【UFC204】UFC世界ミドル級選手権試合=マイケル・ビスピン×ダン・ヘンダーソン=MMA浪漫の極み
【写真】ダン・ヘンとビスピン、合計83歳の世界戦が実現する…… (C)MMAPLANET
8日(土・現地時間)、英国マンチェスターのマンチェスター・アリーナでUFC 204「Bisping vs Henderson 2」開催される。メインはUFC世界ミドル級王者マイケル・ビスピンにダン・ヘンダーソンが挑むタイトル戦が用意された。
7月にクリス・ワイドマンの負傷で代役出場、大アンダードッグでルーク・ロックホールドに挑戦したビスピンは1R3分36秒に左フックを決めてKO勝ち。まさか・奇跡と表現して良い王座奪取を果たした。キャリア10連勝からTUFシーズン3でUFCと契約したのが2006年、実に10年の時を経て、タナボタでタイトル挑戦権を手にして、大アップセットでベルトを巻くことになったビスピン。
この間、オクタゴン戦績は19勝7敗。常に中堅以上のファイターと対戦し、トップファイターの地位を維持してくるだけでも、殿堂入りされてもおかしくない功績を残してきた。そんな彼は過去2度に渡り、挑戦者決定戦で敗れている。そのうちの一人が、2009年7月にTUFコーチ対決で対戦したダン・ヘンだった。この時のフィニッシュは、右を打ち込まれ既にキャンバスで大の字になっているビスピンに、ダン・ヘンが思い切りジャンプして鉄槌を振り落すとういうショッキングなシーンとして、今も数多くのMMAファンの記憶に残っているだろう。
あれから7年、ビスピンはダン・ヘンに対して「パンチも動きも、全てがスローになった。俺に勝てるわけがない」と豪語している。このような指摘はダン・ヘンには、常について回っている。なんせ、1970年8月生まれの46歳だ。
過去10試合の戦績は4勝6敗と負け越している。それでもビスピンが王座戴冠した同じ大会でヘクター・ロンバードにバックエルボーでKO勝ちし、今回の挑戦権を手にした。「ここに来てビスピンと戦って、タイトルを獲る。また違ったボーナスになる」と非常に落ち着いた雰囲気のダン・ヘンは、今さら何が起ころうが動じることも気負いもないようだ。
ただし、ビスピンの王座奪取の背景には、以前とは違い殴った後に頭がその位置にないという成長が見られることを忘れてはならない。踏み込んでパンチを打ち、すぐにバックステップを踏んで距離を取ると同時に、頭をずらして反撃を食わないという部分で、37歳のビスピンもまた進化している。
一方、ダン・ヘンは頭を下げて、相手の頭の位置を絞っておいて強烈なオーバーハンドやフックを放っていく。その見定めの判断力、そして踏み込む爆発力が合致した時、ダン・ヘンがランディ・クートゥアーの45歳5カ月という記録を抜き、最高齢オクタゴンの覇者となる可能性が広がるのだが──果たして。奇跡を起こしたビスピンと、存在が奇跡のダン・ヘンの世界ミドル級選手権試合、これぞMMA浪漫の極みだ。
■ UFC204対戦カード
<UFC世界ミドル級選手権試合/5分5R>
[王者] マイケル・ビスピン(英国)
[挑戦者] ダン・ヘンダーソン(米国/13位)
<ミドル級/5分3R>
ヴィトー・ベウフォート(ブラジル/5位)
ゲガール・ムサシ(オランダ/9位)
<ライトヘビー級/5分3R>
オヴァンス・サンプレー(ハイチ/5位)
ジミ・マヌワ(英国/8位)
<ヘビー級/5分3R>
ステファン・シュトルーフ(オランダ/12位)
ダニエル・オミランチョク(ポーランド/14位)
<バンタム級/5分3R>
ユーリ・アルカンタラ(ブラジル)
ブラッド・ピケット(英国)
<バンタム級/5分3R>
イアン・エンウィソル(英国)
ロブ・フォント(米国)
<バンタム級/5分3R>
ダミアン・スタシャク(ポーランド)
デイビー・グラント(英国)
<ウェルター級/5分3R>
レオン・エドワーズ(英国)
アルベルト・トメノフ(ロシア)
<ウェルター級/5分3R>
ダニー・ロバーツ(英国)
マイク・ペリー(米国)
<ライト級/5分3R>
レオ・サントス(ブラジル)
アドリアーノ・マルティンス(ブラジル)
<ライト級/5分3R>
ルカス・サエウスキ(ポーランド)
マーク・ディアキーズ(英国)