【UFC245】打っては打たれる──激しい打ち合いで、カマル・ウスマンが最終回にコビントンをKO
<UFC世界ウェルター級選手権試合/5分5R>
カマル・ウスマン(ナイジェリア)
Def.5R4分10秒by TKO
コルビー・コビントン(米国)
全くタッチグローブの気配がなかった両者、サウスポーのコビントンが左ロー、自らの蹴りでバランスを崩したウスマンだがすぐに立ち上がる。コビントンは左ミドルを入れ、大USAコールを背景に左ストレートを伸ばす。しっかりと見るウスマンは右フック、左ジャブからもう一度右を打ちこむ。ローから左ジャブを当て、右ストレートを入れたウスマンがテイクダウンのフェイクから、右ストレートを入れる。
左を連続で打ち返したコビントンだが、ウスマンはスイッチし右ジャブをリズムよく当てる。コビントンは左を連打し、ミドル、そして右をヒット。ウスマンも蹴りとジャブを当てるがコビントンが左ストレートを返し、ヒザ蹴りにもアッパーから左ハイ、さらにヒザ蹴りとラッシュをかける。
乱打戦に持ち込んだコビントンは、ジャブをもらっても左を当て、ウスマンも左を打ち返す。ジャブの打ち合いから、前に出るコビントンは左をヒット。すぐに左を打ち返したウスマンが右ボディを入れると、コビントンのガードが下がる。ここでボディと顔面を打ち分けるウスマンは、ヒザ蹴りをブロックしてボディを殴る。コビントンも左をヒット、激しい打撃戦を終えコビントンが挑発するような笑みを見せた。
2R、ジャブの打ち合いから、コビントンがボディブロー。ウスマンがボディアッパーを入れる。前蹴りから右ジャブを連打したウスマンに対し、コビントンがボディ打ち。ウスマンも腹を殴り返し、左フック、さらにミドルを蹴る。右を受けたコビントンが、左から右を打ちこみ、インサイドローへ。サウスポーでジャブを連打し合うと、ウスマンがアッパー、コビントンが左ストレートを届かせる。
ここでコビントンの蹴りが急所付近に入り、試合が中断。再開後、右ジャブを打ち合うとウスマンがオーソに戻す。コビントンが左を打ち、ダブルのジャブを繰り出す。ウスマンは右を当て、右ハイへ。ボディを抉るウスマンだが、コビントンは右をヒットさせる。直後に右を打ち抜いたウスマンが、ボディと顔面に正確なパンチを打ち、またもラウンド終了後に両者が挑発しあった。
3R、ウスマンが腹に前蹴りを入れ、クリンチからのヒザもボディを突き刺す。さらに右ストレートをヒットさせたウスマンは、左ジャブ、右ミドル、右前蹴り、ジャブから右ハイと隙のない攻撃を見せ、最終的に腹を効かせる。この回に入って手数が減ったコビントンは、引き続き腹に前蹴りを受ける。ウスマンは右ボディ、ここまでの一進一退から完全に流れを引き寄せる。
右を2発、左フックを被弾したコビントンは左ハイキック、続いて左ストレートからもう一度左ハイを蹴っていく。この直後に左手の指がウスマンの右目を指し、試合が中断する。再開後、一気呵成に前に出るコビントンは逆にアイポークがあったとアピールするが、これは完全にパンチ、しかも当たった場所はアゴだった。
4Rの序盤も打撃戦を優位に進めるチャンピオンだったが、左を2発被弾しパンチが大振りになる。ジャブを伸ばしてリズムを取り戻したウスマンが、右ボディストレートを打ち込む。コビントンは右&左を返すも、ウスマンも右をヒットさせる。コビントンはアッパーを決めて、左フックに続きもう一度右アッパーを入れる。ウスマンもボディから右ストレートをヒットさせ譲らない。コビントンは左ミドルを蹴り、ウスマンの動きがやや落ちてきたか。
コビントンは左フック、左ローを続ける。パンチの交換でまたもアイポークがあったと不平をいうコビントンに対し、レフェリーが「クリーンに試合をしろ」と注意を与える。再開後もややコビントンが優勢のままタイムアップに。途端にコビントンが挑発し、ウスマンも応え、雰囲気が騒然としている。
最終回、ウスマンの右ハイがコビントンの顔面をかすめる。コビントンは左をヒットさせ、ワンツーから左を打ちこむ。互いにストレートを当てるが、勢いは挑戦者にある。パンチをまとめたコビントン、ウスマンも譲れない場面でボディに拳を打ち込む。残り2分を切り、コビントンが左ハイから左ストレートを当てる。それでもチャンピオンは左に続き右を当て、コビントンの動きが落ちるとついにワンツーの右でダウンを奪う。立ち上がったコビントンは左フックに右を打ち抜かれ、2度目のダウン。ダブルレッグに出たところで、鉄槌の連打からパンチを纏められ試合は決した。
ストップに不平を述べるコビントンだが、これは致し方ないレフェリーのグッドジョブだった。