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【JBJJF】全日本無差別級優勝&殿堂入り、細川顕に訊く─01─「自分のキャリアが認められたのは嬉しい」

Hosokawa in Podium(C)無差別級の表彰台でAKIRA HOSOKAWA

6日(日)、東京都大田区にある大森スポーツセンターで、第18回全日本ブラジリアン柔術選手権が開催された。順調とはいえない臨戦過程ながら、同門の岩崎正寛とアダルト黒帯ライト級をクローズアウトし、同オープンクラスでは優勝を飾った細川顕。JBJJFの殿堂入りもはたしたトップランナーに全日本大会を振り返ってもらい、改めてこれまでの柔術人生、そして今後を尋ねた。
Text by Tsubasa Ito


――第18回全日本選手権ではライト級で準優勝、同オープンクラスで優勝を飾りました。感想から聞かせてください。

「7月15日にあったグランドスラム柔術の前日に右ヒザを4針縫う外傷を負ってしまいまして、その治りがあまりよくなかったんです。スパーリングをすると傷口が開いてしまうので、全日本に向けての練習は息上げ系のトレーニングが中心でした。普段のようにガンガン、スパーリングをやってつくっていく作業ができなかったので、試合で動けるのか不安がありました」

――ケガをした時の状況は?

「自転車で通勤しているんですけど、ガードレールの横に謎の突起があったんですよね。自分の不注意でそこにヒザを擦って深く切ってしまって。それが7月14日のことなのでもう何週間も経っているんですけど、なかなかくっつかなくて」

――通い慣れているはずの道なのに、そんなこともあるのですね。全日本選手権を欠場することは頭になかったのですか。

「正直、迷いました。杉江(アマゾン大輔)さんには『やめたら?』と言われたんですけど、殿堂入りというお話もありましたし、グランドスラムを欠場した悔しさもあったので、意地ですね(笑)。あまり良い選択ではないのかもしれないですけど」

――ライト級の初戦となった準決勝では、昨年のジャパニーズ・ナショナルで勝利している高本裕和選手と戦いました。

「高本さんは立ち技が強いので引き込んで戦おうと思ったんですけど、逆に高本さんが引き込んでディープハーフを狙ってきたので、最初は面喰らいました」

――その後はベリンボロからのバックコントロールなどで得点を重ね、勝利を収めました。ケガの影響は感じませんでしたか。

「試合の時は考えないようにしていました。塞がりかけた皮膚が若干開いたんですけど、そこまで影響はなかったです。それは幸いでした」

――決勝戦は、昨年の決勝戦と同じく同門の岩崎正寛選手が相手となったため、細川選手が優勝を譲る形でクローズアウトとなりました。

「去年は岩崎君から『細川さん優勝で良いですよ』と言われたので、今年はお返ししようと思って。去年は僕の金メダルを岩崎君に渡したんですよ。今年は僕が準優勝なんですけど、逆に岩崎君から金メダルをもらいました」

――国内ライト級の2強ですから、この先もそういったシチュエーションは訪れそうですね。オープンクラスの準決勝は高本選手との再戦となりましたが、スイープで2点を取ってからパスガードで逆転される場面もありました。

「階級別で引き込んできた時もそうだったんですけど、虚を突かれましたね。僕の引き込みに対して飛びつき式のマウントを仕掛けてきたのは予想外だったので、反応がちょっと遅れてしまいました。でもまだ時間がありましたし、ポイントも2-3で一回スイープすれば絶対勝てると思ったので、切り替えていきました」

――その後はスイープで逆転し、バックコントロールでポイントを重ねました。

「高本さんはベリンボロをアンクルに取ってくるので、それに合わせてバックを取れるなと思っていました。ああいう形で入ってよかったですね」

――決勝戦の相手は中村勇太選手でした。

「中村さんとは3年くらい前の全日本で一回やっているんですけど、その時と全然違う展開になってしまいました。あの時は僕がデラヒーバガードからスイープして勝ったんですけど、今回は低い構えでそういう形をつくらせてくれなかったですね」

――開始早々に下からの三角絞めを仕掛けましたが、極めきれませんでしたね。

「結構深く入ったのでいけるかなと思ったんですけど、中村選手が突っ込み絞めをしてきたので、深追いはしませんでした。あの突っ込み絞めは効きましたね。今でも首が痛いです。ああいう形で下の選手が落ちるシーンは試合でもたまに見るので、無茶はしないでおこうと。アドバンテージを取られなくてよかったです」

