【DEEP Tokyo Impact2023#06】ハリーKIMURA戦へ、肉体改造=赤沢幸典─01─「『電池がないと…』」
【写真】これで期待するな──というのが、無理。いよいよ、ポテンシャル前回となるか(C)MMAPLANET & YUKINORI AKAZAWA
23日(木・祝)、東京都港区のニューピアホールで開催されるDEEP Tokyo Impact2023#06で、赤沢幸典がハリーKIMURAと対戦する。
Text by Shojiro Kameike
昨年11月のDEEP暫定メガトン級王座決定戦、そして今年2月のDEEP×Black Combat対抗戦と2連敗を喫した赤沢は現在、肉体改造に取り組んでいる。SNSにアップされるビルドアップされた肉体――赤沢の中でどのような変化があったのか。ハリー戦直前の赤沢に、その肉体改造について訊いた。
――赤沢選手といえば、ここ最近はSNSでビルドアップされた体とトレーニング風景をアップされています。体つきの変化が凄いですね。
「今年2月にブラックコンバットとDEEPの対抗戦で敗れて、4月1日から今のトレーニングをスタートしました。あの負けで『何かを変えないといけない』と思い、山田崇太郎さんに肉体改造について相談して、パーソナルトレーニングをお願いしました」
――MMAの中には様々な要素があります。その中で肉体改造を選んだ理由は何だったのでしょうか。
「僕は普段からいろんな選手のコーチをしています。他の人よりもMMAに関する知識を持っているから教えることができるし、その選手を勝たせることもできると思うんです。でも自分自身の試合に対しては、良いアンサーを出すことができていない。それは何故なんだろうと山田さんに相談しました。すると――たとえばiPhoneって高性能じゃないですか」
――……はい。
「でも電池が5%しかないと、カメラも使えない。山田さんにそう言われたんですよ。『確かにお前はGSPに習ったり、他から学んできたことを器用にこなすことができる。戦略も正しい。でも電池がないから、カメラすら使えない状態だよね』と」
――なるほど! せっかく持っているものを使いこなすための体力が備わっていないということですね。
「そう言われて、最初は『えっ!?』と思いました。『そんなことないでしょ』って。練習していても疲れることはないし。でもブラックコンバットの試合や、他の試合について思い返してみても、体力が足りないから思考できていない。苦しい時――たとえば息を止めてみると、30秒はいろいろ考えることができます。でも1分や1分30秒を過ぎると、考えることができなくなる。
ただ息をすることだけを考えるようになりますよね。でも体力があれば考えることができる時間を伸ばせるし、その分僕が持っている知識を生かすことができる。そのためには人よりも体力がないといけないって山田さんに言われて。『そんな自分を変えていただけるなら……』と、山田さんにパーソナルトレーニングをお願いしました」
――ということは体力面、まず内側を鍛えていたら外見もビルドアップされてきたのですね。
「正確には体重が23~24キロ落ちました」
――えっ!? それは凄いですね。
「体重のピーク時は124キロぐらいあったのですが、一番落ちた時は100キロを切りました。今はそこからまた少しずつ体重を増やしていて、107キロぐらいになっています」
――山田崇太郎トレーナーの指導はキツいと聞きますが、いかがですか。
「格闘技業界でも有名だと思いますけど、とにかくキツいです。みんな山田さんのところへ行っても、1回か2回で辞めてしまったりとか。僕もナメていたというか――『まぁカナダにも行っていたし、いろいろ知っているぜ~』と斜に構えていた部分もあったんですよ。でも山田さんのトレーニングの1回目でボコボコに追い詰められて……僕、泣いちゃいましたから(苦笑)」
――それほどまでにキツいトレーニングなのですか!
