【ONE FN02】ヂィンナンに挑戦、アンジェラ・リー「途中で諦めるという選択肢は、私にはないから」
【写真】体重だけでなく、体調としてヘルシーな状態でのファイト。どのようなアンジェラ・リーが見られるか(C)ONE
明日10月1日(土・現地時間)、シンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE Fight Night02「Xiong vs Lee 3」メインで、アンジェラ・リーがONE世界女子ストロー級王者シイォン・ヂィンナンに挑戦する。
妊娠&出産を経験し、サークルケージに戻ってきたアンジェラは3月にスタンプ・フェアテックスを相手に女子アトム級王座の防衛に成功し、今回は3年半ぶりとなるストロー級王座に挑戦する。
アトム級王者に君臨しながら、体重を落とす戦いを強いられてきたアンジェラは125ポンドの戦いを前に『私って苦しんでいる? もっと苦しむべきじゃないの?』と減量から解放されて、充実のキャンプを行ってきた。
――シイォン・ヂィンナンとのトリロジー、最終章が近づいています(※取材は9月27日に行われた)。
「凄く調子が良くて、自信も十分にあるわ。彼女と最後に戦ったのは3年前、あれから随分と成長しているしベルトを獲る準備はできている。3月のスタンプとの試合後からも、順調に練習をしてきたしね」
──アトム級で戦うファイトウィークと比較して、ストロー級で戦うファイトウィークはいかがですか。
「正直にいえば125ポンドの方が過ごし良いのは確かよ。体重に関して、何も心配することがないから。そういうストレスが一切なくて。だって毎朝、朝食を食べることができるんだもん(笑)」
──表情もまるで違いますね。
「そうでしょ。115ポンドで戦うより、125ポンドの方がよりナチュラルだし。ファイトキャンプの間も、ずっと同じ体重だった。125ポンドより少し重いだけでエナジーも100パーセント、自分でも力強く感じられて……本当に良いことばかりよ」
──ところで妊娠を経験すると、お腹の中の子を守る機能なのか腹回りに皮下脂肪がつきやすくなると聞いたことがあります。
「女性はそれぞれ違うモノよ。エヴァを出産してから、私はクリーンでヘルシーな食生活に変わったの。結果、脂肪が減って普段の体重も軽くなって。だから、その逆で出産を経験してから、グッドシェイプになったの。妊娠前はジャンクフードでも、何でも食べていたし(笑)。でも妊娠中は私が口にしたものがエヴァの栄養になるから、妊娠を機会に栄養を考え、ヘルシーな食生活を送るようになって。そのまま出産後も、同じように食事には注意を払っているから、ファイターにとっても最適な食生活になっていると思うわ」
──キャリア最高にヘルシーな状態での試合になるわけですね。
「うん、そうね。奇妙なもので、これまでは計量にパスするまで自分を殺していたの。とにかく体重を落とすことに集中して。でも今回のキャンプでは毎日のように学習ができたわ。ホントに『私って苦しんでいる? もっと苦しむべきじゃないの?』って思ったりして(笑)」
──アハハハハ。
「でも皆がハッピーファイターはデンジャラスファイターだって(笑)」
──そんなハッピーでノー・サファーなアンジェラですが、アンジェラと戦った以降のヂィンナンの試合内容をどのように思いますか。リー姉弟とは対極あるポイントゲームをやり切っているように感じますが。
「その通りね。凄く良いプレイゲームをやってのけているわ。きっと今回の試合もそうしてくるでしょうね。でもリー姉弟は違うわ。私たちはフィニッシュを目指し、相手をヤるつもりで戦っている。それがリアルファイターよ。だからこそ、私は土曜日にケージに上がってリアルファイトをヂィンナン相手に見せたい」
──クリスチャンがまさにそのようなファイトを8月にやってのけ、オク・レユンからライト級のベルトを奪い返しました。クリスチャンの勝利はモチベーションになったのでは?
