【ONE100】リベンジという名の防衛戦=パンダ戦へ、アンジェラ・リー「怒りが私を奮い立たせてくれる」
【写真】非常にフレンドリーなアンジェラが、今回のインタビューでは既に言葉から闘志の塊のような雰囲気が感じられた (C)MMAPLANET
13日(日)に東京都墨田区の両国国技館で開催されるONE 100 Century。ダブルヘッダーの同大会Part.01のメインでアンジェラ・リーが、ONE世界女子ストロー級王者シィオン・ヂィンナンを相手に、ONE世界女子アトム級王座防衛戦を行う。
3月の日本大会でシィオン・ヂィンナンの持つストロー級王座に挑み、TKO負けを喫したアンジェラ。その後、7月に柔術界の女帝ミシェル・ニコリニとのグラップリングウォーズで判定負けを喫し、再起戦でも敗れた。アントッパブルが、初めて経験した一旦停止……から、彼女が如何に立ち直り、東京でのリベンジを兼ねた王座防衛戦に臨むのかを尋ねた。
──アンジェラ、まず7月に行われたミシェル・ニコリニに選手について話は聞かせてもらえますか。
「もちろん!!」
──あの試合、素晴らしい柔術MMAが展開されましたが、判定負けという結果に終わりました。柔術ゲームに付き合ったうえでニコリニを消耗させ、トップからパウンドを落とすシーンもありONEの裁定基準ではアンジェラの勝利だったという声も少なくなかったです。
「あの試合は本当にフラストレーションがたまるものだったの。ファイターって、自分のベストを尽くして戦いたいものじゃない? それが最初からデキる試合もあるし、あの試合のように最終ラウンドになって自分の戦いになる場合もある。試合を通して危ないと思ったことはなかったし、良いファイトができていた。最後のラウンドでニア・フィニッシュまで持ち込んだ。
フィニッシュまで近づいていたけど、結果は判定負けだった。でも判定に不平を言うことはできない。裁定に文句をいうなら、その前に勝たないとね。フィニッシュすべきなの。ジャッジの裁定をコントロールできないから」
──だからこそ、しっかりとジャッジはスコアをつけてほしいというのもあります。
「う~ん、今私が言えることはミシェルとは絶対にリマッチをしたいということね」
──アンジェラは想像以上に柔術でニコリニと渡り合えていました。だからこそ、柔術に付き合ってしまった。あそこまで寝技ができないと、徹底して寝技を避けて戦う。アンジェラもテイクダウンを切って殴る、スタンドで消耗させた方が勝利は近づいていたのではないかと。
「その通りね。ただしMMAはどの局面でも戦えないといけない。私は寝技でも立ち技でも戦える自信があるから、寝技に行くことが怖くなったのも事実……でも、時間を使い過ぎてしまった。だから、違う試合ができることを見せたいと思っているわ」
──寝技に自信が持てたというのはないですか?
「う~ん、それはないわ。MMAは寝技だけじゃないから。パフォーマンスにも判定結果にもハッピーではなかった。だって私はもっとできると思っているし、2連敗したんだから。気持ちを入れ替えるのにも少し時間が掛ってしまったしね」
──ただし、ニコリニ戦前にシィオン・ヂィンナンと今度はアトム級のベルトの防衛戦という形で再戦が決まっていました。
「そうね、旅行をして気持ちを切り替えてシィオン・ヂィンナン戦に集中して調整をしてきたわ。とにかく、このスポーツは気持ちが大切だから。練習は1年中やっている。でも、どういう気持ちで練習に取り組んでいるのかで、全く内容は違ったモノになるし。試合でもそう。メンタルが本当に大きな部分を占めている。でも、多くのファイターが経験していると思うけど、感情は自分でコントロールできないことがあるの。そこがこのスポーツを戦っていて、最も大変な点じゃないかしら。
今年になって2度目も敗北を経験したわ。最初は凄く悲しくて。メチャクチャ落ち込むの。そして、そこから怒りの感情が出てきて、『なんで、あんな風になるの? 私はもっとできるでしょ』って自分に腹が立ってしょうがなくなる。この怒りが私をまた奮い立たせてくれるのよ」
──では今回の試合はアトム級で行われることについて、どのような気持ちでいますか。
「アトム級で戦うことに関しては、常に体重を落とすという問題がついて回って来た。でも、同時にアトム級で戦う時の自分が一番手強いファイターになっているという自信があるの。シィオン・ヂィンナンはどうかしらね。彼女は初めてアトム級で戦うわけだし、これまで体重を創ることの大変さは経験してこなかった。彼女はそうやって辛い時を過ごしているからこそ、ハングリーになれるし、勝利に対する想いが強くなっているはず。私もそうだから。
でも、彼女の減量に関係なく私は絶好調だし、これまでで一番楽に体重を創ることもできている。そして、100パーセントの調整ができた時、私は誰にも負ける気がしない。前の試合は背中のケガの影響があって、MMAに必要な全ての練習をすることができなかった。今回は違うわ。どの局面でも戦えるように準備ができているから。その結果、自信を再び持てることができたの」
──タップこそしなかったですが、アンジェラの腕ひしぎ腕固めは完全に極まっていました。シィオン・ヂィンナンの右腕は靭帯を傷つけて、前のように使えなくなっているかもしれないです。
「パンダ……シィオン・ヂィンナンは本当にタフよ。だからこそ、チャンピオンなわけだし。仮に、今いったようなコトが彼女に起こっていたとしても、彼女なら乗り越えてくるでしょうね。でも、次は私も極めきるわ。
