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【DEEP128】椿飛鳥と対戦、牛久絢太郎「フェザー級でオファーが来て『階級を戻せ』ということだと思った」

【写真】フェザー級での再出発。そこに至るまでには葛藤もあった(C)TAKUMI NAKAMURA

明日2日(日)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP128で、牛久絢太郎が椿飛鳥と対戦する。
Text by Takumi Nakamura

2024年からバンタム級に階級を下げた牛久だが、太田忍、佐藤将光、福田龍彌に敗れて3連敗。結果を出すまでバンタム級にこだわるのか、それともフェザー級に戻すのか。葛藤を続けるなか、DEEPから届いたオファーによって牛久はフェザー級に戻ることを決めた。

「今の僕には発言権がないと思っている」。そう話す牛久だが、言い方を変えれば、ここからまた勝ち星を積み上げて発言権を得るという決意表明でもある。フェザー級でのリスタートを目前に控えた牛久の言葉をお届けしたい。


──試合に向けて最終調整に入っているところだと思いますが(取材日は10月26日)、仕上がりはいかがですか。

「バッチリ仕上がっています」

――牛久選手は試合のどのくらい前まで対人練習するのですか。

「1週間前までは全然やりますね。基本的にファイトウィークに入ってから対人は少なめにして、調整の練習が多くなる感じです」

──今回は久々のフェザー級の試合です。オファーを受けた時はどんな心境でしたか。

「前回もバンタム級で負けていて、自分の中でこのままバンタム級でいいのか、フェザー級に戻した方がいいのか。そこに関してもの凄く葛藤があって、ずっと悩んでいました。そのタイミングでDEEPさんからフェザー級でオファーが来て『これはフェザー級に戻せ』ということなのかなと思い、フェザー級でやろうと決めました」

──牛久選手自身はバンタムで結果が出なかったってことも含めて、フェザーの方が調整しやすいという面があるのでしょうか。

「減量が超楽になるわけではないですが、フェザー級の方が体重を落とす幅は少なくなるので、そういう面では試合ギリギリまで動く練習やスパーリングもできるし、ギリギリまで食べることが出来て体重を落とす不安もないので、そういう面ではいいですよね」

──バンタム級時代は試合一週間前になると体重のことを第一に考えていたのですか。

「そうですね。バンタム級の時は試合後のリバウンドにも気をつけて、普段から食事も節制して、試合10日前ぐらいからは対人練習も極力控えて、徐々に調整していくという流れでしたね」

──フェザー級に階級を上げれば減量の幅が減る分、対戦相手もサイズが大きくなります。今回練習をしていてフェザー級のフィジカルは戻ってきていますか。

「全然戻っていますね。フェザー級時代はフェザー級からライト級の選手と結構スパーリングしていて、今回はその時に練習していた練習仲間とも練習したんですけど、そこでフィジカル負けしたと思うことはなかったです。だから今回は凄くいいパフォーマンスが見せられるんじゃないかなと思っていますね」

――先ほどは階級をどうするか葛藤があったという言葉もありましたが、具体的にどんな葛藤があったのですか。

「僕は頑固な部分があって、バンタム級では3戦3敗していて1回も勝ちがなくて、そのままで終わっていいの?という葛藤ですね。今回フェザー級でやるとなって、フィジカル面もどんどん上がっていて、フェザー級の方がいいんだろうなというのは分かってはいたんですけど、負けたままで(階級を戻したくない)………ですね。そこはバンタム級でパフォーマンスがどうだったかという問題ではないです」

──例えば周りから「フェザー級の方がいいんじゃない?」と言われることはなかったですか。

「みんなに言われましたね、フェザー級の方がいいよねって(苦笑)。あとはそれだけじゃなくてフェザー級で試合を見たいという声もたくさんありました」

──そういう中でフェザー級でオファーが来たというのは運命的だったかもしれないですね。練習内容や練習メニュー的なところで意識してやってきたことはありますか。

「バンタム級時代はバンタム級やフライ級の選手とも練習していたんですけど、今回はフェザー級やライト級の選手とスパーリングするのがメインになったので、そこが大きな違いですね。マッハ道場巣鴨に行って中原(由貴)さんとやったり、大尊(伸光)選手ともよくやりますね」

