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【JBJJF】殿堂入り、細川顕に訊く─02─「格闘技、柔術が好きだという気持ちを創ることができた」

Akira Hosokawa【写真】殿堂入りは、その状況に応じて柔術を楽しんできた結果だ(C)AKIRA HOSOKAWA

JBJJFの殿堂入りもはたした細川顕インタビュー後編。全日本ブラジリアン柔術選手権で無差別級を制した細川に柔術人生を振り返ってもらい、今後の展望を尋ねた。
Text by Tsubasa Ito
<細川顕インタビューPart.01はコチラから>


――殿堂入りを受け、ジャクソン道場の山本洋一代表、イチケン柔術アカデミーの林弘友記代表、アライブ鈴木陽一社長と、3人の師匠への感謝の思いをインスタグラムにつづっていましたね。これまでの柔術人生を振り返るきっかけになりましたか。

「そうですね。最初の旧パラエストラ旭川のジャクソン道場は総合格闘技の道場なので、グラップリングとか総合を中心に練習していました。その後は愛知県の豊橋市にあるイチケン柔術アカデミーで主に柔術をやるようになって、そのままアライブに移ったんです。

それぞれの道場が、その時の自分とうまくマッチしたんでしょうね。たぶん、何もバックボーンがない状態の時にアライブで杉江さんとやっていたら、潰れていたと思います(笑)」

――それぞれが今日の細川選手のベースになっているのですね。

「技術面の他にも格闘技が好きだ、柔術が好きだという気持ちをしっかりと創ることができたので、アライブでの激しい練習にも耐えられたのかなと思います。いい形で導いてもらって感謝しています。

今は自分が教える立場になったので、柔術を好きになってもらえるようにやっていきたいですね。やっぱり、好きという気持ちがないと難しいところがありますから。僕も経験があるので分かるのですが、仕事をしながらだと特に」

――まさに、好きこそものの上手なれと。

「そうですね。今回の全日本には初めて、カルペディエム・ホープからも若い青帯の選手が2人出たんです。1人は他の道場から移籍してきたんですけど、もう1人は一から教えました。東京まで行って試合をするという、熱い思いを持っている選手が出てきたのは嬉しいですね。道場として一つの成長になっているなって」

――現在は杉江選手や道場生との練習がメインですか。

「宮地(一裕)君が転職して6月から岐阜に来て、うちの道場の所属になったんです。僕は今スパーリングができないので、杉江さんと宮地君でガンガンやっていますよ」

――宮地選手という新たな血が加わり、ますます道場が活性化しそうですね。

「全日本は仕事で出られなかったですけど、アジアに向けてガンガンやっています。宮地君とは彼が青帯の時くらいから知り合いで、これも何かの縁かなと。色帯の頃にムンジアルにも一緒に出ていますからね」

――旧知の仲なのですね。ムンジアルの話が出たところで、ひさびさの出場となった今年のムンジアルの話も聞かせてください。

「(カイオ・)アルメイダ選手とは去年のワールドプロでも戦っていて、今回は絶対勝てると思っていたんですけど……。いかんせん、ジャッジが僕の予想以上に厳しいほうに働いたなと。技術的な面では負けていなかったと思っているんですけどね」

――引き込む際に相手に触れていないとみなされ、ペナルティを取られました。その後、ダブルガードの膠着で両者にペナルティが入り、2点を献上。最終的にポイント2-4で敗れました。

「襟を持って引き込んだつもりだったんですけどね。厳しいなと思いつつ、ちょっとグレーだったのかなと。海外で戦う時は、審判につけ入るスキを与えないというか、グレーなアクションを起こさないことを頭に入れて実力を発揮しなければいけないと感じました」

――逆に言えば、実力で敵わない相手ではないと。

「そうですね。アルメイダ選手のレベルだったら負けてないと正直、思っているので。ただ、そのアルメイダ選手が次の試合では1分くらいでぶっ倒されていましたからね。これがムンジアルなんだなと思いました」

――ライト級には絶対王者のルーカス・レプリ選手もいます。

「盤石ですよね。まだ当たったことがないので、一度体感してみたいなというのはあります。でも、3位の選手とかは誰?っていう選手だったんですよ。毎年新しい選手が出てくるので、常にチェックしていないといけないなと思いますね」

――最近は、ほぼ月イチというハイペースで試合に出場していますね。

「ジャパニーズ・ナショナル、ワールドプロ、ムンジアル、全日本……次は来月のアジア選手権、と言いたいんですけど、ヒザのケガがまだ治りきっていないので、アジアは難しいかなと思っています。また不十分な準備で臨むのはよくないなと思っているので」

――特にアジアのライト級は例年、外国人の強豪が集まりますからね。

「そうなんですよね。生半可な準備でいったら……。全日本はたまたま勝ったからいいですけど、もし負けていたら絶対後悔していますからね(笑)。来年分のムンジアルのポイントはありますし、残念ですけど今回は見送ろうかなと思っています。

10月1日に開催されるプロ柔術MATSURIのオファーをいただいたので、それに出場しようと思います。あとは10月か11月くらいに去年も出たソウルオープンがあると思うのでそっちに出ようかなと思っています」

――アジアはパスして万全な状態をつくると。昨年はアジア選手権、ソウルオープンと、強豪のホドリゴ・カポラル選手と2回戦っています。

「去年の2連戦で自分のテクニックが通用するという確認が取れたので、自信になりました。もし出てくるのであれば、また手を合わせたいですね。どれだけやれるか楽しみです」

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