Overlooked【ZFN ORIZIN01】佐藤天に辛勝のジャン・ユンソンが、阿部大治をパウンドアウト
【写真】佐藤天に続き、阿部に勝利したジャン・ユンソン。打撃がパーで、テイクダウンがチョキだとしても──フィニッシュしない限りチョキではパーには勝てない。そんなジャンケンとしては歪は判定が佐藤✕ジャンで見られた。ならば、阿部もチョキを出さずにパーで勝負しないといけない。そしてチョキも駆使するジャンがパーで阿部に勝った(C)ZFN
スケジュールの都合により速報できなかった試合をお伝えする──帳尻合わせ試合レポート。ここでは5日(土・現地時間)に韓国はソウルのスポモチブで開催されたZFN ORIZIN01からメインイベントのウェルター級3回戦、ジャン・ユンソン✕阿部大治(日本)戦の模様をレポートしたい。
Text by Manabu Takashima
ウェルター級KOP、DEEPウェルター級王者、元UFC&ONEファイター。ジャン・ユンソンのステップアップ材料となる勲章がズラリと並ぶ阿部が、敵地で意地を見せることができるか。
<ウェルター級/5分3R>
ジャン・ユンソン(韓国)
Def.3R0分21秒by TKO
阿部大治(日本)
まずインローを蹴った阿部。ジャン・ユンソンは、ワンツーからカーフを蹴る。阿部はジャブを伸ばすが、右を被弾。すぐに足を止めての打ち合いとなり、ジャン・ユンソンが組み付く。ダブルレッグをキムラで防ぐ阿部は、胸を合わせて払い腰で投げる。が、勢いがつきすぎ、そのまま回転したジャン・ユンソンがトップを奪取する。スクランブルでバックについたジャン・ユンソンが、ボディロックで後方にテイクダウン。阿部もすぐに立ち上がり、打撃の間合いに戻る。
阿部はインロー、ジャン・ユンソンが右ローから右を伸ばす。阿部もストレートに左フックを被せにいき、距離が近づくと殴らながら殴るという展開に。ここもジャン・ユンソンが組み、バックへ。頭を抱えられたジャン・ユンソンが離れ、阿部がジャブを入れる。続くステップインで滑った阿部は、立ち上がった直後の展開でワンツーを打たれた。
2R、阿部がワンツーで前に出る。両者がカーフを蹴り、阿部は足払いでジャン・ユンソンの崩す。すぐに向き合うとジャブを差し合い、初回より落ち着いた展開となり阿部が左ハイを蹴る。さらにカーフを蹴った阿部だが、右から左を被弾すると、頭を下げ気味の状態で打ち合う形となり追撃のパンチを被弾する。組んでケージに阿部を押し込んだジャン・ユンソンが、テイクダウン。阿部は背中を譲って立ち上がり、ここもキムラへ。
阿部はキムラを解き、ケージに押し込まれると回って間合いを取り直す。頭を振るジャン・ユンソンがカーフを2発蹴る。阿部はジャブを入れ、左ミドルへ。そこに右を合わせに行ったジャン・ユンソンは、残り1分を切るとワンツーの右をクリーンヒットさせる。パンチのラッシュのなかで、打ち返して組んだ阿部だがシングルレッグでテイクダウンを許し、背中を譲って立ち上がる。
阿部が胸を合わせるタイミングで離れたジャン・ユンソンが、この回を明確に取った。
最終回、阿部がカーフからジャブを伸ばす。ジャン・ユンソンが右をヒットさせ、ワンツーからスリー、ボディショットを決める。
阿部も打ち返すが力がなく、組みに行ってヒザを着く。亀、サイドバックからパンチを集中された阿部は頭を抱えて動きを止め──TKO負けに。勝者ジャン・ユンソンは、師匠ジョン・チャンソンの労いに涙を見せた。