【UFC ESPN69】バルセロス戦へ、コディ・ガーブラントが戦い続ける理由「毎日が新しい挑戦。それが人生」
【写真】ヒロヤ、高木凌とアトランタで行動を共にしていたガーブラント (C)MMAPLANET
14日(土・現地時間)、ジョージア州アトランタのステートファーム・アリーナで開催されるUFC on ESPN69「Usman vs Buckely」。同大会では元UFC世界バンタム級王者コディ・ガープラントが14カ月振りの再起戦でハオーニ・バルセロスと相対する。
Text by Manabu Takashima
25歳でMMAの頂点を究めたガーブラントは、王座転落後もタフなUFCのロースターのなかで現実を生きている。一度は栄華を極めながら、今もUFCという厳しい環境のなかでMMAというタフなスポーツに向き合うことができるのか。
早熟の天才のMMAへの取り組みと、The Way of Lifeを尋ねた。
――コディ、インタビューを受けていただきありがとうございます。
「グッド・シーユーアガイン、ブラザー」
――あっ、今は車で移動中ですか。
「そうなんだ。日本のトレーニングパートナーたちと一緒だよ(※後部座席に高木凌、ヒロヤが同席していた)」
高木凌 こんにちは。
ヒロヤ こんにちは。
――今週末にはハオーニ・バルセロスと戦います(※取材は10日に行われた)。今の気持ちを教えてください。
「最高だよ。キャンプが最高だったからね。どの試合でもヘルシーで、ハングリーであることが重要で。その状態を保っているから、エネルギーが満ち満ちてくる」
――14カ月ものオフを経て、今週末のファイトとなります。コディ・ガーブラントではなければ32歳のファイターが1年以上のブランクがあったとしても『引退』や『UFCで最後の試合になる』という雑音を聞かされることはないと思います。
「そういう意見も聞いているよ。それだけなく、ドラッグがどうこうだとかネガティブなことも言われ続けている。世の中は、そういう意見に覆われているんだ。でも、構わない。僕はいつだって自分を信じているから。
僕は人生の節目において、常にそういう風に悪く言われてきた。でも最終的には自分は何者か、僕が一番分かっている。そしてケージに上がって、自分が何者かを証明するんだ。僕はMMAを愛しているし、世界チャンピオンとして最高の時を過ごした。と同時に、色々なことを学んできた。ファイトって、本当にタフなんだよ。
前回の試合、デイヴィソン・フィゲイレド戦でも初回は良いように戦えていたけど、2RにRNCで敗れた。でも、健康であることが今の僕には一番大切なことで。体があってこそ、追い込んでファイトに向かうことできる。それが僕らしさといえ、ファンにとっても最高のKO勝ちに通じているんだ」
――ヘルシーであること。戦い続けることで心のヘルシーさを保てるということもありますか。
「その通りだ。体の健康と心の健康によって、バランスをキープできる。気持ちに問題があれば、ちゃんと練習することもできない。それは体のケガも同じで。自分をプッシュできないと、このタフなスポーツを続けることはできないからね。だからさっきも言ったように健康が一番で、自分を信じて、チームの皆に支えてもらってケージに向かうんだ。
日々、自分でコントロールできるところはコントロールして。毎日の練習を昇華させていく。健康かつ成長を感じることができてこそ、戦える。そうやって1カ月半を過ごしてコーチ、チームの皆とファイトの日を迎えることができる。
前回の試合から課題を見つけて、取り組んできた。UFC PIのドクターにも支えてもらった。そうやって再び、戦いの場に戻ることができた。この14カ月間、色々なことをいわれてきたけど、このファイトウィークもヘルシーでエナジーが満ちているよ」
――25歳でUFC世界王者となり、このスポーツの頂点を究めた。そして王座転落後の8年間は、厳しい時間を経験している。それでいて、今話してくれたように戦い続けるモチベーションを如何に持ち続けることができるのですか。
