【Shooto】タクミをパウンドアウト、青井人―01―「寝技もできるんで問題はなかった」
【写真】恐るべき20歳。これからが楽しみでしかない――青井 (C)KAORI SUGAWARA
25日(日)、プロフェッショナル修斗公式戦が大阪府浪速区のエディオンアリーナで開催された。
同大会のセミで1年6カ月振りに怪我から復帰し、修斗には2010年12月以来、実に7年半振りの参戦となるタクミに圧勝した青井人――20歳。
キャリア5勝1分の勢いそのまま、ベテランのタクミの得意分野である寝技を経験して、なお強い勝ち方をした青井の話をイベント終了直後に聞いた。負け知らずの若い力に満ち溢れた言葉が訊かれた。
――勢いそのままの勝利でした。最後のパウンドは恐怖すら感じました。
――フィニッシュ以外の部分でも、本当に動きに切れがありました。
「アップの時から調子が良くて、ミットを打っていてもメチャクチャ調子が良いとは感じはしていました」
――タクミ選手の組み技は、一度寝技に入ると一本が取れる怖さを持っています。そのタクミ選手の寝技を落ち着いて凌ぐことができた点は、特にこの試合を経験できた良い部分だったのではないかと。
「最近の試合の動画はなかなか見ることはできなかったのですが、全盛期というか若い頃のタクミ選手の試合は残っていたので、あの頃の強さをイメージして作ってきていました。
とにかく組み付くと離れないですし、今でも誰に聞いても寝技は強いという風に言われていました。あの場面ではとにかく焦らずに戦おう気を付けて、そうすれば僕のペースで戦えるやろうって」
――寝技の展開でも、ですか。
「ハイ。打撃で試合を終わらせたいですけど、寝技もできるんで。足を一本抜かれても問題はなかったですし。でも、抑え込みはめちゃくちゃ強かったです。タイトで隙間がない感じで。ただし、そういう選手と練習もしてきたので、バックにだけは回らせないよう、そこだけは意識して戦っていました」
――無暗にスクランブルにいくのではなく、クローズドガードで一度落ち着いた。あれも素晴らしい判断でした。
「今はもうかなり自分で考えて戦うことができるので、クローズドガードを取った時は、タクミ選手はタイトだからすぐに動くと次の展開を用意しているやろうなって分かったんです。なら、下から打撃でもいれて嫌がったところを立とうと思いました」
――そして下から打撃をいれて、蹴り上げから一気に立ち上がると。
「それも練習してきたことなので焦ることなく、落ち着いて戦えました」
――そこまで余裕がありながら、テイクダウンを許したのは打撃に気持ちが行き過ぎていたのでしょうか。
「あそこは切ろうと思ったのですが、しつこくてバランスを崩してしまいましたね。ただ、そこも自分で瞬時に判断して寝技でもいけるからというのはありました。
タクミ選手が柔術の黒帯でも、柔術とMMAは違うので。下になっても極める自信もあったんです。実際、足関節を仕掛けようかなって機会を伺ってはいました。だからテイクダウンに関しては倒されとしても、流れのなかで自分の動きができる自信もあったし心配していなかったです」
――おぉ、いよいよ今後に期待が膨らむ言葉です。なんといってもあの打撃があるわけですし。打撃という部分では、完全に自信を持っていたように映りました。
「タクミ選手は組むために振ってくるのも分かっていたし、同じ場所にいると被弾するから、ケージの広さを存分に使って自分のスタイルを押し通して戦いました。
試合内容はしっかりと覚えているわけじゃないのですが、僕は普段から自分の見える距離でしか戦わないので。打ち合いもできますけど、打ち合うと被弾する確率が上がるから、相手を見て戦っています。だから、練習通りにやれば大丈夫だと思っていました」
<この項、続く>