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【UFC294】初回をビッグラウンドとしたチマエフが、底力を見せたウスマンをTD&コントロールで下す

<ミドル級/5分3R>
カムザット・チマエフ(UAE)
Def.2-0:29-27.29-27.28-28
カマル・ウスマン(米国)

試合前も言葉をぶつけ合う両者。笑顔を見せるチマエフのグローブタッチを、ウスマンが拒否する。開始直後にシングルレッグからバックに回ったチマエフが左右の足を交互に払い、ウスマンの姿勢を乱すと一気に両足をフックする。一度は伸びた背中をヒザ立ちの状態まで戻したウスマンだが、チマエフはパンチを続ける。ケージを掴んで落ちないようにしたチマエフに、レフェリーが注意を与える。

もう一度、背中を伸ばしに掛かるチマエフは右腕を取ってバランスをキープする。体をさらに起こそうとするウスマンにエルボーを入れたチマエフは、立ち上がったところでRNCをセットする。自ら頭をキャンバスに打ち付けるように、前方に倒れ込んで絞めを防いだウスマンだが、ボディトライアングルに捕えられた状態が続く。残り30秒、ついにフックを解いたチマエフが後方からパンチを打ちつけ、もう一度両足をフックしてラウンドが終わった。

2R、両者が手を出さない状態が30秒以上に続き、ウスマンが右カーフを蹴る。チマエフはジャブを伸ばし、スイッチ、テイクダウンのフェイクを見せる。チマエフは左ミドルを入れ、再び見る展開に。お見合いが続き、ついに館内からブーイングが起こる。ウスマンもダブルのフェイクを見せ、右を伸ばす。残り90秒、極端に手数の少ない展開の中でチマエフが右ハイを狙う。直後にワンツーで右を当ててウスマンが、カーフを蹴る。さらに左を届かせたウスマンだが、ダブルレッグで倒される。ウスマンはダブルオーバーフックのような形で固めるも、チマエフは頭を抜いてトップを奪取した直後に時間となった。

最終回、最初のダブルを切ったウスマンが左ジャブを伸ばす。ステップイン&ジャブを当てたウスマンが、シングルのフェイク。チマエフは右を伸ばしたところで右を被弾し、続くダブルレッグを切られる。自らハイで姿勢を乱したウスマンは、直ぐに立ちあがってジャブ、そして右を伸ばす。チマエフも打ち返すが、当たらない。パンチでリードしたウスマンはダブルレッグを切られると、ペースが落ちる。チマエフはシングルレッグから、ダブルに移行してテイクダウンを極め切るとハーフでトップに。

煽るウスマンだが、スクランブルに持ち込めない。左のパンチを落とすチマエフは肩パンチ。潜って反転したウスマンがスタンドに戻ることに成功する。最後の10秒、ジャブから右を伸ばすウスマンが頭を下げて拳を振るうチマエフにパンチを放ち続け、2週間のスクランブル発進で最後に底力を見せた。

初回は10-8でチマエフでもおかしくなく、2Rはウスマン。最終回はテイクダウンとコントロールはチマエフ、序盤のウスマンのパンチをジャッジがどのように判断するか。結果は29-27、29-27、28-28でチマエフがマジョリティ判定勝ちを収めた。

チマエフは「僕らがケージで戦っている間も子供達が死んでいる。僕には息子がいて、僕の返りを待っている。子供が死ぬなんて、なんていえば良いのか。ムスリムもクリスチャンも関係ない。一緒に平和な人生を築いて幸せになろう」とメッセージを送った。


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