【A1 Combat31】厳しい結果。川原が2Rに打撃でグラつかせ、最終回にバック奪取もスプリット判定負け……
<フライ級/5分3R>
エリアス・ガルシア(米国)
Def.2-1:29-28.29-28.28-29
川原波輝(日本)
サウスポーのガルシアに対し、川原が右ミドルを蹴る。ガルシアがそれをキャッチしてテイクダウンすると、そのまま川原の両足を超える。ガルシアは自分の右側に回り、川原はケージに背中を預ける。ガルシアは川原の両足を抱えて寝かせようとするが、川原は背中を預けた状態をキープする。この状態が長く続くが、最終的にガルシアが川原をケージから引き出すようにして寝かせてマウントへ。肩固めを狙いつつ、川原の動きに合わせてバックに回りながらパンチを落とす。ここからガルシアはRNCを狙い、川原がそれをディフェンスしてラウンド終了となった。
2R、ガルシアが右ジャブから左ハイ、インローを蹴る。川原が前に出るとガルシアはスピニングバックキック。川原は右ストレートを伸ばし、ガルシアは前蹴りとローで距離を取る。川原は右ミドルを蹴って、ジャブから右アッパーと手数を増やす。ガルシアはケージを蹴って左のスーパーマンパンチを繰り出す。川原はガルシアのローに右ストレートを狙い、ガルシアも左ストレートから前に出る。川原は右ミドル、右ボディストレート、右ストレート。この右がガルシアの顔面を捉え、ガルシアがバランスを崩す。ガルシアが態勢を立て直すと川原が左フック。ガルシアも左ストレートから左ハイ、前蹴りと攻撃をつなぐ。川原は右ストレートから左フック、ジャンプしての右ハイ。ガルシアはスピニングバックフィストを狙う。川原はガルシアの蹴りに右ストレートを狙いつつ、ガルシアも蹴りからの左ストレートで応戦する。残り15秒、川原が右のロングフックを当てて、下がるガルシアに右ハイキック。そのまま前に出て攻勢を印象付けた。
3R、ガルシアが左の二段蹴り、テイクダウンを狙って左ストレートを当てる。さらにガルシアは左ハイからスピニングバックフィストを繰り出す。距離が開くとガルシアは細かいインローを蹴って、シングルレッグで川原をケージに押し込む。そのままガルシアが川原に尻餅をつかせ、蹴って立ち上がろうとする川原のバックに回る。ここで川原は正対して立ち上がる。試合がスタンドに戻ると川原が右ミドル。ガルシアがシングルレッグからテイクダウンして川原に尻餅をつかせる。川原が半身になって立ち上がりつつ、今度はガルシアのバックを取って足を四の字フックする。ここから川原はRNCを狙いながらパンチを入れ、腕十字を狙ったところでタイムアップとなった。
1Rは確実にガルシア、2Rは川原が打撃で優勢か。そして最終回も川原はテイクダウンを奪われたものの、終盤はバック奪取から攻め立てた。しかし裁定は――スプリット判定でガルシアの勝利に。ガルシアは「彼はファッ〇ン・ウォリアーだった・ホントに色々なことがあって、でも自分の手が挙げられて、また勝つことができた。コーチ・オーヤマがいなくて。この勝利はない。決を蹴って、心を折り続けてくれた。コーチ、ありがとう」と語った。
試合前のインタビューで語っていたとおり、川原は終始フィニッシュを狙って攻め続けていた。会場をわかし、ケージを去る川原にアナウンサーも称賛の声を贈るほどの激闘であったことは間違いない。内容的に川原の勝利を支持する声もあるだろう。とはいえ、これも本人が言っていたように「結果が全て」の世界。「判定で勝っても仕方ない」という川原はフィニッシュを狙い続けながらも、接戦の末フィニッシュできなかったゆえに敗れた――という見方もできる。いずれにせよ、今回の結果をどう考えるのか。その答えを来年2~3月に予定されているというストロー級王座の防衛戦で出すことはできるか。