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【UFN87】ATTバージョン=進化バージョンの堀口を確認するのに、格好の物差しとなるシーリー戦

Horiguchi vs Seery【写真】ニール・シーリーを相手にどのような進化を見せるか──非常に楽しみな堀口恭司 (C)MMAPLANET

8日(日・現地時間)、オランダ・ロッテルダムのアホイ・ロッテルダムで開催されるUFC Fight Night 87「Overeem vs Arlovski」。同大会ではATT所属として堀口恭司が初お目見え、ニール・シーリーと対戦する。

堀口は今年の1月よりフロリダ州ココナッツクリークに移り住んだ。その理由はMMA界初のメガジムでありUFC世界ウェルター級王者ロビー・ローラーを始め、国籍を問わず多くの強豪が所属し、各分野でのコーチ、それを求めるヘッドコーチが存在するアメリカン・トップチームでトレーニングすること。「決して長くない現役生活、より良い環境を求めるのが普通」と日本を後にした。

今回からはセコンドもATT勢が務めるというなかで、堀口はUFC戦績3勝2敗のアイリッシュ・ファイター=ニール・シーリーと対戦する。シーリーの特徴はスイッチヒッターでありながら、試合中に構えを多く変えるのではなくオーソならオーソ、サウスポーならサウスポーという風にどちらかに比重を置いて戦う点にある。

パンチは右も左も強い、そして中間距離でのボクシングを得意とする。特にオーソの時の左フック、さらにはサウスポーの時の踏み込みながら放たれるオーバーフック気味の右ストレートには気を付けたい。前者はローのなどのカウンター、後者はやや遠いレンジでの武器なので、踏み込み重視の堀口としては要注意が必要だろう。

「倒しに来るファイターなので、戦いやすい」とする堀口。彼の空手流の遠い間合いからの踏み込みやカウンター狙いに対し、シーリーが混乱するのか、あるいはプレッシャーが少ないと感じるのかで、その試合内容は大きく左右される。殴られても殴り返す──そう割り切ることができるメンタル、それが中間距離での強さに通じるシーリーだが、その姿勢は常にテイクダウンを狙われるというリスクを内包している。

結果、シーリーは寝技での防御力、スクランブル、そしてカウンターのギロチンという部分でも強さを見せている。そんな武闘派シーリーに対し、堀口への期待はずばり空手とレスリングの融合、そして接近戦の打のみのコンビネーション、さらには組と打の連係だ。ATTにはカミ・バルジニというイラン人のレスリングコーチがおり、一説によると堀口とのコミュニケーションもバッチリだという。

堀口の踏み込みとフェイントにカミ仕込みのテイクダウンが合わされると、シーリーが一番得意とする中間距離での打ち合いという展開を潰すことができる。同様にテイクダウンに結ぶつけることができない、あるいはシーリーが距離を潰してくる=堀口にプレッシャーを与える展開になった時は、上に記したようにカウンター使用でない、ボクシングを消化した堀口のパンチのコンビネーション、あるいは打撃からのテイクダウンという流れが見てみたい。

ATTに籍を移して3カ月、そこで何が変わるのかという意見もあるだろうが、確実に勝利が必要な戦いのなかでも、堀口はこれまでの試合でも常に練習の成果を出そうと試みてきた。殴り合いに強く、スクランブル、ガードワークにも長けているシーリーは、ATTバージョンの堀口にとって格好の物差しとなる相手だ。テイクダウン、スクランブル、トランジッション、そして極めという全てのエレメントでの成長具合を確かめることができる──シーリー戦。この試合は堀口の総合力を測ることができるといえる。

シーリーの良さを完封、あるいは競り勝つという両方の試合パターンになろうが、しっかりと勝ち上がることで世界フライ級王座挑戦権獲得と、王座奪取への道のりが堀口とATT首脳の両者に見えることになるだろう。

■ UFN87対戦カード

<ヘビー級/5分5R>
アリスター・オーフレイム(オランダ/3位)
アンドレイ・オルロフスキー(ベラルーシ/5位)

<ヘビー級/5分3R>
ステファン・シュトルーフ(オランダ)
アントニオ・ペイザォン・シウバ(ブラジル/12位)

<ウェルター級/5分3R>
グンナー・ネルソン(アイスランド)
アルベルト・トメノフ(ロシア)

<女子バンタム級/5分3R>
ジャーメイン・デランダミー(オランダ/14位)
アンナ・エルモセ(デンマーク)

<ライトヘビー級/5分3R>
ニキータ・クリロフ(ウクライナ/14位)
フランシマール・バローゾ(ブラジル)

<女子ストロー級/5分3R>
カロリーナ・コバケビッチ(ポーランド/10位)
ヘザー・クラーク(米国)

<ライト級/5分3R>
クリス・ウェード(米国)
ルスタン・ハビロフ(ロシア)

<ミドル級/5分3R>
マグナス・セデンブラド(スウェーデン)
ギャリス・マクレラン(南アフリカ)

<ライト級/5分3R>
ニック・ハイン(ドイツ)
ジョン・タック(米国)

<ライト級/5分3R>
ヤン・カブラル(ブラジル)
レザ・マダディ(スウェーデン)

<フライ級/5分3R>
堀口恭司(日本/5位)
ニール・シーリー(アイルランド)

<ウェルター級/5分3R>
レオン・エドワーズ(英国)
ドミニク・ウォーターズ(米国)

<フライ級/5分3R>
ウィリー・ゲイツ(米国)
佐々木憂流迦(日本)

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