【Pancrase296】ハファエル・シウバ、鉄壁のバック奪取&コントロールで暫定王者に。上田はグローブ置く
<バンタム級暫定王座決定戦/5分5R>
ハファエル・シウバ(ブラジル)
Def.3-0:50-45.50-45.49-46
上田将勝(日本)
右ローを蹴ったシウバ、上田はバランスを崩し立ち上がったところで右ストレート、右ローを受ける。続く右ローにテイクダウンを狙った上田だが、シウバが組み勝ってバックコントロールへ。上田の得意の巻き込みをすかしてバックをキープしたシウバが両足をフックする。上を取りかえそうとした上田に対し、シウバはポジションもスクランブルも許さずバックを取り続ける。
ストレートアームバーを狙った上田は、両足をフックされても腰をずらしてアンクルロックへ。足を抜いたシウバは、バックコントロールからパンチを打ち込む。上田の巻き込みについて回転してなお、ボディロックを外さないシウバがバックについたまま試合はスタンドへ。ケージ際に移動し、キムラロックの上田は寝技に持ち込んで再び足首固めを仕掛ける。シウバは強烈な勢いでパウンドを落とし、シウバがジャッジ3人から10-9を得た。
2R、重いローからワンツーとアグレッシブな打撃を見せるシウバが、右インサイドローを連続で蹴る。さらに左から右ロングフックを当てたシウバに対し、上田も左ローを2発返す。シウバはそれでも前に出て右クロスをヒット、上田は左ミドル。これが効いたか、シウバの動きが落ちる。シウバはここでダブルレッグを選択し、バックに回り込む。上田は胸を合わせてケージにシウバを押し込むと、右腕を差し上げてテイクダウンを狙うも、すっぽ抜ける。
バックを取り返したシウバは、ボディロックから正面に回り、上田の左足を両足で挟んで、倒しにかかる。上田は倒れず、ワキ腹にパンチを入れるが、シウバがワキを潜ってバックからボディロック、このままの態勢で2Rが終わり、この回もシウバが3票を取った。
3R、上田はシウバを動かせるよう自らも激しくステップを踏む。左ミドルは2Rほど入らず、シウバが圧力を強める。左右に回る上田が右を被弾し、ダブルレッグの仕掛けについに尻餅をつかされる。ケージを背にして立ち上がる上田は、ここでバックを与える。足を払ってテイクダウンしたシウバは、上田が立つのに任せてバックをキープする。
レフェリーがブレイクを命じ、両者が離れるとシウバは右ミドルを入れ、上田のテイクダウン狙いを潰し、スクランブルで腰をコントロールしまたもバックへ。この回はジャッジ2人がシウバ、1人が上田を支持した。
4R、バンテージが乱れているシウバにインターバルが与えられる。再開後、左ミドルを蹴った上田に大きな声援が集まる。シウバは右ストレートを打ち抜き、さらに左ジャブから右クロスを放つ。やや手数が減った両者、上田は左右のローを蹴る。右を振るう上田の顔面をシウバの右が打ち抜き、続く右クロスからテイクダウンを決める。グラウンドで背中を譲った上田に対し、シウバは両足をフックするとパンチを入れてRNCの機会を伺う。
上田は尻をずらし、胸を合わせに行くがシウバはこの動きを察知して、フックを外してバックコントロールを選択する。上田は背中を取られたまま立ち上がり、ラウンド終了を迎えた。この回もシウバが取り、いよいよ上田は最後の5分へ。
またもバンテージの再装着で時間を作ったシウバに、上田は左ミドルを入れてシングルレグへ。シウバは切って、続くシングルもケージを背にして倒れない。上田は距離を取り直し、左ハイ。完全に待ちの態勢のシウバは、サバイバルファイトに。上田は前に出て右ボディ、左ハイは空振りに終わる。なかなか距離を詰めることができない上田はシングルレッグも切られて、バックを譲る。
そのまま後方に倒れ込んだシウバに、足関節を仕掛けた上田はこれを潰されバックを取られる。前転した上田は、ここも胸を合わすことができない。背中をしっかりと取るシウバは左足をヒザ裏に差し込み、上田を前方に崩してパウンドを落とす。前転できない上田は背中が伸びそうになり、ヒザをついて懸命にロールを試みる。その全ての仕掛けを封じこんだシウバは、後方からパンチを落としタイムアップを迎えた。
キャンバスにしゃがみ込んだ上田は、セコンドに支えられコーナーに戻り、現役最後のファイトを終えることとなった。判定は3‐0でシウバに。暫定王者は「ウエダに感謝している。日本が大好きなので、チームの皆と努力してパンクラスで戦っていきたい」と話しデカゴンを後に。続いてマイクを握った上田は「ハファエル選手は強くて、及ばす負けてしました。悔しいですけど、全て出し切りました。本日をもって引退します。今まで応援していただき、ありがとうございました」とグローブをマットに置いた。