【Pancrase289】新フライ級KOP、仙三「日本のフライ級で1番強いストライカーを目指す」
【写真】新チャンピオンはストライカーとしてKOへ強い拘りを持っていた(C)KAORI SUGAWARA
20日(日)、東京都江東区のディファ有明で開催されたPancrase289のメインで、仙三がマモルを下し、フライ級キング・オブ・パンクラシストの座に就いた。
両者は2016年4月のパンクラス277で対戦し、その時は仙三はスプリット判定で破れていた。今回、仙三は終始、自分の距離で戦い、5R通してテイクダウンもスプロールし続けた。そして、ベルト巻いた仙三はUFCで戦いたいという目標をマイクで話した。試合直後の控え室で、タイトル獲得なった仙三の心境を尋ねた。
──おめでとうございます。
「長かったというか、やっとだなと思うと嬉しいです。ボクシングからMMAに来たばかりの頃はなかなか通用しなくて、アマチュアの時に勝てない時期が凄く続きました。
ここまで来られたのは、応援してくれた皆のおかげだなと今、思っています」
──今夜もたくさんの応援団がいました。
「いっぱい応援に来てもらっているんで、いつも凄く力になります」
──1年4ヶ月ぶりの再戦で、マモル選手にリベンジを果たしたことにもなります。
「前回マモルさんとやった時に本当に悔しい思いをし、それからは『負けたら終わりだ』と思ってやってきました。なので不安はなく、リベンジしてやるという気持ちでした。自分の中で凄く強くなっている手応えがあったので、『絶対に負けるか。死んでも勝ってやる』という気持ちで挑みました」
──終始、仙三選手の距離が続きました。
「自分の中では1Rからもっと成長した所を見せてKOをしに行こうと思っていたんですけど、自分が思い描いていた通りには攻められなかったです。マモルさんが巧いというか、なかなか攻めさせてもらえないところがありました。勝ってチャンピオンになれたのは凄く嬉しいですけど、まだまだ自分の全力は出せていないと思います」
──背中を見せたり、右手を大きく振るという動きは、相手を挑発するために行なっているのでしょうか。
「自分では挑発をしているイメージはあまりなくて、練習からああいう動きで戦っています。あれで色々と相手を動かして、相手が来たところを狙ったりだとか、逆に『何をやってくるんだ?』と相手が戸惑うと自分から攻める。
普段の練習でもガードを上げたり下げたりと色々やっています。それに、ガードをしない方が打って来られない場合もあります。『挑発するね』とよく言われるんですけど、挑発しているというよりはあれは自分の戦い方かなと思います」
──ポイントはリードし続けていたとはいえ、マモル選手も最後まで気持ちが途切れることはなくタフな試合でした。
「後半はやっていて、やはり『凄いな』と思いましたね。マモルさんが前に出て来たんで自分も下がって後手に回ったらここからどんどんやられてしまうと思いました。だから自分も負けないで、気持ちで前に出て打ち合おうと思いました。
5Rの最後まで戦っていて『マモルさんも気持ちが強いな』と思っていたんですが、自分も負けないぐらいの気持ちでスタミナも切らさずに戦えました。
最後まで気持ちでマモルさんと戦えたのは良かったと思います。本当はKOを狙っていたんですけど、倒し切れなかったんで、そこを試合で出せるようにしていかなければと思っています」
──それでも仙三選手がマモル選手のレンジの外で、しっかりと試合をコントロールし続けました。
「近距離でも戦おうと思っていたんですけど、マモルさんのあの打撃とテイクダウンのタイミングが凄いし、狙われているのが分かったので、思いっきり打っていけないというのもありました」
──前回の対戦では下になって立ち上がる展開が多かったですが、今回は倒れず切り続けました。
「テイクダウン狙いは打ちに行くと入ってくるので、凄く嫌でした。タイミングをずらされてしまうんです。マモルさんは打撃だけではなく何でも出来るので、思いっきり良い攻撃を出すのを止められたというか、自分で出し切れなかったというのがありますね」
──5Rに渡りプロールし続けたにも関わらず、スタミナは問題なかったように見えました。
「ハイ。いつも見て頂いているサムアップ(Thumb Up Total Body Consulting)というパーソナルトレーニングのジムで、今回の試合に向けて合宿をやっていただきました。千葉の方で
2日間の合宿を2回行った他にも、1、2週間に1回サーキットトレーニングをしていました」
──その分、進化していた?
「そうですね。フィジカルもパワーも強くなったと思います。試合では倒せなかったですけど、1発の打撃の強さはかなり強くなっているという自信は自分の中にありました」
──UFCという発言がありましたが、改めてこれからの目標を教えて下さい。
「強い人と戦いたいです。自分は34歳ですけど、MMAを始めてからそんなに経っていないですし、まだ全然強くなっています。パンクラスからUFCとか海外に行っている人もたくさんいるので、自分も世界で1番強い最高のところで戦いたいです。
そのためにも自分の長所、打撃をもっと伸ばしてフィニッシュできるように強化していきたいです。日本のフライ級で1番強いストライカーだと皆さんに言ってもらえるようなファイターを目指して、打撃の部分で強さを磨いていきたいです」
──では最後にファンへメッセージをお願いします。
「色々とダメな時もありましたけど、皆さんが応援してくれたおかげでここまで来ることができました。パンクラスのチャンピオンに相応しいファイトが出来るようにもっと強くなって、良い試合を見せたいと思います。ありがとうございました」