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【Lemino Shooto02】アジア突破=シンバートル戦へ。野瀬翔平「鍛えて身についたフィジカルじゃない」

【写真】淡々と戦う野瀬。楽しみだ (C)TAKUMI NAKAMURA

19日(日)に沖縄市ミュージックタウン音市場で開催されるLemino Shooto02にて、野瀬翔平がシンバートル・バットエルデネと対戦する。
Text by Takumi Nakamura

3度チャレンジしたRoad to UFCでもUFC契約に手が届かず、修斗環太平洋バンタム級王座決定トーナメントも決勝でダイキ・ライトイヤーに敗れている野瀬。ダイキ戦での敗北を機に「攻めすぎない」スタイルを再構築し、5月に闘裸男・福岡大会で加藤ケンジを下し、8月31日のGrachan福岡大会ではグラップリングながら石橋佳大に腕十字で一本勝ちし、今回のシンバートル戦を迎えた。

シンバートルは日本人にはないフィジカルを誇り、モンゴルのバンタム級最強といえる相手。改めて世界への道を進むためにも、野瀬にとっては乗り越えなければいけない戦いになる。


こんな強い選手と国内の修斗で組んでもらえて

――Lemino修斗第2回大会への参戦、しかもシンバートル・バットエルデネとの国際戦が決定しました。最初にオファーを受けた時の心境は?

「Lemino修斗に是非出てほしいということで連絡をいただいて、最初は別の選手、それも海外の強豪とのオファーだったんで即決・即答でOKしていたんですよ。そこから対戦相手が代わることになったのですが、そこで出てきた相手がシンバートル選手だったので、僕としては是非お願いしますという感じでしたね」

――当初の相手から変更になっても野瀬選手にとっては魅力的なオファーだったということですね。

「かなり魅力的でしたね。こんな強い選手と国内の修斗で組んでもらえて、沖縄は福岡から近いこともあってうれしかったです。代わりの相手のシンバートル選手も、かなり強い選手なので、こんな選手とここでやらせてもらえるんだと思いましたね」

――Lemino修斗から声かかるというのも、意外な部分がありましたか。

「松根(良太)さんとは何度もお話ししたことがあるし、沖縄のTHE BLACKBELT JAPANにも何度か行かせてもらったことがあったんですよ。今回は自分のために外国人選手を用意していただいて、めちゃくちゃ嬉しさがありましたね。しかも沖縄に強い選手がいっぱいいるなかで、僕をメインに抜擢していただけるということで、そこもすごくうれしいです」

――野瀬選手は昨年12月の環太平洋バンタム級王座決定トーナメント決勝でダイキ・ライトイヤー選手に敗れて、今年5月に闘裸男・福岡大会で加藤ケンジで復帰。8月のGrachan福岡大会ではグラップリングながら石橋佳大に一本勝ちし、今回のシンバートル戦となります。ダイキ戦ではどんな反省点がありましたか。

「あの試合はすごく僕の中で自分を考え直すタイミングになりました。ダイキ戦はかなり極め急ぎすぎて雑になってしまったところもあったなと。気持ちの面でも絶対に一本取るぞと入り込みすぎていました。もちろんその意気込みは大事なんですけど、度がすぎてしまっていました(苦笑)。その辺りを考え直して加藤戦や石橋戦は極め急がないこと、興奮しすぎないこと、冷静に戦うことを意識して、あえて試合も淡々とやってみたんです。今の自分にはこっちの方がすごくはまっているなという感覚がありますね」

――野瀬選手がグラウンドで攻めて、それを凌いだダイキ選手が打撃を効かせる試合で、トーナメント準決勝の人見礼王戦も最終的に野瀬選手が一本勝ちしたものの、人見選手の打撃であわやの場面を作られてしまいました。どちらも見ている側としてはエキサイティングな試合でしたが、競技者としては反省点も多かったですか。

「まさにそうですね。しかもずっと極め急ぐなと言われていたのに、そこが直らなかったです(苦笑)。人見戦とダイキ戦でかなりダメージもあったので、それを抜く意味でもしばらく休んで考える時間があったので、その意味でもあの2試合はターニングポイントになった試合だと思います」

