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【UFC193】付け入る隙なし。女子ストロー級王者イェンジェチックは全局面万能型ムエタイ戦士

Joanna Jedrzejczyk【写真】普段は非常に愛くるしさを併せ持つ美貌の持ち主だが、オクタゴンの中に入るとこれほど怖い女性もいまい (C)MMAPLANET

15日(日・現地時間)、豪州メルボルンのエティハド・スタジアムで行われるUFC193「Rousey vs Holm」。メインの世界女子バンタム級選手権試合=ロンダ・ラウンジー×ホーリー・ホルムと並び、セミでも女子の世界戦=ストロー級選手権試合が組まれている。

今年3月のUFC185でカーラ・エスパルザを破り、キャリア9戦目で世界の頂点に立ったヨアナ・イェンジェチックは、6月にジェシカ・ペネを下し初防衛に成功。米国女子ストロー級ツートップを早々に駆逐したことになる。

これら2つの試合は壊滅的なダメージをヨアナの打撃が両者に与えたため、試合内容が凄惨に映るほどだった。それだけヨアナの打撃はUFCにあっても他を圧倒している。母国ポーランドでムエタイを始めると、タイに2年、そしてオランダではアーネスト・ホーストの下で3年間ダッチ・キックボクシングの修行を積んでいるヨアナ。この間、日本のJ-GIRLSでWCJ世界フェザー級王座を獲得したのを始め、欧州と世界の冠を持つベルトを6本巻いている。

そんな一流のストライカーであるヨアナの打撃が、本物なのは当然。しっかりと距離を作り、左ジャブで牽制。強烈な右ストレートに加え、KOパワーを秘めた前蹴りが飛んでくるために対戦相手のテイクダウンの距離も遠くなる。そのうえテイクダウン・ディフェンス&スクランブルを強化したことで、上に挙げたように他を寄せ付けぬ打撃をオクタゴンで見せつけている。

加えてスプロールやがぶりといった展開で、ムエタイの首相撲を融合させ少しでもスペースが空くと、エルボーやヒザを打ち込むというファイトスタイルは、男子の試合でもあまり見ることができない。いってみればヨアナは全局面万能型ムエタイ戦士ということができる。

挑戦者のヴァラリ―・レターノーもボクシングとキックがベースのファイターだが、その技の切れは残念ながらヨアナには遠く及ばない。元はバンタム級でフィジカル的に優位という見方も成り立つものの、その分スピードが足りないという見方も成り立つ。ここまでのオクラゴン3勝と結果を残しているが、打撃の破壊力自体がヨアナとはかなり差があるとしか判断のしようがない。

美貌の東欧女子対決となるべきズッファも期待していただろうマリナ・モロズを破ったことで挑戦権を手にしたレターノーだが、どこまで持ちこたえることができるのかというのが、正直なところだ。

■ UFC193対戦カード

<UFC世界女子バンタム級選手権試合/5分5R>
[王者] ロンダ・ラウジー(米国)
[挑戦者] ホーリー・ホルム(米国/7位)

<UFC世界女子ストロー級選手権試合/5分5R>
[王者] ヨアナ・イェンジェチック(ポーランド)
[挑戦者] ヴァラリー・レターノー(カナダ/9位)

<ヘビー級/5分3R>
マーク・ハント(ニュージーランド/8位)
アントニオ・ペイザォン・シウバ(ブラジル/11位)

<ミドル級/5分3R>
ロバート・ワイッタカー(豪州/14位)
ユライア・ホール(米国/10位)

<ヘビー級/5分3R>
ステファン・シュトルーフ(オランダ/14位)
ジャレッド・ロショルト(米国)

<ライト級/5分3R>
ジェイク・マシューズ(豪州)
アクバル・アレオラ(メキシコ)

<ウェルター級/5分3R>
カイル・ノーク(豪州)
ペーター・ゾボタ(ドイツ)

<ライトヘビー級/5分3R>
アンソニー・ペロシュ(豪州)
ジャン・ヴィランテ(米国)

<フライ級/5分3R>
リッチー・ヴァスリック(豪州)
ダニー・マルチネス(米国)

<ウェルター級/5分3R>
アントン・ザフィア(豪州)
ジェイムス・ムンタスリ(米国)

<ウェルター級/5分3R>
リチャード・ウォルシュ(豪州)
スティーブ・ケネディ(豪州)

<ミドル級/5分3R>
ダン・ケリー(豪州)
スティーブ・モンゴメリー(米国)

<フライ級/5分3R>
ベン・ウェン(米国)
ライアン・ベノイ(米国)

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