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【Black Combat14】初参戦の相手はマイコン・ブルーノに。竹中大地「アウェイで自分の殻を破りたい」

【写真】ある意味、直前の対戦相手変更には慣れている竹中(C)SHOJIRO KAMEIKE

6日(火・現地時間)に韓国・インチョンのインスパイア・アリーナで開催されるBlack Combat14「End Game」で竹中大地がブラジルのマイコン・ブルーノと対戦する。
Text by Shojiro Kameike

昨年7月、竹本啓哉を下してグラジエイターのベルトを獲得して以来の試合となる竹中。すでに発表されているとおり、今回はその王座を返上してブラックコンバットに出場するのだが、それも当初は同バンタム級王者のキム・ジェウンに挑戦する予定であったからだ。

しかしキム・ジェウンが家庭の事情で試合に出られなくなったため、イム・ジョンミンとのノンタイトル戦に臨むことに。しかし今度はイム・ジョンミンが負傷で欠場――代わりにブラジルのオーディションに出場したブルーノとの対戦に落ち着いた。

竹中が海外で戦うのは2020年末のイヴァニウド・デルフィーノ戦以来となる(※試合は2020年内に行われていたが、放送は年明けの1月29日だった)。ONE時代には幾度も直前の対戦相手変更に見舞われていたが、数々の経験を経て自分が今、何をすべきかが明確になった。そんな竹中の渡韓直前のインタビューをお届けしたい。


タイトルマッチじゃなくなって残念な気持ちもあるけど――

――このインタビューは5月3日に行っていますが、取材直前に何とも言えないニュースが飛び込んできました。

「あぁ、対戦相手の変更ですね(笑)。僕は少し前に聞いていましたけど」

――試合直前の対戦相手変更で、もっとピリピリしているかと思っていましたが、笑顔でインタビューできて良かったです。そもそもブラックコンバットに出ること自体は、いつ頃から考えていたのでしょうか。

「オファーをもらったのは年明けで、しっかり話をしたのは2月ぐらいやったと思います」

――グラジのベルトを獲得してからは、RIZIN出場を目指していると聞いていました。

「グラジで防衛戦をしながら、うまくRIZINにも出られるなら――と考えていました。でも、う~ん……、……、……自分が思っているよりもRIZINに出るのは難しいんやろうな、という現実は突きつけられた気がします。正直、出られるような感触はなかったし、年明けから『何とかせな』と思っていて。そんな時にブラックコンバットから試合の話が来たんですよ。初参戦やのに、バンタム級王者のキム・ジェウンに挑戦できると」

――タイトルマッチが組まれるからこそ、グラジのベルトを返上するに至ったわけですよね。

「はい、それなら――という感じで」

――しかしキム・ジェウンとのタイトルマッチが消滅し、イム・ジョンミンと対戦することが決定したのは、いつ頃だったのでしょうか。

「確か4月に、韓国から煽り映像を撮影に来たあたりですね」

――キム・ジェウンはブラックコンバットの王者で、イム・ジョンミンはランキング7位の選手です。この変更で試合へのモチベーションは落ちなかったですか。

「実は……自分、先月から少しコンディションが良くなくて。その中で『キム・ジェウンが試合に出られへん』という連絡が来たんですよ。タイトルマッチじゃなくなって残念な気持ちもあるけど、自分のコンディションを考えると『助かったかな……』とは思いました」

竹本戦のような試合をしていたら、アウェイでは勝てない。しっかりとフィニッシュする

――えぇっ、そんな状態だと練習に影響したのではないですか。

「そうですね。体調が良くなって練習を再開すると、また落ちて――という感じでした。でも今はコンディションも落ち着いて、しっかり仕上げることができています」

――それは良かったです。さらに対戦相手はブルーノに変更されることを聞いたのは?

「だいたい1週間前ぐらいですね。でも『キム・ジェウンが試合できないからイム・ジョンミンで』『イム・ジョンミンが負傷したからマイコン・ブルーノで』と、相手ありきの連絡というか。おかげで試合がなくなる不安を感じることは一切なかったです。むしろ『そんな状況やけど選手を見つけてくれたんや』という気持ちと、ブルーノ選手もショートノーティスで受けてくれたことに感謝しかないですね」

