この星の格闘技を追いかける

【on this day in】4月24日──2010年

24 04 10【写真】ドランカー?と思うところもあるが、16歳も歳の離れた若いファイターと、その後、エロ話で大笑いできるような間柄になるとは、この頃は思いもしていなかった(C)MMAPLANET

Takeya Mizugaki in Old Sacramento Historic District
@カリフォルニア州サクラメント、オールドサクラメント
「5年前の今日、WECが唯一行ったPPV大会に出場した水垣偉弥はハニ・ヤヒーラから判定勝ちを収めた。大会後、マネージャーのシュウ・ヒラタさん、セコンドのBJ君、そして2時間半ほど離れたサンノゼ在住のフミ石井さんと一緒にフーターズで勝利の晩餐会を催していた。当時、僕らの間ではまだスムーズな会話もなく、同席したことをチョッピリ後悔してしまうような居心地の悪さがあった。この試合前、寝技に難のある彼がハニに勝つのは、実際のところ難しいと思っていた。テイクダウンを切り続け、疲れて引き込むような展開に持ち込むことが重要。そのために打撃のプレッシャーを与え続ける必要がある。水垣が勝利を掴むには凹んだ部分(苦手分野)を浅くするか、尖った部分(得意分野)をさらに伸ばすか──と試合前のプレビュー記事でも書いた記憶がある。結果、ハニに組まれても切り続け、バックを取られると胸を合わせ、逆に四つ組みからテイクダウンを奪った。パンチを入れ、水垣は最後までハニの距離で組み付かせなかった。この夜、きっと5年後の自分はWECの頂点に立っているか、もうMMAを引退していると考えていただろう。そして、凹んだ部分を浅くし、尖った部分を伸ばすだけでなく、幹となる肉体の強化にも取り組んだ。水垣はチャンピオンではないが、エースとなってオクタゴンに入り続けている。それも、残り数戦となるに違いない。自分のために泣ける男。チャラっぽいところがあるけど、芯はしっかりとしている──羊の皮を被らない狼のファイナルカウントダウンが始まる。センチにならずに見届けさせてもらおうじゃないか。現役を続けると言い切ったのだから」

on this day in──記者生活20年を終えた当サイト主管・髙島学がいわゆる、今日、何が起こったのか的に過去を振り返るコラム。自ら足を運んだ取材、アンカーとして執筆したレポートから思い出のワンシーンを抜粋してお届けします。

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