【DEEP125】牛久絢太郎と王座防衛戦、福田龍彌─02─「アスリートとしては、牛久選手の方が正しい」
【写真】装飾品でない。本当に思っていることだから、言葉に力がある(C)MMAPLANET
本日5日(月・祝)に東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP125 IMPACTで牛久絢太郎の挑戦を受けるDEEPバンタム級チャンピオン福田龍彌インタビュー後編。
text by Manabu Takashima
独特の感性の持ち主はJ-MMA界のオンリーワン、他に比肩する者がいないMMAファイターとしての日々を生きる。一発に懸ける想いの強さこそ、職業家の軸となり、枝葉を彩る要因となっている。
<福田龍彌インタビューPart.01はコチラから>
──芦澤竜誠選手には独特の世界観があり、注目度が高い選手です。ただ福田選手があの試合で負けると、MMAファイターとしての価値は大暴落する。だから負けないために、組んでバックに回る。その勝ち方で良いという見方もできたかと思います。
「あの勝ち方をしようと思っていたわけではないですよ。でも、どういう勝ち方にしても格の違いを見せたかった。積み上げてきたもんがちゃうで、というのは」
──大晦日の勝利で、知名度は急激に上がったかと思われます。でも次がRIZINでなく、DEEPというも興味深いです。RIZINからすると、「うちの商品を潰して、次はDEEPか」とならないでしょうか。
「あぁ、そういうことになるんですかね。RIZINの高松大会は何となしに話は聞いていました。でも俺が選ぶことができる選択肢のなかで、一番強そうな選手が牛久選手やったんです。より難易度が高そう。一番チャレンジと思える人とやりたいので」
──フェザー級から落としてきたファイターと、フライ級から上げたファイターの戦いです。
「勝負論があって、面白いでしょ? アハハハハハ」
──厳しい選択をしたい?
「う~ん、どうやろ。胡坐はかきたくないですね。経験値の高そうな方を選びたいというか。そういうことですよね」
──そんな牛久戦に向けて、今の練習スケジュールはどのようになっているのですか。
「月曜日が、ここで釜谷さんとミット。火曜日は青井人とMMA。水曜日がMIBUROで惇平とミット。木曜日はフィジカル。金曜日は夜もやって2回。土曜日がBLOWSでMMAですね。それとは別に走ったり、狩猟したり。山の中に入ったりとか、いろいろやって。1日に1回はMIBUROに行くなり、ここに来るなりしてミット打ちをやったり、グラップリングをやることもあります」
──牛久選手の狙いは最後はテイクダウンからグラウンドでの支配かと予想されるのですが、そこの対策練習というのは?
「週のなかではMMAのスパーと、水曜日の夜にMIBUROでグラップリングかな。一般練習ですけど、そこにチハヤフル・ヅッキーニョスとかいるから。(江田)塾長とか、グラップラーが多いですからね。壁をやったり、柔術でも黒帯の人と組んでいますよ。
あと京都やから外国人の観光客が多くて、ビジターでガンガン来てくれてはるんで。MMA上がりの人とか、ノーギ専門の人とかが旅行ついでにロールしていくみたいな。そういうのと取っ組み合ったりできるんで。なんやかんや初めて触る人とか練習相手は選り取り見取り、いるんですよ」
──初めて触る。怖い分、得るモノがありそうです。
「まぁ、そうですね。初めてしてくることに対して、どんだけ対応できるかみたいな」
──ATTを求めた牛久選手と対照的ですが、強くなる方法って色々と存在しているのですね。
「狩りは強くなるためにやっているんかは、分からへんけど(笑)。環境って……強いヤツがおるから、強くなれるんか……。まぁ考えが違うから、こんなに違うんでしょうね。アスリートとしては、牛久選手の方が正しい選択をしているんじゃないかと思います。アスリートとしては」
──では何として、福田龍彌の選択は正しいのでしょうか。
「戦士。ハハハハハハ。戦士としては多分、僕の選択の方が正しいんやないかな。分からへんけど」
──言うてることが、クソ格好良いじゃないですか(笑)。
「ハハハハハ。格好良いというか、単純に一発ナンボみたいな。そんな感じなんですよ。自分をブランド化しているとか、そういう気持ちもないんですよ。引退したら、この肩書で生きていきたいというわけでもないし。
僕としては一発いくら、なんですよ。アイツ狩ったら、いくら。それで家族を養っているから、ホンマに。今。だから必死やし。だから良い内容のモノを見せて、『また戦わせたい』と思わせなダメなんですよ。面白いことをして注目を集めるとかではなくて。試合で見せるもんで。
一発、いくら。だから一発に懸ける想い、そこの方が大事。そこに一番重きを置いているから。それが積み重なって毎日の練習とか、それこそ出す一発一発のパンチとか。一歩一歩のステップとか。そういうところに繋がっていくじゃないかとは思っているんで。この一発いくらという仕事に向けて、全力でやる日々を楽しんで生きているだけなんです。
ホンマに恰好つけている感じじゃないんですよ。そういうんやなくて、好きなことを思い切りやっているだけで」
──この日々が素なのですね。
「素やから(笑)。俺、アスリートにはなれないんですよ。そんなストイックじゃないから、僕は。しんどかったら休みたいし。休めへんのやけど」
──どっちですか(笑)。
「ハハハハ。こうしないといけないとか、昔からそういうのは苦手やったから。そうじゃなくて、素の自分が勝負。商品価値やから。例えば米国に行って練習をしていても、それだけでは商品価値は上がらないわけですよ。強くなっても。練習で強くなりました。分かりました。でも実際に試合を見たら、勝ってへんし。内容も面白くないんやったら、行って何をしていたってことになるやないですか。そこはイコールじゃないから。
だから皆の前で戦う。その間だけは、イィもんを見せられるようにスキルを磨いておこうっていう。ホンマ、そんな感じでやっているだけなんです。淡々と、そういう仕事をしている個人事業主という感じで」
■DEEP125 視聴方法(予定)
5月5日(月・祝)
午後5時50分~ YouTube DEEP/DEEP JEWELSメンバーシップ、U-NEXT、サムライTV
■DEEP125 対戦カード
<DEEPバンタム級選手権試合/5分3R>
[王者]福田龍彌(日本)
[挑戦者]牛久絢太郎(日本)
<DEEPフェザー級GP準決勝/5分3R>
海飛(日本)
水野新太(日本)
<DEEPフェザー級GP準決勝/5分3R>
五明宏人(日本)
高橋遼伍(日本)
<DEEPウェルター級選手権試合/5分3R>
[王者]佐藤洋一郎(日本)
[挑戦者]角野晃平(日本)
<フライ級/5分3R>
村元友太郎(日本)
関原翔(日本)
<女子アトム級/5分3R>
大島沙緒里(日本)
イ・イェジ(韓国)
<フェザー級/5分3R>
奥山貴大(日本)
直樹(日本)
<アマチュア フライ級/3分2R>
琥(日本)
小祝歩夢(日本)