――プロモーターサイドの『どうやってでも相手を見つけて、竹中選手に試合をしてほしい』という意志が感じられますね。

「僕も今、35歳で。ここからブラックコンバットで頭角を表していきたいと思っています。もちろんブラックコンバットの試合が優先ではありますけど、契約上は許可が得られれば日本の団体、それこそRIZINにも出ることができる。『ブラックコンバットを通して、自分の魅力を見せに行けるんじゃないかな』と思っています。アウェイで自分の殻を破りたいです。

竹中、ブルーノともに前日計量をクリア(C) BLACKCOMBAT

韓国はアウェイやから、試合でもフィニッシュすることが必要になります。『アウェイ、敵地に乗り込む時はフィニッシュしとかんと負け』、というつもりで僕は仕上げてきました。こればっかりは出てみないと分からんところはありますけど、試合では理不尽なブレイクもあるやろうし、相手の反則もスルーされたりすることもあるかもしれへん。そこまで考えて、実際にそんな状況になっても面喰わないように」

――確かにアウェイだからか何なのか、須田萌里×パク・シユン大原樹理×ファン・ドユンのように不可解なレフェリングはありました。一方で「自分の殻を破る」というのは……。

「竹本戦のような試合をしていたら、アウェイでは勝てないと思うんです。もうイニシアチブを取って勝つとかじゃなく、しっかりとフィニッシュする。あるいは圧倒的な勝ち方を見せる。

あの時、試合をしている最中は勝つことだけを考えていました。でもお客さんが観ている中での試合、特に興行のメインでやるような試合じゃなかったですね。僕の視野が狭くて、自分のことしか考えていなかった。だから今回はフィニッシュを意識した練習、アグレッシブに戦う練習もしてきました。おかげでアグレッシブな試合を求められる団体に行くために、まだまだ自分も成長できるチャンスがあるんじゃないかと思いました」

――あとは試合後の長いトークタイムを如何にクリアするか、ですね。

「アハハハ! でもブラックコンバットに出ることが決まってからすぐ、SNSで韓国の方からフォローがあったり、DMを頂いたり凄いですよ。

正直、今回は対戦相手のこともよく分からないです。検索しても出て来るのはキックボクシングの試合映像ばっかりやし。ブラジルのオーディション映像を視るかぎり、MMAとしてのスキルが伴っているかどうかも分からなくて。だからこそ自分の勝ち方が問われるんやろうなって思います。

とにかく今回はブラックコンバットに慣れること、そして自分の存在をアピールして日本に戻ってきます!」

■Black Combat14 視聴方法(予定)
5月6日(火・現地時間)
Part.2 午後5時30分~
Part.1:午後1時~
Black Combat YouTubeメンバーシップ

■Black Combat14 計量結果

Part.2
<Black Combatウェルター級王座決定戦/5分3R>
チェ・ジュンソ:77.0キロ
パク・ウォンシク:76.9キロ

<Black Combatフェザー級選手権試合/5分3R>
[王者]ソン・ユチャン:65.5キロ
[挑戦者]パン・ソンヒョク:65.8キロ

<Black Combatフライ級選手権試合/5分3R>
[王者]駒杵嵩大:56.5キロ
[挑戦者]キム・ソォンジェ:56.5キロ

<バンタム級/5分3R>
キム・ドンギュ:61.5キロ
キム・デフォン:61.6キロ

<フェザー級/5分3R>
シン・スンミン:66.1キロ
イ・ドギョム:66.1キロ

<バンタム級/5分3R>
竹中大地:61.7キロ
マイコン・ブルーノ:61.3キロ

<ミドル級/5分3R>
ロッキー・マルチネス:84.3キロ
エドゥアルド・ガルボ:84.1キロ

<ウェルター級/5分3R>
パク・チャンソル:77.2キロ
ミルソン・カストロ:76.9キロ

Part.1
<ライト級/5分3R>
パク・ジェヒョン:70.4キロ
ファン・ドユン:70.9キロ

<ライト級/5分3R>
キム・ジュンギュン:70.8キロ
イ・ヨンフン:70.6キロ

<ライト級/5分3R>
ジョン・ハングク:70.8キロ
チャン・グニョン:70.7キロ

<バンタム級/5分3R>
チョン・ギュンヨル:61.5キロ
パク・ソンジュン:61.7キロ

<フェザー級/5分3R>
ルカス・ベント:66.0キロ
レオナルド・ジニス:65.9キロ

<ライト級/5分3R>
ニコラス・サントス:70.4キロ
ファビオ・サントス:69.3キロ

<フライ級/5分3R>
キム・ソンウン:57.0キロ
ガブリエル・ロドリゲス:57.0キロ

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