【Bellator145】冴え渡る左、絶妙の距離感。ストラウスがフレイレ下し新フェザー級王者に
<Bellator世界フェザー級選手権試合/5分5R>
ダニエル・ストラウス(米国)
Def.3-0:49-46.48-47.48-47
パトリシオ・フレイレ(ブラジル)
左ストレートを伸ばすストラウス、フレイレは距離を取りつつローキックも空振りに。慎重な立ち上がりのなかでフレイレは大きく踏み込んで右のフェイントを見せる。ストラウスの左の空振りの直後に距離を詰めて組みに行ったフレイレだが、すぐに自ら離れる。左ストレートからダブルレッグを仕掛けたストラウスをいなして上を取りかけるフレイレ。離れたストラウスのテイクダウン狙いに、何度も頭を押して態勢を入れ替えようという動きを見せる。
その流れのなかでフレイレがヒザ蹴りを顔面に突き上げると、ストラウスが離れる。ストラウスは左ミドル、フレイレの前進に右を合わせようとする。続くワンツーから組み付いたストラウスが、初めて尻餅をつかせる。すぐに立ち上がったフレイレだが、ヒザ蹴りを受けそうに。続く組みの展開で、オーバーフック&ボディへのヒザ蹴りを見せたチャレンジャーが接戦を制すラウンドとなったか。
2R、右ジャブから左ストレートを伸ばすストラウス、スウェイ気味によけるフレイレはこの姿勢で組まれると厳しいか。ハイキックからダブルレッグはスプロールしたフレイレがケージにストラウスを押し込むも、エルボーを被弾する。2分を経過した頃、右ジャブから左ストレートを打ちぬいたストラウスがダウンを奪う。ガードを取ったフレイレは腕十字もスラムされ、パウンドの追撃を受ける。
ここでラッシュを掛けず抑えにいったストラウスに対し、フレイレはキムラクラッチ。防いだストラウスは、がぶってパンチを続ける。フレイレは立ち上がると右エルボーを入れ、左右のフックを打ち込んで距離を取り直す。ストラウスは左ハイ、フレイレがキャッチするがパンチを受けそうになってリリースしたところで、ストラウスのビッグラウンドが終了した。
3R、引き続き右から伸びのある左ストレートをヒットさせたストラウス。一瞬、動きの止まったフレイレだが、乱打戦のなかでの強さがあるだけに無暗に打ち合わない。引き続きストラウスは勢いのある左を打ち込んで、続く局面でシングルレッグを仕掛ける。確実にポイントを取りにいくストラウス、これをカットしたフレイレがレンジの外に置く。ロングの左からショートの左を入れたストラウスは、フレイレが前に出るとスッと距離を取る。フレイレも右を入れるが、ストラウスが思い切りアッパーを狙う。
左ストレートから組みを織り交ぜ、再度左をみせるストラウスが、テイクダウンを仕掛けてより安全な試合を心掛けているようだ。直後にストラウスの伸ばした右がアイポークになり、試合が中断する。再開後、左を被弾しながら前に出るフレイレだが、このラウンドも失ったか。
4R、ストラウスのテイクダウン狙いを切ったフレイレ。離れ際にストラウスが左を入れる。ワンツーから左右のフック、そして左ストレートと遠い距離だけでなく、接近戦も支配するストラウス。ストラウスの頭が当たってもう一度試合が止まり、再開するとストラウスのロングにフレイレも右を合わせていく。前に出てくるフレイレを左ストレートで突き放すストラウスが、左フックをガードの上から放っていく。それでも前に出続けるフレイレがパンチを纏めると、ストラウスのテイクダウン狙いをクレイドルからシングル。
離れたストラウスがジャブを伸ばすも、フレイレのパンチに下がるシーンも目立ってくる。足を止めての打ち合いに応じあるようになったストラウスは、スタミナが切れてきたか。フレイレのテイクダウン狙いを切ったものの、終盤に攻められた印象を残した4Rとなった。
最終回、フィニッシュするしか防衛の目がないフレイレが前に出る。パンチを入れてテイクダウン狙いも、ストラウスががぶって流れを遮断する。時間をロスしたフレイレは離れて右ハイから右ストレートを伸ばす。さらに組んでヒザ、シングルレッグからバックに回ったフレイレは両足をフックへ。背中を丸めたストラウスが、腕を入れられないよう頭を抱えてディフェンス。フレイレは鉄槌を入れながらバックコントロールに。左のパンチを入れるフレイレが、ストラウスの立ち上がり際にもう一度足を入れるが、ストラウスが胸を合わせることに成功する。
残り1分、スピニングバックフィストは空振りとなった王者はフックの打ち合いに持ち込む。ストラウスもパンチを返し、ヒザ蹴りも見せる。フレイレもエルボーからパンチ、ヒザを見せ、最後は足を止めての壮絶な打ち合いに。ストラウスがよろけたところで、試合終了の合図が打ち鳴らされる。
RNCでよもやという場面を見せたフレイレだが、ラウンドを取れたのはこの最終回のみか。結果、ダニエル・ストラウスが3‐0の判定勝ちで3度目の正直を果たしフレイレに勝利、新ベラトール世界フェザー級のベルトを巻いた。新チャンピオンは「5Rに両足をフックされた時? 練習を積んでいたし、落ち着いて戦ったよ」と語った。