【PFL WT2025#10】ワールドT千秋楽。3階級の決勝以上に?? 注目はバンタム級のメレディス×ダイロン
21日(木・現地時間)、フロリダ州ハリウッドのセミノール・ハードロックホテル&カジノでPFL World Tournament 決勝ラウンド第3弾=PFL World Tournament2025#10が開催される。
Text by Manabu Takashima
8階級中既に5階級で優勝者が決まり、最後の準決勝大会ではミドル級、ライトヘビー級、ヘビー級という3階級のファイナルが行われる。
メインで組まれたミドル級T決勝はファビアン・エドワーズとダルトン・ロスタの間で、優勝賞金50万ドルを賭けた5分×5Rの戦いが繰り広げられる。昨年10月に当時ジョニー・エブレンが持つBellator世界ミドル級王座に2度目の挑戦も、判定負けで返り討ちにあったエドワーズ。心機一転、ワールドトーナメントに出場すると、2023年PFL2023年ライトヘビー級ウィナーで去年は準優勝のインパ・カサンガネイと初戦で戦い、跳びヒザからパンチでKOした。
準決勝では2023年ライトヘビー級準優勝で、LFAでミドル級とライトヘビー級の二階級を制しているジョシュ・シルヴェイラを下し、決勝進出を決めた。対するロスタのファイナル進出は、意外だ。デビュー以来一貫してBellatorで戦い9勝1敗の戦績を残すも、トップファイターとの対戦はなかった。
しかしトーナメントに抜擢されると、2022年ウェルター級世界王者で2023年も準優勝のサディボウ・シをダースチョークで下し、準決勝では唯一の黒星を喫した相手=アーロン・ジェフリーからスプリット判定でリベンジを果たした。両者揃って勢いに乗っているなか、経験値を買ってエドワーズ有利か。
ヘビー級からUFC離脱からPFLに鞍替えしたアレクサンドル・ロマノフが、オレッグ・ポポフと対戦する。後者は昨年のライトヘビー級準優勝で、トーナメントではカール・ウィリアムスとリントン・ヴァッセルの代役ホドリゴ・ナシメントに勝利。ロマノフは初戦でティム・ジョンソンをギロチンで下すも、準決勝はヴァレンティン・モルドフスキーのヒザを急所に受け、試合続行不可能のNCながら決勝進出を手にした。絶対的な強みを持つ者ではない両者、勝敗の行方は如何に?
ライトヘビー級は2021年の同級優勝者のアントニオ・カルロスJrが、今回のワールドトーナメントでトップ戦線に返り咲いた。対するサリバン・コーリーは、ミドル級のロスタと同様にBellatorではトップに絡まないポジションで6勝1敗と大きく勝ち越し。トーナメントに出場すると、同じBellatorで格上だったアレックス・ポリッジと絶対的に格上のフィル・デイヴィスを相手にアップセットを起こした。この両者の対戦は、上昇曲線の上がり方で分のあるコーリー優位か。
そんな決勝3試合以外で注目は、ブライス・メレディスとラザロ・ダイロンのバンタム級マッチだ。NCAA D-1オールアメリカ3度獲得レスラーのメレディスは、LFAでプロMMAデビュー。3試合連続フィニッシュ勝利を挙げると、Bellatorに転じて、PFLと合わせてプレリミとポストリミで4連勝中、キャリア7勝で判定勝ちは2試合だけだ。
対してキューバ人ダイロンは、アマMMAで3連勝後にプロに転じ8連勝と、通算11連勝中(※1分は)のファイターだ。初メジャー=PFLでダニー・サバテロを相手にニア大金星といえるドローを演じている。メレディスは、レスリングの強さは絶対だが、そこを全面に押し出すことなく蹴りも交えなら打撃を果敢に使う。
そのせいで打撃を被弾したりレスリングで遅れを取ることもあるが、最終的には絶対的なコントロール力、相手の自由を奪ったうえでの絞めで勝利を重ねてきた。
サバテロに右を当ててダウンを奪い、減点がありながらドローだったダイロンの打撃は、メレディスを顔面を打ち抜く可能性も十分にある。と同時に、その減点はケージ掴み――つまり、テイクダウン&コントロールに耐えられなくなったうえでの反則行為だった。
既にバンタム級WTは終了し、マルシリー・アウベスが優勝しているが、メレディスとダイロンの両者がトーナメントにエントリーしていたら、アウベスを止めた可能性も十分にあり、今後のバンタム級戦線を占ううえで非常に重要な試合となるだろう。
■視聴方法(予定)
8月22日(金)
午前6時45分~U-NEXT
■PFL World Tournament2025#10対戦カード
<PFL WTミドル級決勝/5分5R>
ファビアン・エドワーズ(英国)
ダルトン・ロスタ(米国)
<PFL WTヘビー級決勝/5分5R>
オレッグ・ポポフ(ロシア)
アレクサンドル・ロマノフ(モルドバ)
<PFL WTライトヘビー級決勝/5分5R>
アントニオ・カルロスJr(ブラジル)
サリバン・コーリー(米国)
<フェザー級/5分3R>
アレクセイ・パーガンデ(米国)
イーサン・ゴス(米国)
<バンタム級/5分3R>
ブライス・メレディス(米国)
ラザロ・ダイロン(米国)
<ミドル級/5分3R>
インパ・カサンガネイ(米国)
アンドリュー・サンチェス(米国)
<ライトヘビー級/5分3R>
ラスル・マゴメドフ(バーレーン)
ギレルミ・ヴィアナ(ブラジル)
<ヘビー級/5分3R>
セルゲイ・ビロスチーニ(ロシア)
カール・ウィリアムス(ヴァージン諸島)
<ミドル級/5分3R>
ジョシュ・シルヴェイラ(米国)
ムラッド・ラマザノフ(ロシア)
<175ポンド契約/5分3R>
JP・セントルイス(米国)
テイラー・レイ(米国)