──2選手ともフェザーの中でもフィジカルが強い方なので、そこと組んでおけば心配ないですね。そういったなかで今回は椿飛鳥選手と対戦することになりましたが、これは予想外だったと思います。

「今まで対戦相手として意識したことはなかったですね。椿選手自体がDEEP初参戦で、椿選手がDEEPに来ることも知らなかったので、最初は驚きました」

──対戦相手として椿選手にはどんな印象を持っていますか。

「オールラウンダーで全体的に万遍なくできる選手というイメージが強いですね」

──本人のキャラクターもあると思うのですが、試合前から「スプリット判定で勝つ」と発言したり、曲者っぽいところがありますよね。ノラリクラリしつつ、要所要所は抑えるみたいな。

「それは自分も感じますね。ただ自分の中でフィニッシュするんだったら、このパターンというのは何通りかあるので、試合当日に手合わせして、相手がどう反応するかで自分の手札が絞れてくるかなという感じです。今回はそこを一番大事にしたいです」

──今回はフェザー級に戻しての試合であり、連敗からの脱出というテーマもある試合です。結果も含めて、どんな試合を見せたいですか。

「今回はちゃんとフィニッシュしたいですね。ただ勝つだけではなく。自分の今後も考えると、そこが大事になってくるのかなと。もちろん椿選手も強いんで、いい試合にはなると思うんですけど、その中で自分のメンタル的にはそういう感情があるという感じですね」

──それは椿選手のことを軽く見ているわけではなく、自分自身に課しているものという意味でしょうか。

「そうですね。僕は過去の試合を振り返ると判定が多くて、少しずつでもそれを変えていかないといけないと思っています。それは相手が椿選手だからどうではなく、自分のマインドが少しずつ変わってきた感じですね」

──連敗を脱出するために気持ちの面で変えたこともありますか。

「一番はこんな状況でも変わらず応援してくれる周りの人たちには本当に感謝していますし、その感謝の気持ちが強くなりましたね」

――極端な言い方かもしれませんが、連敗が続いて人が離れていく不安もありましたか。

「そういう不安もなくはなかったです。ただ僕が負けても応援してくれている人は牛久絢太郎という人間を見て、応援してくれてるんだなということを改めて感じて、今の練習仲間たちも含め、大事な存在だということを本当に感じましたね」

――今後は再びRIZINのフェザー級戦線に食い込んでいくことが目標ですか。

「僕の中では椿選手との試合を控えているので、今はそこに集中して、あまり先のことは考えないようにしています。今の僕には発言権がないと思っているので」

──逆に言えばここから勝ち星を重ねて、発言権を得たり、周りに期待してもらえる試合や勝ち方を見せていきたいですか。

「当然ファイターとしてそこを目指しています」

──それでは今回の試合を楽しみにしてくれているファンの皆様にメッセージをいただけますか。

「久しぶりのフェザー級の試合で調整もバッチリ上手くいっているので皆さん楽しみにしていてください」

■視聴方法(予定)
11月2日(日)
午後5時35分~U-NEXT、サムライTV、DEEP/DEEP JEWELS YouTubeチャンネル メンバーシップ

■DEEP128対戦カード

<DEEPライト級暫定王座決定戦/5分3R>
大原樹理(日本)
神田コウヤ(日本)

<フェザー級/5分3R>
牛久絢太郎(日本)
椿飛鳥(日本)

<ライト級/5分3R>
大木良太(日本)
倉本大悟(日本)

<ライト級/5分3R>
北岡悟(日本)
山田聖真(日本)

<フェザー級/5分2R>
直樹(日本)
三井俊希(日本)

<バンタム級/5分2R>
高野優樹(日本)
山本有人(日本)

<59キロ契約/5分2R>
木村琉音(日本)
火の鳥(日本)

<メガトン級/5分2R>
誠悟(日本)
バッファロー(日本)

<バンタム級/5分2R>
寺崎昇龍((日本)
唐沢タツヤ(日本)

<アマチュア フェザー級/3分2R>
大越充悟(日本)
マイティ・saw(日本)

<アマチュア フライ級/3分2R>
大将(日本)
金子蒼空(日本)

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