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【ONE80&81】ミャンマー大会に徳留一樹&阿部大治、シンガポールには下石康太と上久保周哉が出場

ONE81&82【写真】一つのプロモーションに日本人選手が20名以上は普通ではない。だからこその生き残り合戦が彼らに待ち受けている(C)ONE & LILI

6日にバンコク大会を終えたONEチャンピオンシップの次回大会と次々回大会の対戦カードが固まってきているのでここでまとめておきたい。次回大会は26日(金・現地時間)にミャンマーはヤンゴンのトゥウンア・インドアスタジアムで開催されるONE80「Pursuit of Greatness」で、次々回大会はシンガポールのシンガポール・インドアスタジアムで11月9日(金・同)に行われるONE81「Heart of the Lion」だ。この両大会ではミャンマーとシンガポール、両国のナショナルヒーローがメインに登場する。


N SangONE80ではONE世界ミドル級&ライトヘビー級王者のオングラ・エヌサンが、レバノンのムハンマド・カラキの挑戦を受けミドル級王座の防衛戦を戦う。エヌサンは北部カチン州の出身で、現在は米国在住だがミャンマーという国にあって国際的な舞台のスポーツで、世界と渡り合う初めて存在ということもあり、力道山や白井義男のような誰もが知っている英雄のような存在になっている。

(C)PHOENIX FC

(C)PHOENIX FC

6月の長谷川賢との打ち合いを制し、その長谷川の知名度までミャンマー国内で急上昇するほどの影響力を持つ。

そんなエヌサンに挑戦するカラキは、今は活動停止中の中東Phoenix FCのミドル級王者で、それ以前には同じミドルイーストを拠点するDesert Forceでもミドル級チャンピオンに君臨してきた。キャリアは9勝0敗、対戦相手の質が測りかねる部分はあるが8試合がフィニッシュで、7つの一本勝ちと中東のファイターの共通項、しっかりとした柔術の基礎がある選手だ。

このヤンゴン大会では日本から徳留一樹と阿部大治が出場する。徳留はタイ在住のキューバ系米国人=エミリオ・ウルティア、そして阿部はルイス・サッポと戦う。徳留はONEで再起を図るも7月の初陣でジャダンバ・ナラントンガラグに敗れ、阿部もUFCで1勝2敗という失意の結果をもってONEに活躍の場を移してきた。ともにONEだけでなく、格闘家として勝負の時を迎える。

Angelaミャンマー大会の2週間後のシンガポール大会では8月23日の東京での記者会見でチャトリ・シットヨートンCEOが公言したアンジェラ姉さんこと、アンジェラ・リーが2階級制覇を目指し、ONE世界女子ストロー級王者パンダ=シィォン・ヂンナンに挑戦する。生粋のONE育ち、今回がキャリア10戦目でありながら5度の世界戦となるアンジェラ。

デビュー当時のONEは水抜きがOKだった時代で、現在の計量方法となりアトム級の体重を作ることが非常に困難になっていた。そして今回、ストロー級に転じることとなった。リオ五輪競泳100mバタフライ金メダリストのジョセフ・スクーリングに並ぶナショナルヒーローのアンジェラは、またも父の母国でイベントの成功の是非を背負った大勝負に挑む。

同大会のコ・メインはONE世界バンタム級王座統一戦=正規王者ビビアーノ・フェルナンデス×暫定王者ケビン・ベリンゴンがマッチアップされている。日本大会出場が決まっているビビアーノは、2階級制覇を目指しフェザー級王者マーチン・ヌグエンとの対戦をアピールしているが、松嶋こよみが前王者ムラット・ガフロフに初回KO勝ちを収めており、この試合結果がONE日本大会のマッチメイクを左右することになりそうだ。

ここでは下石康太がエイドリアン・パンとONE2戦目を対戦することも決まっている。徳留と同様にONE初戦となった7月のクアラルンプール大会でアリエル・セクストンに一本負けを喫ししている下石、彼もまた生き残りを賭けた一戦に臨む。

またシンガポールでは上久保周哉が2度目のONE出場で、モハメド・アイマンと相対することも決まった。マレーシアのアマMMA大会での活躍が認められONEにステップアップを果たし、サークルケイジで5勝1敗と確かな成長の跡が見られる選アイマン。その一敗も若松佑弥に勝ったダニー・キンガドに喫しているだけで、東南アジア勢だからちって甘く見ることはできない。上久保は東南アジア勢と鎬を削ってトップを目指すという──日本人初のキャリアップに挑むファイターとなったことが実感されるカードといえる。

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