「クリスチャンの勝ち方を視て、ものすごく興奮して最高に盛り上がったわ。クリスチャンは私たちのパッションを、戦いのなかで実証してみせたの。こないだも、その前のクリスチャンの試合も私はキャンプ中でシンガポールに行くことができなかった。でもクリスチャンの試合を見ると……オーマイゴット!! 彼はシンガポールにいて、私を強くしてくれる。クリスチャンは『これがリー姉弟』という試合をしてくれた。土曜日、私は同じように戦うわ──絶対に」
──そのリアルファイトを見せる、仕留めるという思考が強いのでピンチに陥ることがあります。過去の試合を見ると、アンジェラの場合はボディへの攻撃です。
「ボディショットに対する防御は、ファイトキャンプ中も徹底してやってきたわ。スタンプ戦、そしてヂィンナンとの試合でも私はお腹を攻撃されたから。エクスブロージョン・エリアで私はボディへの攻撃を受けた。だからあの距離、ああいう場面でのディフェンスをしっかりと磨いてきたの。防御だけでなく、カウンターの攻撃もね。今回は私がボディショットを打つ番よ(笑)」
──あれだけ腹を抉られて、よく我慢できるなとは思いますが、そこからの逆襲よりも腹に攻撃を受けないほうが賢明です。しかし、あの頑張り……気持ちの強さは称賛モノです。
「試合の途中で諦めるという選択肢は、私にはないから。頭を殴られようが、ボディを抉られようが、絶対に勝負を投げることはない。そういう精神力はファイターなら、持っていないといけないモノだし。チャンピオンなら、なおさらよ。何があろうが、私は前に出ることを止めない。自分を守るためにも、ファイトはフィニッシュするものなの。ビッグハードだと言ってくれたけど、私は自分の技術と同様にハードを信じているの。ホント、それってタフなことで。今回、シィオン・ヂィンナンがどれだけの気持ちの持ち主なのか試してみるわ」
──そのヂィンナンも115ポンドの時と125ポンドでは別人だと思います。
「完璧に仕上げてケージに上がって来ることを望んでいるわ。しっかりとフィジカル・コンディショニング・トレーニングをやり込んで来てほしい。アトム級の時の彼女は本当に小さかった。今回はそんなことはないだろうし、パワフルでスピードもある完璧な状態でいてほしい。そういう彼女に対して、私の全てをぶつけたいから」
──過去2試合は本当にエキサイティングな試合でした。ただし、見ていてエキサイティングな試合は戦っている選手にはタフな戦いになります。今回、エキサイティングな試合かドミネイトかどちらの戦いをしたいですか。
「う~ん、私のプランはドミネイトね。でも、そうなってもエキサイティングな試合になるから。ハイライト・ノックアウトやハイライト・サブミッションを狙うわけじゃないの。ただ、自分の戦いを続けていると自然にそういうフィニッシュが生まれてくるだけで。だから私が目指す戦いはドミネイトよ」
──いやぁ、期待値が上がりますね。米国のプライム・タイムで中継されることはどのように思っていますか。
「最高ね。ハワイのファンやファミリーが午前4時や午前5時に起きて、私の試合を視る必要がないから。クリスチャンの家族とヴィクトリア、そしてエヴァ、皆一緒に私の試合を視てくれる。皆のためにも良い試合をするわ」
──アンジェラ、インタビューに時間を割いてくれてありがとうございます。最後に日本のファンにメッセージをお願いします。
「日本のファンの皆には、いつも応援してくれてありがとうと伝えてね。皆が何年も私の試合を視てくれることに感謝している。私のMMAの旅、MMAへの想いを追い続けてくれて、ありがとう。少しでも早く東京に戻りたいわ」
■放送予定
10月1日(土・日本時間)
午前9時00分~ ABEMA格闘チャンネル
■ONE Fight Night02対戦カード
<ONE世界女子ストロー級(※56.7キロ) 選手権試合/5分5R>
[王者] シィオン・ヂィンナン(中国)
[挑戦者]アンジェラ・リー(米国)
<ONEキックボクシング世界フェザー級選手権試合/3分5R>
[王者]スーパーボン・シンハマウィーン(タイ)
[挑戦者] タイフン・オズカン(オランダ)
<ONEサブミッショングラップリング世界フライ級(※61.2キロ)王座決定戦/12分1R>
マイキー・ムスメシ(米国)
クレベル・ソウザ(ブラジル)
<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
スタンプ・フェアテックス(タイ)
ジヒン・ラズワン(マレーシア)
<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
マーチン・ウェン(豪州)
イリャ・フレイマノフ(ロシア)
<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
ティモフィ・ナシューヒン(ロシア)
ハリル・アミール(トルコ)
<キック・フェザー級/3分3R>
マラット・グリゴリアン(アルメニア)
ジャマル・ユスポフ(ロシア)
<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
高橋遼伍(日本)
オ・テホク(韓国)
<ムエタイ女子アトム級/3分3R>
アニッサ・メクセン(フランス)
ダオコンファー・バンチャメーク(タイ)
<キックボクシング・ヘビー級ワールドGP補欠戦/3分3R>
ラーデ・オバチッチ(セルビア)
ジヤンニス・ストフォリディス(ギリシャ)