえ、それはないです。勝ちたいという気持ちが強くて、15分間が凄く長かったです。脹脛にローを蹴っていて、段々前に出て来られなくなったので、あの距離にいれば大丈夫だと思っていました」

──2Rが終わった時点で、最終回は絞めで一本が取れるのではないかという期待もありました。

「無理せずに勝ちに行ったのはあります。アナコンダも体が滑っているので極まらないだろうし、あの態勢になってもバックに回ったり確実な戦いを心掛けました。ただ、ビクター・ヘンリー戦のように一発で負けることもあるので、最後まで気は抜けなかったです」

──そのビクター・ヘンリー戦での一本負けで、引退を考えることはなかったですか。

「負けた日のうちに石渡(伸太郎)君と話をして、すぐに続けようと決めました。今年1年は絶対に続けようと」

──石渡選手はどのようなことを?

「色々とアドバイスをくれて、『一緒にやろう』と。病院に連れて行ってくれたり、本当に色々と助けてくれました」

──ビビアーノ戦後の引退を踏み留まらせてくれた時のようにフィリピンパブで激励会はなかったのですか(笑)。

「フィリピンパブも、あの試合のあと一度行きました……」

──ハハハハ。ただ、パンクラスで戦う限り、バンタム級の頂点はその盟友、石渡選手です。

「いや、石渡君には勝てないです。凄く強い。なのでパンクラスのチャンピオンは狙っていないです。それに色々な大会があるので、とにかく少しでも強い選手と戦っていきたいと思います。モチベーションの上がる相手と戦っていきたいです」

──上田選手の成長が、結果をもって証明できました。

「やっとOTOKOGIでやってきたことが、試合に出せるようになってきました」

──では、祝勝会の方ですが……。

「ハイ、石渡君にフィリピンバプに連れて行ってもらいます」

──オォ、空気が読めるようになってきましたね(笑)。

「ありとうございます(苦笑)」

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