――極め急いでしまうというのは、野瀬選手の癖なのですか。

「そう思います(苦笑)。特に練習ではそれで極めることが出来るから、そのままま行っちゃうみたいな。なのでダイキ戦後に練習を再開してからは、わざと極めずにコントロールだけでラウンドを終えるとか、なんならパスガードすらしないでキープするとか、そういう削る意識で練習を続けていたんですよ。自分からガツガツ行って極めるのではなく、相手を疲れさせてから極めるみたいな。それが出来るようになってから楽に一本取れるようになったし、その感覚を覚えてからはかなり戦い方が変わってきたと思います」

――例えば3本スパーリングするなら最初の2本はトップキープのみ。最後の3本目で取りに行くようなイメージですか。

「なんならその3本目の残り30秒で取りにいくぐらいの感じです。仮にここで極められずにポジションを許しても勝てるだろうというタイミングでしかリスクは冒さない練習をしてきたので、かなり変わったんじゃないかなと思います」

――いい意味で攻めすぎない、と。

「はい。極めるのが無理そうだったら行かないみたいな。そういう戦い方もできるようになってきました。前回はグラップリングの試合でしたけど、今取り組んでいることを確認しながら試合ができたので、あの試合もいい経験になりました」

――まさにダイキ戦を終えて2試合挟んで自分をバージョンアップさせて今回のシンバートル戦を迎えるわけですね。そのシンバートルにはどのような印象がありますか。

「とにかく最初の見た印象は、体の力がとにかく強い、ですね」

――Breakthrough Combat01で吉野光選手と対戦した際には、レスリングが強い吉野選手相手にレスリング&スクランブル勝負で競り勝っていました。

「彼らの場合は鍛えて身についたフィジカルじゃないと思うんですよ。持って生まれたものというか。だから、そこにフィジカルで対抗しようとするとやられちゃうので、じゃあどう自分は勝つのかを考えて準備しています」

今の自分がどうなんだ?という意味でも、すごく楽しみ

――野瀬選手は過去に3度、RTUに参戦していて、誰よりもアジアのライバルたちの強さを体感していると思います。

「僕はRTUにシーズン1から出ていて、1は中村倫也選手に負けて、2は中国人選手(シャオ・ロン)、3では韓国人選手(ユ・スヨン)にやられています。今回はRTUではないですが、モンゴルの選手と戦うことになって、まずはアジアを突破しないと世界には届かないので、今の自分がどうなんだ?という意味でも、すごく楽しみです」

――ある意味修斗で悔しい敗戦を経験し、自分のファイトスタイルを見つめ直して、ここでアジアの強豪にチャレンジするというのは、すごく良いタイミングですね。

「そうですね。ここで自分を試すことが出来るのは本当にありがたいです」

――そこも踏まえてシンバートル戦以降、今後の目標も聞かせてもらえますか。

「これからまた世界で戦えるようになりたいと思うんだったら、このシンバートル戦は絶対に越えないといけない試合です。シンバートルにしっかり勝って、シンバートルに初黒星をつけて、そこから修斗のベルトも狙っていきたいと思っています」


■視聴方法(予定)
10月19日(日)
午後4時~ Lemino

■Lemino Shooto02対戦カード

<バンタム級/5分3R>
野瀬翔平(日本)
シンバートル・バットエルデネ(日本)

<ウェルター級/5分3R>
西條英成(日本)
クルボン・バトル(ブラジル)

<フライ級/5分3R>
宮城友一(日本)
シモン・スズキ(日本)

<ストロー級/5分3R>
畠山隆称(日本)
ニシダ☆ショー(日本)

<フェザー級/5分2R>
内藤太尊(日本)
工藤圭一郎(日本)

<ストロー級/5分2R>
梅木勇徳(日本)
平良龍一(日本)

<バンタム級/5分2R>
ショージン・ミキ(日本)
水嶋敬志(日本)

<フライ級/5分2R>
砂辺光久(日本)
福島祐貴(日本)

<2025年度ストロー級新人王T準決勝/5分2R>
黒瀬恭平(日本)
賢人(日本)

<ジュニア修斗62キロ契約/4分1R>
髙松一喜(日本)
通事安朋(日本)

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