【HEAT41】詳細─01─ 春日井たけし、魂のスクランブル勝負で上を取られカレフォフに敗れる
【写真】一つの敗北がキャリアを左右するなか、春日井は強豪ロシアンとの対戦を望み──果敢に向かい合った(C)MMAPLANET
23日に名古屋市港区の愛知県武道館でHEAT41が行われ、セミで春日井たけしがアザマット・カレフォフと対戦した。
<フライ級/5分3R>
アザマット・カレフォフ(ロシア)
Def.exR 2-1
春日井たけし(日本)
空道、柔道、サンボ、コンバットサンボからMMAを戦うようになったカレフォフ、ロシアンパワーを前にし春日井はまず左ローから右ストレートを伸ばし、接近戦で首相撲へ。カレフォフがワキを押して離れると、前に出て来る春日井に右フックを合わせていく。春日井も右オーバーハンドで前に出るがやや力が入っているか。カレフォフは春日井のパンチを見て、ダブルレッグも切り、左フックや右ストレートで圧力を高める。
首相撲、離れて左ストレートを打つ春日井の左目の周囲から流血が見られるように。その打撃の圧力に屈することのない春日井だが、ダブルレッグは切られる。春日井のパンチが入ってもカレフォフは、さらにパンチを振るい近距離で右ヒザを春日井のボディに突き上げる。ここで春日井の表情が変わり、一瞬声が漏れるとカレフォフは左ローからミドルで腹を狙うようになり、さらクリンチではヒザも続ける。
春日井はそれほど下がることなく、気迫あふれる打撃戦を展開していったが、最後に虚を突かれたようにダブルレッグでテイクダウンを許しカレフォフが試合をリードした。
2R、決して打ち負けることはない春日井。それでもダブルレッグは切られケージ際のクリンチ合戦でも体を入れ替えられ金網に押し込まれる。ここで春日井も譲らず──テイクダウンを許さないで首相撲の状態でヒザを放っていく。
離れてからはやや遠目から中間距離での打撃戦の様相を呈し、カレフォフの左ハイが春日井の顔面を捉えそうになる。さらにダブルレッグで春日井をケージに押し込むカレフォフだったが、テイクダウンは奪えずに打撃の間合いに戻るや、ここでもダブルレッグでテイクダウンに成功する。初回と違い、まだ時間が残っていたためカレフォフのパウンドを春日井の顔面を捉え、ラウンド終了となった。
テイクダウンという部分からその後の追撃もあったことで2Rは落とし、初回も自分のペースでなかったことを考えると、最終ラウンドでフィニッシュ、またはビッグラウンドに持ち込む必要のある春日井が、左腕を差してケージにカレフォフを押し込む。しっかりと両手をクラッチし、ボディロックから得意のテイクダウンを奪った春日井はサイドで抑え、スクランブルでバックを制する。
まだ時間は4分以上あり、落とされないように両足をフックしてバックマウントを完成させた春日井は、カレフォフの動きに合わせてワンフックにし腰を切れないように仕向ける。向き合うことができず、腹ばいになるカレフォフに対し、逆転を賭けてRNCを仕掛ける。
カレフォフは手首を掴んで防ぎ、腰を上げると春日井を前方に落としつつ、下にならないようヒザをマットについた春日井に向きかえりダブルレッグを仕掛ける。スプロールし切れなかった春日井は、渾身の力を込めてギロチンへ。
頭を抜いたカレフォフがトップを奪う。春日井は三角絞め、さらに腕十字を狙うもカレフォフが取られた腕のヒジを引き寄せ、ヒジを抜きつつ左のパウンドへ。ここでタイムアップとなり、カレフォフはガッツポーズを見せた。
しかし、ジャッジの裁定は3者とも29-29で延長ラウンドへ。救われた春日井は十分にカレフォフを削っており、逆転勝利の目が見えてきた。しかし、カレフォフが4Rに全身全霊を掛けていたように見えた春日井に徹底してケージレスリングを挑む。3度、4度とテイクダウン狙いを耐える春日井だったが、ついにギロチンから引き込んでしまう。
セコンド陣の『立てッ』という声に、懸命に右足を後方にずらして柔術立ちでスタンドに戻った春日井は、打撃の間合いになるとかなり疲れているカレフォフに対し、左ジャブ、右フックを放っていく。嫌がって組みつくカレフォフを突き放して、左ジャブを入れた春日井は続くダブルレッグ狙いを踏ん張られ、クリンチの攻防で大内刈りでテイクダウンを許すことに。
ケージを背にしてすぐに立ち上がった春日井は右ストレート、右フックを当ててもカレフォフがひるまない。そして、春日井が渾身の力を込めたニータップも防いだカレフォフがスプリットに割れた延長ラウンドを取り、判定勝ちを収めている。
「タイトル戦と思い5Rの調整をしてきたのでスタミナは切れなかった。次はタイトルショット、フライ級でもバンタム級での日本の誰と、どこででも戦う」と勝者は大会後に豪語した。
■ HEAT41試合結果
<無差別級/5分3R>
イ・サンス(韓国)
Def.1R3分59秒by TKO
藤田和之(日本)
<フライ級/5分3R>
アザマット・カレフォフ(ロシア)
Def.exR 2-1
春日井たけし(日本)
<キック57キロ契約/3分3R>
ライカ(日本)
Def.exR 2-1
鈴木万李弥(日本)
<ヘビー級/5分3R>
チョン・ダウン(韓国)
Def.1R2分20秒by KO
HULK(日本)
<ミドル級/5分3R>
パク・ジョンヨン(韓国)
Def.3R1分10秒by TKO
ANIMAL☆KOJI(日本)
<キック72キロ契約/3分3R>
ヘナン・マサ(ブラジル)
Def.2R1分01秒by KO
TOMO(日本)
<フライ級/5分3R>
クラウディオ・ルーカス(ブラジル)
Def.1R4分09秒by RNC
山本聖悟(日本)
<キック57キロ契約/3分3R>
ヘンリー・セーハス(ボリビア)
Def.1R1分03秒by KO
一仁(日本)
<キック63キロ契約/3分3R>
増井侑輝(日本)
Def.exR 3-0
安川侑己(日本)
<NEWAGEキック・ウェルター契約/2分3R>
ヒマラヤン・チーター(ネパール)
Def.1R1分11秒by TKO
ねぎ魔人(日本)