この試合は本当にタフになるはず。私もケガなく、凄くハードなトレーニングを積むことができたし、メンタルも問題ない。これで負けたら3連敗とか、色んな想いがあったけど全てを遮断して集中できたから、もうあとは戦うだけよ」
──既に言葉がエネルギーに満ち溢れています。
「アハハハ、ありがとう。本当にその通りよ。もう試合が待ちきれないわ」
──その前にファンフェスでファンとの交流という場があります。
「そのために体重を早めに調整してきたの。ファンとの交流は凄く楽しみしているわ。試合の準備は十分にしてきたし、ファンの皆と会って楽しみたい。日本のファンと交流できることは、私の日本滞在をさらに楽しくしてくれることになるし。とても楽しみにしているわ」
──ところでクリスチャンが急遽、ダギと対戦することが決まりました。
「本当に驚かされたわ。一本の電話で、彼は即決しないといけない状況になって。私はクリスチャンがいつでも戦える状態にあるのは知っているからこそ、正しい判断をしないといけないと思って、彼や父と話し合ったの。ここまで助け合ってきたし、もちろん試合まで互いをサポートし続けるわ。と同時に、自分の試合に集中する。そして、家族にとって10月13日の夜が素晴らしいモノになるためにベストを尽くすわ」
──アンジェラ、今日もありがとうございました。では最後に日本のファンにメッセージをお願いします。
「私は日本が凄く好きだし、日本のファンに会うことを楽しみにしているから──皆もシャイになり過ぎないで、私に接してね(笑)」
※アンジェラはクリスチャンと共にONEマーシャルアーツ・ファンフェス1日=5日(土)の午後4時からMeet & Greetに登場することになっている。
■ONE100 第1部対戦カード
<ONE世界女子アトム級(※52.2キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]アンジェラ・リー(米国)
[挑戦者] シィォン・ヂィンナン(中国)
<ONEフライ級(※61.2キロ)ワールドGP決勝/5分3R>
デメトリウス・ジョンソン(米国)
ダニー・キンガド(フィリピン)
<ONEライト級(※77.1キロ)ワールドGP決勝/5分3R>
クリスチャン・リー(米国)
ザイード・フセイン・アサラナリエフ(トルコ)
<キックボクシング女子アトム級/3分3R>
ジャネット・トッド(米国)
エカテリーナ・ヴァンダリエヴァ(ベラルーシ)
<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
若松佑弥(日本)
キム・デフォン(韓国)
<ムエタイフライ級/3分3R>
サムエー・ガイヤーンハーダオ(タイ)
ダレン・ローラン(フランス)
<ウェルター級(※83.9キロ)/5分3R>
岡見勇信(日本)
アギラン・タニ(マレーシア)
<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
平田樹(タイ)
リカ・イシゲ(タイ)
<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
仙三(日本)
リト・アディワン(フィリピン)
<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
プー・トー(ミャンマー)
ユン・チャンミン(韓国)
<68キロ契約/5分3R>
スノト(インドネシア)
クォン・ウォンイル(韓国)
■ONE100 第2部対戦カード
<ONE世界ライトヘビー級(※100.01キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]オンラ・ンサン(米国)
[挑戦者]ブランドン・ベラ(米国)
<ONE世界バンタム級(※65.8キロ)選手権試合/5分5R>
[王者] ビビアーノ・フェルナンデス(ブラジル)
[挑戦者]ケビン・ベリンゴン(フィリピン)
<ONE Super Seriesムエタイ世界フライ級選手権試合/3分5R>
[王者]ロッタン・シットムアンノン(タイ)
[挑戦者]ヴァウテウ・ゴンカウベス(ブラジル)
<ONE Super Series キックボクシング・フェザー級ワールドGP決勝/3分5R>
ジョルジオ・ペトロシアン(イタリア)
サミー・サナ(フランス)
<ヘビー級(※120.2キロ) 5分3R>
マウロ・チリリ(イタリア)
アージャン・ブララ(カナダ)
<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
青木真也(日本)
ホノリオ・バナリオ(フィリピン)
<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
山口VV.芽生(日本)
ジェニー・フアン(台湾)
<修斗✖パンクラス王者対抗戦ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
猿田洋祐(日本)
北方大地(日本)
<修斗✖パンクラス王者対抗戦バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
佐藤将光(日本)
ハファエル・シウバ(ブラジル)
<修斗✖パンクラス王者対抗戦ウェルター級(※83.9キロ)/5分3R>
エルナニ・ペルペトゥオ(ブラジル)
手塚裕之(日本)
<修斗✖パンクラス王者対抗戦ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
松本光史(日本)
久米鷹介(日本)