「何度も何度も、自分との戦いを繰り返してきた。成長すること……成長したいと毎朝起きた時に思えるか。課題を課して、そこを乗り越えようと思えるのか。僕にとって毎日が新しい挑戦だ。それが僕の人生なんだ。何度も負けようが、そう思えるのか。言い訳をしたくなることもある。でもファイトライフは決して長くない。限られた日々をエンジョイするんだ。練習はいつだって、最高というわけにはいかない。良くない日だってある。でも、またジムに戻る。
マットに足が向かえば、そこには兄弟といえるチームメイトが待っている。皆と夢、情熱を共有している。だから戦い続けることができるんだよ」
――押忍。素晴らしいですね。そんな日々を過ごしてオクタゴンを共有するハオーニの印象を教えてください。
「経験豊かな素晴らしいファイターで、2連勝中だ。UFCというタフな環境で、長い間戦い続けている猛者だよ。最高にエキサイティングな試合になるだろう」
――ベテランのハオーニが、打撃寄りからグラップリング寄りのファイトを前回は見せました。
「それはペイトン・タルボットにグラップリング面で穴があったからだろう。対戦相手によって、そこはアジャストして相手の弱点をついていた。何より、もともと柔術の黒帯だからああいう試合もできて然りだ。自信のあるところで戦っている。
僕も同じだ。自分のスキルを信じているし、これまで通り速いペースで戦う」
――ファンにどのような戦いを見せたいですか。
「勇気、心、規律、MMA愛かな」
――コディ、今日は忙しいなかありがとうございました。ここで高木選手とヒロヤ選手にコディって、どんな人か伺って良いですか。
「もちろんだよ」
ヒロヤ コディはとてもテイクダウンディフェンスが強くて、日本人にはない打撃のスピードがあります。人間的にも最高で、めちゃくちゃ優しいです。
高木 自分は練習はこれから一緒にやることになるのですが、人としてイケイケで最高です。凄く優しくて。想像していた5倍は優しいです(笑)。そして色々、デカいです。
ヒロヤ 色々なところが大きいです(笑)。
――色々なところですね。なるほどです。ではコディ、最後に日本のファンに一言お願いできますか。
「彼らが何か日本語を教えてくれたんだよ。なんだっけな……。応援いつもありがとう。〇〇〇〇、見せて」
高木 アハハハハハハハハ。
ヒロヤ ヤバい(笑)。
「オハイオ出身の田舎者には、意味が分からないんだけど(笑)。それがGood Byeだって教えてもらったんだ」
――いやぁ……もう中学生のノリですね(苦笑)。
「とにかく僕は日本のファンの応援に感謝している。日本はいつだって僕にとって最高の場所なんだ。なんせ、初めての海外が東京だったから。あの時に触れたファンの皆、食事、文化と僕の目を広くしてくれた。相撲レスラーのトレーニングも見させてもらったよ。それから日本人ファイターとも、よく練習してきた。
そうだ、ヒロヤの試合の時は日本に行きたいと思っている。その時にまた皆と触れ合いたいね」
■視聴方法(予定)
6月15日(日・日本時間)
午前8時00分~UFC FIGHT PASS
午前7時45分~U-NEXT
■UFC ESPN69対戦カード
<ウェルター級/5分5R>
カマル・ウスマン(米国)
ジョアキン・バックリー(米国)
<女子フライ級/5分3R>
ローズ・ナマジュナス(米国)
ミランダ・マーヴェリック(米国)
<ミドル級/5分3R>
エドマン・シャバジアン(米国)
アンドレ・ペトロスキー(米国)
<バンタム級/5分3R>
コディ・ガーブラント(米国)
ハオーニ・バルロセス(ブラジル)
<ミドル級/5分3R>
コディ・ブランデージ(米国)
マンスール・アブドゥルマリック(米国)
<ライトヘビー級/5分3R>
アロンゾ・メニフィールド(米国)
ウマル・シ(フランス)
<ライトヘビー級/5分3R>
ポール・クレイグ(英国)
ホドルフォ・ベラート(ブラジル)
<ウェルター級/5分3R>
マイケル・キエーサ(米国)
コート・マッギー(米国)
<バンタム級/5分3R>
マルコム・ウェルメーカー(米国)
クリス・モウティーニョ(米国)
<フライ級/5分3R>
コディ・デーデン(米国)
ホセ・オチョア(ペルー)
<バンタム級/5分3R>
リッキー・シモン(米国)
キャメロン・スマーザーマン(米国)
<ウェルター級/5分3R>
フィル・ロウ(米国)
アンジェ・ルーザ(スイス)
<女子フライ級/5分3R>
ヴァネッサ・デモポウロス(ギリシャ)
ジェイミーリン・ホース(カナダ)