【ONE104】ブルーノ・プッチと対戦、図太い上久保周哉─01─「貸し借りゼロだなって(笑)」
【写真】すっかりインタビューもリラックスして受けられるようになり、意外な太々しさを見せるようになった上久保(C)MMAPLANET
22日(金・現地時間)、シンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムでONE104「Edge of Greatness」が開催される。
同大会で上久保周哉が、ブルーノ・プッチと対戦する。Evolve MMAのグラップリング・コーチを務めていたブッチは、そこで出会ったアンジェラ・リーと結婚した選手で、今回がバンタム級初陣となる。
対して上久保は、8月のバンコク大会でキャリア最強の相手ユーサップ・サーデュラエフと対戦予定だったが、現地入りしてから目に変調をきたし、キャンセルを余儀なくされた。サーデュラエフが過去最強の相手であるなら、ブッチは国際戦で初めて自身より寝技が強いと目される対戦相手だ。そんなプッチ戦を前にした上久保に話を訊いた。
──22日にブルーノ・プッチと対戦する上久保選手ですが、8月のユーサップ・サーデュラエフ戦を現地入りしてから目の痛みでキャンセル、急遽帰国しました。あの時はどのような症状だったのですか。
「とにかく目が痛くて。目の表面に瞼が当たっただけでも痛くて。それどころか目を開けていて風が当たるだけでも凄く痛かったです。最初は月曜日にバンコクに入って、違和感があるという風だったのが、どんどん痛くなっていって。
ゴミが入った痛みかとか、そういうモノだと思っていました。試合まで3日あるし次の日に起きたら痛みが無くなっていれば良いだろうって感じいたのが、夜中になると痛みで眠れなくなりました」
──試合には出るつもりだったと。
「ハイ。でも、火曜日になるともう痛すぎて動けなくなりました。病院に行って、最初は菌だろうということだったのですが、2度目にしっかりと診てもらって目に傷があることが分かって。結果、両方だったようです。練習で傷がついて、そこに菌が入ったということでした。
病院から戻ってきたときには、もう試合は無理だと思いました。瞬きしても痛くて、薬を飲んでも痛みが鎮まるのに暫らくかかるということだったので」
──そして帰国の途についたと。
「ハイ、水曜日の夜の便でタイを出ました」
──その時の気持ちは?
「とりあえず早く治療がしたい。日本の病院に行きたいということばかり考えていしましたね」
──試合を飛ばしてしまったという自責の念に駆られることは?
「前にフェニックスFCで相手のせいで試合ができなくなったことがあったのですが、今度は自分の責任で飛ばしちゃったなぁって(笑)」
──メチャクチャ軽い。
「正直、もう目が痛くて試合どころじゃなかったです。それとONEのスタッフが凄く良くしてくれて。試合より安全第一だっていう風に向こうから言ってきてくれたので、気持ちは幾分楽でした。結果的にそこに甘える形になりましたす」
──申し訳ないとか言う言葉は一切ないですね(笑)。
「申し訳ないというか、非難めいたところがなかったので有難かったです」
──痛みが取れたのは?
「次の週の月曜日ぐらいに、メチャクチャ痛いという状態ではなくなりました。それまでは痛くて部屋とトイレを行き来するぐらいで。でも、キム・デフォンが僕の代わりに戦っているのを見て、『試合がしたかったなぁ』という気持ちにはなりましたね」
──練習できるまで、どれぐらい時間が掛りましたか。
「痛みが少なくなり始めてから、1週間後ぐらいだったと思います。とりあえず体を動かして戻したかったですね」
──それにしても10月28日にロータスでの練習の時に『まだ試合は決まっていない』と上久保選手は言っていたので、かなり急なオファーになりましたね。
「11月3日とか4日でした。試合まで3週間なかったですね」
──この準備期間でブルーノ・プッチとの対戦。オファーを受けた時の気持ちを教えてください。
「う~ん『代役だな』って思いました。バンタム級に階級を下げて戦うのだから、プッチの方は準備をしてきたはずですし。発表はなくても、誰かとやることになっていたのでしょうね。まぁ、これで8月のキャンセルと貸し借りゼロだなって(笑)」
──なかなかの太々しさです(笑)。これまで上久保選手は多くの試合で、打撃で戦いたい選手を組んで倒すという展開で勝利を手にしてきました。一方でプッチは組み技勝負がしたい選手です。
「その通りだと思います。今度は向こうから組んでくる。僕が組んでいっても、そこで勝負してくる相手です。準備期間が短くても、僕に必要な試合だと思いました。だから、貸し借り云々よりブルーノ・プッチということは、僕がONEから試されている試合になるので戦いたいと思ったんです」
<この項、続く>