「自分も31歳になって、トレーニングで泣いてしまいました」
――それまでは体力面やフィジカルトレーニングに取り組むことは少なかったのですか。
「ちょうど僕がカナダへ行く頃、日本でもボディビルやフィジークの文化が広まってきて、見よう見まねで自分もやっていました。だけど食事の面については何も分かっておらず、脂肪もついて太っていくという状態で。あとはGSPがトレーナーさんを紹介してくれて、メニューをつくってもらうこともありました。ただ、自分自身でお金を払って僕にフォーカスしたトレーニングメニューを組んでもらうことはなかったです」
――4月から山田トレーナーの指導を受けて、いつ頃から効果を感じ始めましたか。
「5月のはじめには体重も5キロぐらい落ちていましたし、何より練習で疲れを感じることが減っていました。普段はGENスポーツアカデミーで練習させてもらっていて、あそこには日本MMAの重量級ファイターが集まっているじゃないですか。そんな人たちの中でも『相手は疲れているのに自分は疲れていない』と思うことが多くなってきて。まず体重が落ちたことは大きかったです。今までは『ヘビー級で体重が3キロや4キロ違ったからといって、何が変わるんだ?』と思っていました」
――3キロ、4キロは誤差の範囲だと。
「はい(笑)。でもそれが誤差じゃなかったんですよ。『体重が3~4キロ違うだけで、こんなにも変わるものなのか』と実感できました」
――自分のベスト体重が何キロなのかは、自身ではなかなか分からないでしょう。
「筋量によって違いますからね。あと、筋力はあるけど筋量がないというパターンもあって。体つきはしっかりしているのに疲れやすい人というのは、持っている筋力を使いこなせる筋量がなかったり。
GSPのところにいた時、トレーナーのフィラス・ザハビは『筋力トレーニングをしたら体が重くなって選手としては終わりだ』と言っていました。でも今考えると、世界レベルのコーチでもフィジカルトレーニングに関しては、当時そこまで深堀りしていなかったのかもしれないです。もちろんトレーナーさん全員と関わっているわけではないので、一概には言えないですけど……」
――山田トレーナーの場合は格闘技選手+フィジカルトレーナーという強みはありますね。
「山田さんはGENでも一緒に練習していて、僕の動きを見てから当日のトレーニング内容を決めるそうなんですね。僕の動きを細かく分析して、修正していくことも大事ということで。だから成果が出るのが早いと思います。
あとは怪我をしていても、できないトレーニングはない。たとえば『肩を痛めていて動かない』と言ったら、『大丈夫。これなら、ここは動くから、この器具を使えばトレーニングできる』というアンサーがあって。しかも練習していて怪我をしなくなりました」
――それだけハードな練習をしていながら……。
「それだけトレーニングしていたら怪我するよ、って言われるぐらいトレーニングしていて逆に怪我をしなくなりました(笑)。岡見(勇信)さんにも『自分が若くて一番体を動かせていた時期でも、今の赤沢のトレーニングはこなせない』と言われて。もちろん自分をおだてるために言っているのでしょうけど、そう言われると自分でも安心できました」
<この項、続く>
■視聴方法(予定)
11月23日(木・祝)
午後5時5分~DEEP チャンネル-YouTube
■ DEEP TOKYO IMPACT2023#06対戦カード
<メガトン級/5分3R>
水野竜也(日本)
SAINT(米国)
<メガトン級/5分3R>
赤沢幸典(日本)
ハリーKIMURA(豪州)
<メガトン級/5分2R>
稲田将(日本)
トーマス(米国)
<ウェルター級/5分2R>
嶋田伊吹(日本)
鈴木琢仁(日本)
<フライ級/5分2R>
島袋チカラ(日本)
京之介(日本)
<フライ級/5分2R>
安永吏成(日本)
坂本岳(日本)
<ウェルター級/5分2R>
前田啓伍(日本)
山田聖真(日本)
<バンタム級/5分2R>
岩見凌(日本)
生田大雅(日本)
<ライト級/5分2R>
BAGGIO(日本)
宮本誠一(日本)
<メガトン級/5分2R>
JUICY(日本)
Peach(日本)
<アマチュア・キック52キロ契約/1分30秒2R>
横江明日香(日本)
島村優花(日本)
<アマチュア・フェザー級/3分2R>
森下智紀(日本)
島次亜瑠(日本)