【Pancrase277】フェザー級KOP暫定王座戦を戦う田村一聖<01>「過去2戦? 酷いモノです。でも……」
【写真】突然のチャンスにも冷静に、自分のやるべきことを理解している様子の田村一聖だった (C)MMAPLANET
24日(日)に東京都江東区のディファ有明で開催されるPANCRASE 277で、牛久絢太郎とフェザー級暫定KOPタイトルマッチを戦う田村一聖。
UFC参戦後、失意のROAD FC出場を経て──国内、そしてフェザー級で仕切り直した彼は8月の蓮實光戦、12月にタクミ戦と連勝を飾っている。正規王者アンディ・メインの負傷&長期欠場により、巡ってきた暫定王座決定戦を前に田村の心境を尋ねた。
──パンクラスで2試合を終え、24日(日)に牛久絢太郎選手とフェザー級暫定KOPタイトルマッチを戦うことが決まりました。
「パンクラスで2勝を挙げ、次の試合は上の方の選手と戦えるだろうという気持ちはありましたが、こういう形になるとは全く思っていなかったです(苦笑)。ホント、突然でした。でも、僕もいい年なので暫定ではしょうがないですけど、そこから先を進むという気持ちでいます」
──これまでの蓮實光戦、中山タクミ戦を振り返り自己評価は?
「酷いモノです……。けれども、酷いなかでも実感できているものがあります。最初の試合なんて、『あっ、頭が回るな』、『動けるな』っていうところからでした。バンタム級からフェザー級に戻して、自分の動きも取り戻すために。疲れていても、こういう動きが出来たんだ。こういう引き出しを出せるんだっていう実感があったことだけが、良かった点です」
──バンタム級で戦っている時は、そこまで自分の動きができていなかったということでしょうか。
「体重が原因かどうか、対戦相手も違いますし、そこは分からないので比べられないです。フェザー級に戻して自分の動きができると言っても、バンタム級はさせてもらえなかったから、あんな風にテンパって戦ってしまっていたのかもしれないですし。だから、バンタム級と比較して何か見えるものではないですが、とにかくフェザー級で戦っていこうと思っています」
──蓮戦は内要云々でなく、とにかく勝つことしか現役続行の芽はなかった一戦だったと思われます。そこを経て、次は元王者のタクミ戦。この試合もまたどちらも後の無い状況での試合ですし、何か自分を試すような動きはこの2試合でできたのでしょうか。
「負けたら終わりという試合ですよね、単純に(笑)。動きとしてはもう少し、打撃を効かせてからテイクダウンに持ち込むことができればな、と思っています。そうすれば練習でやっていることの感触がもっと掴めたはずです。
そこで次の試合に生きるような戦いができたかと思います。倒すというところから、勝とうという風に考え方をチェンジしたのが早すぎた試合でした」
──ただ、結果を伴うということは本当に大切ではないでしょうか。
「う~ん、正直なところ自分がやってきたこと、持っているモノを出さないで勝ったという気持ちしかないんですよ。だからも、もう少し出したかったです。一期倶楽部の二瓶先生からも『あんな試合をしていちゃ、次は勝てねぇぞ。次は強いヤツと戦うことになるからな』ってくらいのことは言われてしまいました」
──栃木在住、ATTで長期練習に入った堀口恭司選手の空手の師匠である二瓶弘宇先生ですね。堀口選手が米国に移っても、一期倶楽部で練習しているのですか。
「しています。恭司がいなくなっても、何も変っていないです。アイツがどうってことじゃなくて、自分は二瓶先生の指導を受けているので。一点、良い見本がいなくなったのはかなり厳しいです。
やっぱり恭司の理に適った綺麗な動き、つまり強い選手の動きを見て来て、勉強し盗ませてもらっていたので、そこがいなくなったのは痛手ではあります。二瓶先生は恭司がいなくなったことも全く関係なく、ビシバシと指導してくれているので、そこは大丈夫なのですが(笑)」
──例えば、どのような指導を受けていますか。
「『燃えろよ』の一言です。稽古が終わって東京に戻る時に挨拶をした時も先生の返答は『燃えろよ』です」
<この項、続く>