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【LFA219】ドゥグラスがUFCと契約。フェザー級挑戦権争いは、直接UFCも。トムソン×イスロンボエフ!!

【写真】両者145.8ポンドで計量はパス。イスロンボエフはデカい。ただ、これは遠近法か(C)LFA

10日(金・現地時間)、テネシー州クラークスヴィルのF&Mバンク・アリーナでLFA219「Thomson vs Islomboev」が開催される。メインはイベント名にある通りアイザック・トムソン×アクバルジョン・イスロンボエフのフェザー級マッチだ。
Text by Manabu Takashima

LFAフェザー級といえば王者ラリアン・ドゥグラスが9月9日のDWCS第5週でキャム・ティーグを36秒でKOし、UFCとの契約を決めている。つまり、この試合の勝者はドゥグラスの腰を離れたLFAのベルトに最接近するファイターとなる。ばかりかLFAのエド・ソアレスCEOは、「直接UFCからコールがあっても不思議でない」としているマッチアップだ。それもそのはずトムソンは、過去にドゥグラスと対戦経験があり2RでTKO勝ちを収めているファイターだ。


豪州シドニー生まれ23歳のトムソンは、プロになる前からチーム・アルファメール所属となり、プロで連勝後の2021年12月、19歳と7カ月でLFAデビューを果たしている。既に完成度の高さが伝わってきていたトムソンだが、#01フィーダーショーの洗礼を浴びLFA黒星デビューに。

ここからLFA以外で挙げた1勝も含め、4連勝とポテンシャルの高さを見せつけ、タイトルにも近づいた。しかしながら、シャヒーン・サンタナ戦でまさかの2敗目を経験。その後は再び2連勝し、これまでの成績は8勝2敗としている。

上にある4連勝中にドゥグラスからKO勝ちを収めており、DWCSに出場していたもおかしくない実力者であることは間違いがない。トムソンは基本オーソドックスの構えから、ローやジャブで距離感を測り右ストレート。そしてダブルレッグからバックに回ると、ケージ際でのボディロックの攻防&スクランブルが強い。

ワキを差して、相手のケージに押し込んでのエルボーの連打は残忍さすら感じられるほどだ。MMAの流れとして、まさに王道の征くトムソン。故にイスロンボエフも対策練習をしっかりとしているに違いない。忘れてならないのが、前足のミドルキックの威力だろう。まさにドゥグラス戦では、腹を効かせてハイキックというパターンも、そのハイキックが必要ないほど腹を効かせて戦意があっても動けない状態に追い込んでいた。

対するイスロンボエフは10勝1敗のウズベキスタン人ファイターで、ドバイを経て現在ではキルクリフFCでも練習している。10勝のうち5つのKO勝ちと3つの一本勝ちを誇るイスロンボエフは、ウズベキスタン人選手らしく母国よりロシアでキャリアを積み、UAEWを経て今回がLFAデビューとなる。

TOP BRIGHTSに来日し、ONEやEternal MMAで戦績を積んでいたたベン・ロイルとUAEWで戦った際は、サウスポーからのインローと左ストレートに苦戦を強いれたが、ロイルの肩の負傷で勝利を拾った。とはいってもロイルの打撃がシャープ過ぎただけで、イスロンボエフがサウスポーを苦にしているわけではない。他の試合では右前の相手に自らがインローを蹴り、ジャブ&ストレートとスタンドでも優勢に戦ってきた。

ハンドスピード――いや拳だけでなく、動き自体がスピードがあるというよりクイックなイスロンボエフは、真正面から丸見えのようなダブルレッグも決めてしまう。加えて一発で試合を決めるパンチも持っている。

そんな素材を生かした野性味溢れるイスロンボエフと、しっかりとMMAを積み上げてきた高性能マシーンのようなトムソン。過去にトムソンが試合を落とした時は、コンディション創りに失敗したのかと思うほど動きが悪い。それは別次元といっても過言でないほどだった。

まずトムソンとすれば、しっかりとしたコンディションでケージに上ることができるか。またハイスペックMMAは歯車が狂うと一気に性能がダウンする傾向が強いだけに、これから先を考えると狂った歯車を矯正する力も欠かせない。

イスロンボエフとしても、現代MMAの軸となるケージレスリングでは後手をとることが十分にあり得る。その粘りと、想像以上のスクランブルの強さを見せることができるのか。

一方的に勝つ、バチバチの殴り合いが3R通して展開される。そのような内容でなく、この勝者のMMAは相手の強みを消して自分の強さを押し付ける時間帯をどちらが多く創れるのか。15分の間に2度ほど訪れるで勝負の山。そこを制した者、あるいは巡ってきた仕留められる瞬間を逃すことなく戦うことができた者が勝つ。そんな試合になってはじめて、勝者はUFCからのコールを待つ身となれるだろう。


■視聴方法(予定)
10月11 日(土・日本時間)
午前10時00分~UFC FIGHT PASS

■ LFA219メイン対戦カード

<フェザー級/5分3R>
アイザック・トムソン(豪州)
アクバルジョン・イスロンボエフ(ウズベキスタン)

<172.4ポンド契約/5分3R>
ラヒーム・フォレスト(米国)
マルティン・カミーロ(ウルグアイ)

<157ポンド契約/5分3R>
デドリック・サンダース(米国)
ジャマル・マブリュダフ(ロシア)

<ウェルター級/5分3R>
アンドリュー・スチュアート(米国)
ジョナサン・ウェイド(米国)

<ヘビー級/5分3R>
マット・アダムス(米国)
ベン・ワンダー(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ロナルド・ハンフリー(米国)
デュプリー・スチュアート(米国)

<フェザー級/5分3R>
ディラン・ブッカー(米国)
エリアス・ロドリゲス(米国)

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