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【ROMAN03】佐藤哉羽と道着MMA戦、ギレルメ・ナカガワ「ボンサイの柔術とは? 危険な柔術ですね」

【写真】ポルトガル語の通訳は、11月9日にネオブラ決勝戦(バンタム級)を控える佐藤ゆうじ選手が務めてくれました(C)SHOJIRO KAMEIKE

11日(土)、東京都新宿区GENスポーツパレスで開催されるROMAN03で、ギレルメ・ナカガワが佐藤哉羽とROMAN COMBAT=道着MMAルールで対戦する。
Text by Shojiro Kameike

ギレルメは2024年、ABEMAの格闘家発掘リアリティTVショー『格闘代理戦争-THE MAX-』を経て、パンクラスでプロMMAデビュー。ここまでプロでは1勝3敗と黒星が先行しているが、所属するボンサイ柔術らしい「極めに行くスタイル」で戦い続けている。

そのギレルメが今回、ボンサイ柔術のマルキーニョスがメインで戦うROMANにて、初の道着MMAに挑むこととなった。柔術黒帯を締めるギレルメは、自らのフィールドといえるギの世界で「ボンサイの柔術を見せる」と決意を語った。


――ROMANに関するお話の前に……、先日のRIZINではホベルト・サトシ・ソウザ選手のフィニッシュが凄まじかったですね。

「凄かったですね。ボンサイ柔術でも、みんな盛り上がっています。ただサトシ先生は、練習でやったことを試合で出すことができるファイターです。だから皆、安心して試合を視ていました」

――チームメイトにとっては、「サトシ先生なら当然だ」という結果でしたか。

「その通りです。僕はいつもサトシ先生にやられてばかりなので、余計にそう思っています。サトシ先生が試合で見せるのは、いつも僕がやられている技ですから(笑)」

――アハハハ。続いてギレルメ選手がマルキーニョス選手とともに、ROMANに出場します。

「すごく嬉しいです。僕はまだ黒帯になったばかりで、先生たちと同じ舞台で戦うことは難しいんじゃないかと思っていました。でも今回、マルキーニョス先生と同じ大会で戦えるということで、すごくワクワクしていますね」

――ROMANでは2人とも道着MMAに臨みます。現在は道着MMA用の練習をしているのでしょうか。

「いえ、そこまで練習内容に大きな変化はないです。もともとやっていたMMAの練習を、今はギを着てやっているぐらいで」

――それはずっとギを着て戦ってきたチームだからこそ、だと思います。ギレルメ選手としては、ギ着用で戦うことに対して自信を持っているのではないですか。

「もちろんです。僕は柔術家として長年、ギを着て戦ってきました。そのおかげで今回のルールに関しても、少し安心感はありますね」

――ちなみに昨年プロMMAデビューして以降、柔術の試合には出ているのですか。

「ギの試合は一度だけ、ブルテリアの大会に出ました。(※2024年8月に行われたコパ・ブルテリアで、アダルト黒帯フェザー級優勝)。それとASJJFのアジアオープン(※昨年11月、アダルト黒帯フェザー級優勝)と、SJJFワールドに出ています(※今年9月、同級3位に)」

――現在でもMMAと柔術を並行して続けているのですね。

「普段はノーギで練習することが多いです。でも今は次の試合のために、ギの練習を増やしています」

――ギレルメ選手のキャリアは、まず格闘代理戦争での極めっぷりが印象的でした。一方、プロでは黒星が先行しています。その要因は何だと考えていますか。

「自分としては、戦略的なミスじゃないかなと思っています。その部分を調整できれば、また調子も戻ってくるはずです」

――戦略的ミス、ですか。

「試合自体は、自分のゲームプランどおり進めることができています。でも肝心なところ――極めるべきところで、極め切ることができていません。いつも途中までは、うまく進められていると思うので、最後に極め切ることができるよう練習しています」

――極め切ることができなかった理由はあるのでしょうか。

「MMAで戦うようになってから、自分の技に対する自信が足りないですね。柔術の試合に出る時は、自分の技ひとつひとつに対して自信があります。でもMMAは柔術だけでなく、いろんな技術が必要になりますよね。だから、いろんなことを考えすぎてしまい、ひとつひとつの技に対する自信がなくなってしまったように思います」

――今はそのひとつひとつの技に対する自信を取り戻してきているということですね。

「柔術の技術については、そこまで大きな変化はありません。でも打撃に少しずつ慣れてきているので、柔術と打撃の技術がうまくマッチしてきていると感じています」

――打撃については、鈴木博昭選手の指導を受けているのでしょうか。

「今は豊橋にあるスズキ選手のジムへ通い、練習させてもらっています。スズキ選手の打撃は、本当にズバ抜けています。僕はスズキ選手の打撃を吸収するというよりは、教えてもらった打撃を、どのように自分のゲームプランに生かしていくかを考えています」

――なるほど。ここまでパンクラスに出場していたギレルメ選手が、ROMANで道着MMAに挑むことになった経緯を教えてください。

「パンクラスから離れたわけではなく、今後もパンクラスには出場します。今回ROMANに出ることになったのは、まずマルキーニョス先生にオファーがありました。そのマルキーニョス先生から『ROMANが他にも選手を探している』と聞き、僕にとっては先生と一緒に戦えるチャンスだと思って出場することを決めました」

――そうだったのですね。道着MMAについては、どのようなイメージを持っていますか。世界的に見てもギを着てMMAを戦う大会は珍しいと思います。

「珍しいルールだと思うと同時に、すごく楽しみですね。柔術からMMAを戦っている自分たちからすると――もちろん簡単なルールではないです。でもギがあることで、いろんな技術を混ぜながら、いろんな展開を創り出すことができますから」

――それは楽しみです。対戦する佐藤選手の印象を教えてください。

「あまり情報がなくて、これといった印象は持っていません。どちらかといえばストライカーなのかな……というぐらいですね。ストライカー×グラップラーで、ギを着るので僕にアドバンテージがあると思っています。試合ではボンサイの柔術を見せつけたいです」

――ギレルメ選手にとって、ボンサイの柔術とは?

「危険な柔術、ですね」

――危険な柔術!!

「常に僕たちは極めに行きます。それは相手にとって危険なスタイルだという意味です。サトシ先生やクレベル先生は、常にそのスタイルを見せてくれています。自分も今まで、キープするのではなく極めに行くスタイルで戦ってきました。次も良い試合を見せますので、ぜひ僕の試合を楽しんでください」

■放送予定
10月11日(土・日本時間)
午後1時00分~U-NEXT

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