この星の格闘技を追いかける

【RISE WS】61.5キロ世界T決勝で中村寛×ペンジェーが対戦。リマッチという要素は中村を後押し?

【写真】変則的な間合いのオルベンに対し、平川がプレッシャーをかけ続けて勝ちを掴んだ(C)RISE/KUSHIMAX

明日11月2日(日)に東京都墨田区にある両国国技館で開催されるRISE WORLD SERIES 2025 FINAL。今大会ではRISE WORLD SERIES 2025 61.5キロ・トーナメント決勝として、中村寛とエン・ペンジェーが対戦する。
Text by Takumi Nakamura

RISEとして2025年最後のビッグマッチとなる今大会は、61.5キロ世界トーナメントの決勝戦、そしてGLORY×RISE LAST FEATHERWEIGHT(65キロ)STANDING TOURNAMENTの2回戦・RISEブロックの3試合(※当初予定されていたチャド・コリンズ×YURAはコリンズの負傷により中止)が実施される。


61.5キロ・トーナメントは日本から中村寛、常陸飛雄馬、笠原友希の3選手が参戦し、韓国のチャンヒョン・リー、中国のエン・ペンジェー、ウズベキスタンのシャクリヨール・ユラエフ、モロッコ系オランダ人のレダ・ベラーセンを含めた8選手がエントリーし、中村とペンジェーが決勝まで勝ち進んだ。

中村は日本拳法出身、サウスポーから繰り出す強打を武器とし、その野性味あふれるファイトスタイルから“人獣”とも呼ばれる。2022年6月には「THE MATCH 2022」にも参戦し、2023年4月にRISEライト級(63kg)王座に就いた。トーナメント一回戦では元RISEスーパーフェザー級(60キロ)王者のチャンヒョンに判定勝利し、準決勝ではシュートボクシング日本スーパーフェザー級(60キロ)王者の笠原と延長までもつれる熱戦を繰り広げて、左ハイキックでのKO勝ちを収めた。

対するペンジェーは独特のステップワークと両手を小刻みに動かしてパンチを打つトリッキーなファイトスタイル=所属する仏山温拿拳館が標榜するマジカルスタイルの使い手。一回戦で現ENFUSIONバンタム級(60キロ)王者のラーセンを左ミドル・ヒザ蹴りで完封して判定勝利。準決勝では常陸とのリベンジマッチとなり、3Rに左ストレートでダウンを奪っての判定勝利で決勝進出を決めている。

中村とペンジェーは昨年9月のRISE横浜BUNTAI大会で対戦。この時は中村が初来日のペンジェーに延長判定で勝利を収めているが、試合展開としてはペンジェーがマジカルスタイルで中村を翻弄し、最後まで中村を苦しめた。勝利したのは中村だったが、敗れたペンジェーも評価を上げ、その後のRISEへの定期参戦→トーナメント参戦につなげるきっかけとなった。

今回は約1年3カ月ぶりのリマッチとなるが、トーナメントでの両者の戦いぶりを見る限り、今回もペンジェーが自分の距離を取りつつパンチを当て、中村のステップインにカウンターを狙う展開が予想される。中村としてはペンジェーのカウンターを警戒しつつ、どれだけ間合いを詰めていけるかが鍵を握る。

そこで注目したいのは前回の対戦はペンジェーが初来日で、今回がリマッチだということ。前回の対戦時、筆者はABEMA生中継で解説を務めたのだが、ペンジェーの試合映像の数が少なく、選手としての特徴を事前に確認することが難しかった。実際に試合が始まってからペンジェーのマジカルスタイルがどういうものかを把握した状況だった。

おそらく中村もそれは同じで、序盤はペンジェーの独時かつトリッキーな動きを捕えきれなかったが、徐々にペンジェーの動きに慣れてくるとローやボディに攻撃を散らしてペースを取り戻した。前回の対戦は初来日の外国人選手という情報の少なさがペンジェーにとってプラスに働いたことは事実だ。

その中村戦を含めるとペンジェーはRISEで3試合を戦っており、中村としては十分にペンジェーの動きを研究する材料が存在する。また実際にペンジェーの肌を合わせたことで、対峙した時の距離感ややりにくさを知ることが出来たという面では、リマッチというシチュエーションは中村に有利に働くはずだ。

前回の延長の続きのような展開になれば中村。ペンジェーとしてはいかに仕切り直しして、前回の前半のような試合展開や新しい武器をいかに準備しているかが試される試合だと言えるだろう。

■視聴方法(予定)
11月2日(日)
午後12時00分~ABEMA格闘チャンネル

PR
PR

Movie