――そんな攻防があったのですね。終盤にも下から腕十字を仕掛けました。

「最後の腕十字は惜しかったですけど、抜かれちゃいましたね。やっぱり決勝なのでどうしても勝ちたいと思ってしまって、全体的にちょっと手堅い形になってしまいました」

――それでも、きっちりアドバンテージ差で勝利を収めるあたりはさすがです。

「一度は肌を合わせたことのある選手とばかり戦ったんですけど、みんな自分とやる時は想定外の動きもしてきたので、対策されているのかなと感じることはありました。

うまく対応できて勝てたことはよかったなと思います。でも正直、あまりいい準備ができずに試合に出るのはもうやめようと思いました」

――内容には納得していないと。

「そうですね。決勝以外はバックとかマウントを取ったんですけど、そこからフィニッシュできないのはスパーリング不足なのかなと感じました。全部フルタイムの判定だったので、納得がいかない部分もあります。準備できなかったのは自分が悪いんですけど」

――冒頭で少し話が出ましたが、昨年の全日本選手権で4度目の優勝を飾ったことでJBJJFの殿堂入りをはたし、今大会では表彰式が行われました。

「自分のキャリアが殿堂入りという形で認められたのは、単純に嬉しいです。でも、ああいう名誉があると選手たちのモチベーションにつながると思うので、凄く良いですよね。黒帯の有力選手の中にはワールドに専念するから全日本は出ないとか、そういう選手もいますし。そういうことが防げるというか、減ると思います」

<この項、続く>

■第18回全日本ブラジリアン柔術選手権主なリザルト

【アダルト黒帯ルースター級】
優勝 芝本幸司 (トライフォース柔術アカデミー)
準優勝 澤田伸大 (トライフォース柔術アカデミー)

【アダルト黒帯ライトフェザー級】
優勝 橋本知之 (CARPE DIEM)
準優勝 鍵山士門 (デラヒーバジャパン)
3位 山田秀之 (トライフォース柔術アカデミー)
3位 江端講平 (BOHEMIANS)

【アダルト黒帯フェザー級】
優勝 ヴァンダレイ・タカサキ(IMPACTO JAPAN B.J.J)
準優勝 大塚博明 (PSBJJ Ogikubo)
3位 世羅智茂 (CARPE DIEM)
3位 八巻祐 (X-TREME EBINA)

【アダルト黒帯ライト級】
優勝 岩崎正寛 (CARPE DIEM)
準優勝 細川顕 (CARPE DIEM)
3位 高本裕和(高本道場)
3位 鄭允皓 (デラヒーバジャパン)

【アダルト黒帯ミドル級】
優勝 保坂大希 (ラグナロク柔術)
準優勝 出花崇太郎 (総合格闘技道場コブラ会)
3位 ヴィンク・タン(OVER LIMIT BJJ)
3位 新美吉太郎 (バッファローMMA)

【アダルト黒帯ミディアムヘビー級】
優勝 チャールズ・ガスパー(IMPACTO JAPAN B.J.J)
rong>準優勝 田村幸成 (CARPE DIEM)
strong>3位 西本健治 (メフォーゼ柔術アカデミー)
3位 中村勇太(T-REX柔術アカデミー)

【アダルト黒帯ヘビー級】
優勝 櫻井健(ねわざワールド)
準優勝 森脇涼(総合格闘技道場コブラ会)

【アダルト黒帯ウルトラヘビー級】
優勝 禿川尊法 (パラエストラ)
準優勝 森本猛 (GROUND CORE)

【アダルト黒帯オープンクラス】
優勝 細川顕 (CARPE DIEM)
準優勝 中村勇太 (T-REX柔術アカデミー)
3位 高本裕和 (高本道場)
3位 櫻井健 (ねわざワールド)

【女子アダルト黒帯ライトフェザー級】
優勝 芝本さおり (トライフォース柔術アカデミー)
準優勝 エマ・ジオング(リバーサルジム新宿Me,We)

【団体成績】
優勝 カルペディエム
準優勝 リバーサルジム新宿Me,We
3位 トライフォース柔術アカデミー

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