【ONE47】未知のミャンマーで未知のパシオを迎え撃つ内藤のび太<01>「僕が焦ってしまうと……」
【写真】インタビュー後半にはかなり独特なのび太ワールドを展開してくれた──続きをお楽しみに的なインタビューだ (C)MMAPLANET
7(金・現地時間)にミャンマーはヤンゴンのトゥウンア・インドアスタジアムで行われるONE47「State of Warriors」でフィリピンのジョシュ・パシオの挑戦を受ける内藤のび太。
5月にデェダムロン・ソー・アミュアイシルチョークに勝利し、ONE世界ストロー級王者となったのび太の初防衛戦。ミャンマー、そしてパシオという二重の未知に如何に立ち向かうのか。試合まで3週間を切った時点でバンコクから戻ってきたばかりのチャンピオンをパラエストラ柏に訪ねた。
──タイから帰国したのが昨日なのですか。
「一昨日ですね(※取材は9月21日に行われた)。台風が来る直前で戻って来ることができました」
──10月7日にミャンマーで試合があるのにも関わらず、この時期にタイへ行っていたのはどういう理由からでしょうか。
「セミナーがあったんです。心技道場の秋山賢治さんには、5月にバンコクで試合をしたときに凄くお世話になって。その時にぜひセミナーを心技道場で開いてほしいと言われていて、帰国後に正式に決まっていたんです」
──MMAのセミナーを行ったのですか。
「秋山さんがやりやすいことをって言ってくれて、僕はグラップラーなのでグラップリング中心にしました。プラカノンある秋山さんの道場で……。確か、マックスバリューか何かスーパーの上にある……」
──スカイトレインのプラカノン駅の目の前の?
「ハイ。そうです。30人ぐらいセミナーには来てもらって。セミナーは1度だけで、3日間いたので組み中心ですが、セミナー以外の時間は練習をしていました。雨季で凄い雨が降って、気温的には5月より弱冠涼しかったのですが、湿気は凄かったです。雨が降ると渋滞が余計に酷い感じで」
──試合まで3週間を切って、何をしているのですか……的な(苦笑)。
「でも、考え方がまるで違う人と練習できて、それは良い経験になりました。動きや組み立てが、日本人とは違うタイ人の人たちもいて。一言でいうとセオリー通りでないことが勉強になったんです。
それに試合のオファーより、ずっと前にセミナーは決まっていたので。告知もしていただいていたし、後から試合が決まった状態で中止や延期してもらうようなことはできなかったです。
かといってセミナーがあるから、ミャンマーでその日程では戦えないとONEに返答することもできないですし」
──確かにその通りです。
「オファーが来て、断ることは頭になかったです。基本的に契約期間と契約試合数を考えると、この時期に試合があるものなのですが。やはりこれまでのONEの状況を見ていると、そのものズバリのタイミングでオファーがあるとは考えていなかったということもあります。だからこそ、オファーがもらえるということはありがたいです」
──のび太選手らしい言葉です。ミャンマーという国名を聞いた時に、まず何を想いましたか。
「正直、何も思い浮かばなかったです。何も分からない。どこかも分からないし、どんな国なのかは見当もつかないです」
──私もミャンマーは大学生の頃に実家の近くに、ミャンマーの家族が一時期住んでいて。そこの同い年ぐらいの女の人が凄く可憐だったことぐらいしか印象にないです。
「……。女性は綺麗だということでしょうか(苦笑)。ちょうどバンコクで、ミャンマーに行ったことがあるという人がいて『食事は日本人には合わない』ということを教えてもらえました……」
──対戦相手のジョシュア・パシオは映像を見る限り、のび太選手がバンコクで経験したようないわゆるMMAのセオリーにある戦い方をする選手ではありません。
「そうですね、強引だし逆に戦い辛いかもしれないのでその分、警戒が必要です。セオリーでないことをしてくるということは、予想外の動きをしてくるということでしょうし。そこが分かっている選手との試合とは違う部分ですね。経験したことがない動きをしそうなので、しっかりと対応しないといけないです。
あとは見るからに力が強そうですね。極めで勝っている試合も多いし。パンチや蹴りもパワフルでした。バネもありそうですね」
──ザッツ・ラカイ・ファイターですね。
「相当、力は強そうですね。動きも凄いですし。まぁ、焦らなければ大丈夫だと思うのですが……。ああいう粗さに対しては、普通に勝てるように練習をしてきているのですが、やはり試合は何が起こるか分からないので。その部分で僕が焦ってしまうと、流れが変ってしまうと思います。
本来なら相手のパワーをすかして戦うことができれば良いのですが、そんな器用なタイプでないからどうなるか読めない。当てられずに当てるなんていう戦いができれば良いのですが……」
<この項、続く>