【Bellator138】狂犬パトリシオ・フレイレ×納豆戦法ダニエル・ヴェイケル
【写真】ピッチブルの異名通り、獰猛なまでにアグレッシブな王者フレイレ。対照的に相手の戦いに合わせる粘り腰の挑戦者ヴェイケル、包容力にも似た対応力を持つチャレンジャーだ(C)GONGKAKUTOGI & BELLATOR
19日(金・現地時間)、ミズーリ州セントルイスのスコットトレード・センターで開催されるBellator 138「Unfinished Business」。キンボ・スライス×ケン・シャムロックの旧ビッグネーム対決がメインの同大会では、現在進行形の頂上決戦=フェザー級選手権試合も組まれている。
王者パトリシオ・フレイレは昨年9月にパット・カーランへの2度目の挑戦で王座を奪取し、今年の1月に元王者のダニエル・ストラウスをRNCで下し初防衛に成功している。ブラジルのMMAどころリオグランジドノルチ州ナタウの出身、兄パトリッキーとともに同地の名門キオト・アカデミーで柔術&バーリトゥードを学び、15歳で初リングを経験している。
古豪フランシスコ・マンスール直系の柔術をベースに、その外見からも伝わってくる闘争本能の強さで頭角を現すと、ミノタウロ・ノゲイラの目に掛かりチーム・ノゲイラ入り、現在はでブラックハウスのマネージメントで戦うフレイレ。
現代MMAで有利とされる上背はなく、リーチに恵まれたタイプでもない。結果、距離感に優れ鋭い踏み込みから放たれるパンチを磨いてきた。回転数の速いコンビネーションと一発のパワー、メリハリの効いたアグレッシブな打撃にテイクダウンを織り交ぜる王者フレイレは、一旦グラウンドに試合が移動すると、的確かつスピードに乗った柔術を見せることができる。
非UFCでは間違いなくトップにあるフレイレに臨むヴェイケルは、ドイツのマリオ・スタポルの下でMMAを始め、アマ修斗からキャリアを積んできた息の長いファイターだ。2003年、プロ2戦目でアレッシャンドリ・ペケーニョの愛弟子ドゥドゥ・ギマラリャエスをヒザ蹴りでKOし、この勝利で7カ月後に初来日のチャンスを手にする。日本で滝田J太郎に勝利した頃には、師スタポルが当時MMA界を席巻していたシュートボクセと関係を深めていたこともあり、首相撲からヒザ蹴りを主武器に加えるようになった。
その後は10年に渡りM-1など欧州の大会で37戦もキャリアを重ね──デニス・シヴァーに勝利したこともある──遂に2014年2月にBellatorで、北米メジャーで戦う機会を得る。ヴェイケルはほぼノーマークだったフェザー級トーナメントで優勝を果たすと、今年の2月に前王者カーランをスプリット判定で下し、ジョージ・カラキャニャンの負傷欠場により、代役ながら今回の挑戦権を手にした。
ヴェイケルにはこれといった大きな特徴はない。言ってみれば特徴の無さが特徴といえるが、一番の持ち味は我慢強い粘り腰のファイト。そして、どのようなタイプのファイターと戦っても対応できる。相手のペースで戦いながら、持前の粘り腰で受け流し、最後はバックからRNCに持ち込むのがヴェイケルのMMA。ドイツ産納豆戦法というべきヴェイケルが、フレイレの爆発力すら持ちこたえることができれば、Bellatorフェザー級のベルトが赤道&大西洋を越える可能性は十二分にある。
■ Blellator138対戦カード
<ヘビー級/5分3R>
キンボ・スライス(米国)
ケン・シャムロック(米国)
<Bellator世界フェザー級選手権試合/5分5R>
[王者] パトリシオ・フレイレ(ブラジル)
[挑戦者] ダニエル・ヴェイケル(ドイツ)
<ライト級/5分3R>
マイケル・チャンドラー(米国)
デレック・カンポス(米国)
<フェザー級/5分3R>
ダニエル・ストラウス(米国)
ヘンリー・コラレス(米国)
<ヘビー級/5分3R>
ボビー・ラシュリー(米国)
ダン・チャールズ(米国)
<フェザー級/5分3R>
ジャスティン・ローレンス(米国)
ショーン・ウィルソン(米国)
<フライ級/5分3R>
ダニエル・オコナー(米国)
マイルズ・マクドナルド(米国)
<ライト級/5分3R>
マルコム・スミス(米国)
ルーク・ネルソン(米国)
<ライト級/5分3R>
エリック・アーヴィン(米国)
ヒュー・プレイ(米国)
<バンタム級/5分3R>
AJ・シスコー(米国)
ギャレット・ミューラー(米国)
<ミドル級/5分3R>
ケイン・ロイヤー(米国)
エンリケ・ワトソン(米国)
<ウェルター級/5分3R>
スティーブン・マン(米国)
ジャスティン・グスリー(米国)
<ウェルター級/5分3R>
アダム・セラ(米国)
カイル・カーツ(米国)
<ウェルター級/5分3R>
ギャレット・グロス(米国)
クリス・ヒースリー(米国)