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【ACB80】ムラッド・カリモフ戦を控えた水垣偉弥 「底を打った。あとはやるだけです」

Takezo【写真】ロシアっぽさは左手の建物とキリル文字、そして灰色の空か…… (C)ON THE ROAD MANAGEMENT

16日(金・現地時間)、ロシア連邦はクラスノダールのバスケットホールで開催されるACB80「Burrel vs Tumenov」。

水垣偉弥がACB2戦目をムラッド・カラモフと戦う。UFC終盤から前回のルスタン・カリモフ戦で3連敗となっている水垣。背水の陣で迎えるカラモフ戦を前に、クラスノダール入りした彼と国際電話で話した。


──ACBで2試合目、本当に後の無い状況で試合を目前に控えている今の心境を教えてください。

「9月の時はUFCを切られたことを引きずっていて、ロシアに向かう前から不安しかなかったのが、今回は開き直ったのかACBに慣れたのか、良かった時のように戦うことができるような気がしています。

もうロシア人はどんな感じだとか、そういう不安はなくなって、自分も結構やってきたから大丈夫だろうっていう感じにはなっています」

──ロシアはヤバい、未知。それでも水垣選手はずっとWECとUFCで戦ってきたわけですからね。

「このところ練習も勝つためだけにやっていて、それが苦痛だったのが、あの試合の後からは開き直ったんでしょうね……楽しく格闘技ができています。

柔術もめっちゃ楽しいですし、今年は柔術の試合にも出たいなって思っています。一応、青帯なんですよ。MMAを始める前に白帯で柔術に出て、テイクダウンしまくって優勝したことがあって(笑)。青帯では2大会に出て、全く勝てなかったですけどね(笑)」

──楽しい格闘技というのも、実際それが良いのかどうか分からないのですが、ガーブラント戦以降の水垣選手はどこか下を向いている感があったのでホッとします。

「ありがとうございます。楽しく感じていることが、良いのか危険信号なのか、そこは僕も気にしています。でも、前向きになっているのだから良いのかと捉えるようにしています」

──ところでクラスノダール、どのような街ですか。

「思ったより寒くないです。先週の東京の方が寒かったぐらいです」

──そうなのですか!! もちろん直行便はないでしょうし、旅の疲れはありませんか。

インタビュー後の買い出しでは、バナナの購入方法もマスター

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「成田からモスクワまで10時間弱で、5時間トランジットがあって、そこから2時間でこっちに到着したのですが、モスクワから一緒だったブラジル人選手がロストバゲージして、1時間ぐらい足止めを食ってしまって。ホテルに就いたのは夜中の2時ぐらいでした(笑)。

しかし、こともあろうが停電でレジがストップ。またも買うことができず……

しかし、こともあろうが停電でレジがストップ。またも買うことができず……

ただ、その夜も含めて試合まで4泊あるので、通常のUFCと変わらないですし、疲れは大丈夫です」

──ロシアはやはり西側社会と違う面など感じますか。何か問題はなかったですか。

「今のところ、スーパーでバナナの買い方が分からなくて、レジで怒られたぐらいですね。でもロシア語だから、まるで何を言っているのか分からないですし。『じゃあ、いらないから』って退散したぐらいですね。それぐらいで、問題ないです。一応、何かあったらバナナのせいにします(笑)」

──ハハハ。では改めてムラッド・カラモフ、どのような相手だと?

「三角絞めという武器がはっきりしているので、そこは対策を練ってきました。ただ、それでも上手いのでしょうけど。色々なパターンで三角絞めを仕掛けてきますよね、上からでも飛びつきでも、下からでも。ソニックスクワッドで柔術を指導してもらっている村山(英慈)さんが、三角絞めが凄く上手くて」

──村山選手はアマ修斗の頃からそのイメージがあります。

「そうなんですよ。なので色々とアドバイスをもらいました。ただ、『こんな感じで三角をやってくるんですよ』って村山さんと話しをしてからスパーをしたら、そんな感じで三角絞めを極められてしまって……ヤベェなって。そこを貰わないつもりだったので、簡単にもらってしまって……少し不安に陥っています」

──オイオイというところですが、まあその感覚というのは戦ってみないと実際には分からないところですよね。

「けど、大丈夫です。スタンドは綺麗なキックボクシングで戦いやすいですし。やり難さはないと思っています。スタンドで効かせて、トップを取れる機会があれば三角の圧力を探って、危ないと思ったらスタンドに戻ります。

そうでもないなら、時間を使うつもりです。とにかく、飛びつきも含めて手首を取られないように気を付けます。前のルスタン・カリモフのようなロシアの嫌さではないので。今までやってきた柔術系の選手と戦うような感じで」

──三角絞めとミドルキック、初めてUFCでTKO勝ちしたコール・エスコヴェドを思い出します。

「あっ、そうですね。あの時も飛びつき三角を仕掛けられて、処理しています。いやぁ頑張って戦って、勝ちます」

──やっぱり水垣偉弥は強いんだと、ファンも試合後に思いたいはずです。

「ハイ。自分の気持ちのなかでは、前の試合で不調も底を打った感があるので……。ここからは上がっていくだけ。あとはやるだけです」

──仮想通貨で損をした分、取り返してください。

「仮想通貨はやっていないので、大丈夫です(笑)」

■ ACB80対戦カード

<ウェルター級/5分5R>
アルベルト・トゥメノフ(ロシア)
ナフション・バレル(米国)

<ライト級/5分3R>
アリ・バゴフ(ロシア)
レアンドロ・ブスカペ(ブラジル)

<ミドル級/5分3R>
イブラヒム・チュチュガエフ(ロシア)
イゴール・シヴィリ(カザフスタ)

<ライト級/5分3R>
シャミル・ニカエフ(ロシア)
タイガー・サルナフスキー(ロシア)

<フェザー級/5分3R>
ムハメド・ココフ(ロシア)
タイグロ・コスタ(ブラジル)

<バンタム級/5分3R>
ムラッド・カラモフ(ロシア)
水垣偉弥(日本)

<ライト級/5分3R>
イスラム・マコエフ(ロシア)
トニーニョ・フリア(ブラジル)

<ウェルター級/5分3R>
イムラン・アバエフ(ロシア)
イズマエル・デ・ジュズス(ブラジル)

<フライ級/5分3R>
ヴァレリー・ハジロコフ(ロシア)
ルスラン・バリコフ(ウクライナ)

<ミドル級/5分3R>
ハファエル・シャビエル(ブラジル)
グラチェ・バジニアン(ロシア)

<ヘビー級/5分3R>
ハニフ・ミルザマゴメドフ(ロシア)
エブゲニ・エローヒン(ロシア)

<バンタム級/5分3R>
イフゲイニ・ラズコフ(ロシア)
フセイン・シャイヘフ(ロシア)

<ヘビー級/5分3R>
アミラハン・グリエフ(ロシア)
イリア・バチコフ(ロシア)

<フライ級/5分3R>
ドゥクラハ・アスタミルノフ(ロシア)
ダニエル・サントス(ブラジル)

<ライト級/5分3R>
ルスラン・アスエフ(ロシア)
ファン・バブロ・ヴァレラ(アルゼンチン)

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