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【ZFN02】ゾンビチルドレンと対戦、佐藤天「苦しいことを……苦しいと思わないぐらい夢中でやってきた」

【写真】(C)MMAPLANET

14日(土・現地時間)、韓国はコヤンのキンテックス7Aホールで開催されるZFN02に佐藤天が出場し、ジャン・ユンソンと戦う。
text by Manabu Takashima

UFCをリリースされ1年7カ月振りのファイトは、韓国となった。現在4連敗中、16勝3敗だったレコードは16勝7敗になっている。対戦相手は5勝1敗のコリアン・ヤングプロスペクト。自身のキャリアを上書きしようとする対戦相手、その師匠が開くイベントでのファイトだ。それが現実だと受け入れつつ、佐藤天は今も変わらぬ目標に向かい歩を進めている。


――実にテンバ・ゴリンボ戦以来、19カ月振りの実戦復帰が韓国のZFNとなりました。この間、幾度なく試合がありそうだという話も伝わってきていたのですが、実現しなかったです。

「そうですね。マネージャーが交渉していたのはチェコのOCTAGON、実際にオファーがあったのはKSW。ただ対戦相手がキルクリフFCに練習に来ていたことがある選手で、断られてしまいました。フロリダのX-MMAも交渉までいっても、相手に断れることがあって……。最近、UFCからリリースされたキャリアのある選手はなかなか試合が組まれないという現実はあります。

今はコンテンダーシリーズがあるじゃないですか。5戦とか6戦で出場できるので、若い選手に対して僕らのようなファイターとは試合を組ませないマネージメントが増えてきましたね。

それでも10月にもマイアミのローカル大会でコンテンダーシリーズに出ていた選手と戦うことが一度は決まったのですが、相手のケガで流れました」

――大手フィーダーショーや他のメジャーでなく、フロリダのローカルショーでも戦う意思はあったということですね。

「ハイ。まずはカムバックすること。そこが第一にありました。戦う場所は選ばずに勝ち星を重ねて、また大きな舞台に戻る。そのつもりでやっています。入れ替わりの激しい競技で、全員にチャンスが巡ってくるわけでもない。そのなかでチームメイト達もいつでも戦える準備をしています」

――それでも日本で戦うことは考えなかった?

「フロリダに拠点を置いているのだから、米国で試合をするという風に自然に考えていました。結果、韓国の大会に行き着いたんですけど(笑)。こっちはメチャクチャ寒いですけど、まぁ試合やファイトウィークは変わらないです。ホテルに練習場所もありますし、日本に帰国中の木下(憂朔)君が来てくれているので体も動かせています」

――現地入りは土曜日でした。

「ハイ。2日間、何もしないで時差調整という感じで早く入りました。大会がホテルを用意してくれるのは月曜日(※取材は10日に行われた)からだったので、2日ほど自分で取りました」

――なるほどです。韓国があるなら、日本もあり得るのかと期待してしまいます。

「どうなんですかね……。僕は目指しているモノがあって、時間も限られてきたなかで、この現実が今の立場。だからこそ米国で試合を重ねて2連勝、3連勝と結果を残す。それがマネージメントと話してきたことですね。キャリアの最終地点が日本になるということは、考えていないです。

勝手なことを言わせてもらうと、日本にはいくらでも選手がいます。なので僕でなくても良いはず。僕は僕のやりたいことを貫き通して、上で結果を残す。近い未来……年齢的にも引退が見えてきているので、一つ一つの目標に具体性を持って取り組んでいこうと思います。

日本だけでなく、どこでもということでなくゴールに向かって一つ一つ積み重ねてきます」

――そのなかでジャン・ユンソンはキャリア5勝1敗。米国のコンテンダーシリーズを目指し、ベテランとの対戦を避けてくる選手たちと同じような経験値です。

「皆、UFCに行きたいからといって対戦相手を選んでいたら、UFCに行ってからが厳しい。コリアンゾンビのジムの子だし、先を考えた育成をしているんだと思います」

――やる気に満ち満ちた、怖いモノ知らずのヤングブラッドではあると思います。ただし、あまり実像は見えてこないです。

「日本人も3人とか戦っていますよね。なんか昔バンタム級で戦っていた選手と、ウェルター級で試合をしていました・でも、あまり分からないというのが実情で」

――唯一の黒星を喫したアレックス・ソラは、ジャン・ユンソンに勝ってからBRAVE、ARES FCで活躍し現在はARESのライト級チャンピオンですね。

「その相手と戦った試合映像は視ました。まぁ、一つ一つ勝たないといけない自分が、この相手と戦う。それが僕の今、おかれている現状だと納得しています。どこにいても、結果を出すしかない。自分がやってきたを証明するには勝つしかないです」

――若い選手への質問のようですが……この1年5カ月で、何か見直すところとかありましたか。

「ヒザの手術をして、リハビリが半年間。この間に見つめ直すことがたくさんできました。技術的にもそうだし、いうと私生活においても、もっとできていたということがいくらであって」

――具体的には、どのようなことでしょうか。

「少し早く起きる。まさに、そこからです。1年という単位で考えると、大きな違いになります。前にフロリダに来ていただいた時に住んでいたファイターズ・ハウスは、ジムから遠くて。皆で車をシェアしてジムに向かうと、どうしても遅くなる。だから、試合前はタクシーを呼んで1人で先に行くとかやっていて。

そういう少しの時間の積み重ねが大切で。なので手術後にジムから歩いて10分ぐらいのところに家を借りて、ファイターズ・ハウスという形で木下君、鈴木崇矢君、それとロシア人2人と一緒に住んでいます」

――できることは全てやってきたということですね。

「だからこそ、自分がやってきたことの確認をするためにも試合が必要でした。その日が来るために集中力を切らさずに、自分の格闘技に厚みをつけることを繰り返してきました。正直なところ負けて、修正すべき点を洗い出すのは苦しい作業でした。でも試合で出せていなかったのだから、練習から変えないといけない。そういうところと向き合って。苦しいことを……苦しいと思わないぐらい夢中でやってきたという気持ちはあります」

――UFC Fight Passで視聴できる大会です。日本のファンに、どのような姿を見せたいですか。

「まだ終わっていない。応援してくれる人達にも、UFCにもそこを見せたいです。でもいくら語ってもしょうがない。結果を出すしかないです。結果が全てなので」

■視聴方法(予定)
12月14日(土・日本時間)
午後6時30分~UFC Fight Pass

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