【RFC20】1年半振りの実戦で初防衛戦に臨むイ・ギルウ 「中途半端なスイッチは使わない方が良い」
【写真】成長一途の韓国MMA界、一番層の厚いバンタム級のROAD FC王者は戦績4勝4敗。数字で判断できない強さを持つ (C)MMAPLANET
14日(日・現地時間)にソウル・オリンピックホールで開催されるRFC20。メインでイ・ユンジュンの挑戦を受け、RFCバンタム級王座初防衛戦に臨むイ・ギルウ。
幼少の頃より喉にポリープが繰り返しできる難病と戦いながら、昨年6月に激戦区バンタム級の頂点に上り詰めた。しかし、その後も持病の悪化により長く実戦から離れていたチャンピオンが、この間に急成長を遂げた最強のチャレンジャーの挑戦を受ける。タイトル戦まで1週間、王者に心境を訊いた。
──昨年6月に王座奪取以来、1年半振りの実戦復帰となります。現在の体調、そして持病の方(※詳細は3月掲載のイ・ギルウ・インタビュー参照のこと)はいかがでしょうか。
「全て完璧の状態です。それを今回の試合で証明してみせます」
──イ・ユンジュン選手の印象を教えてください。彼はイ・ギルウ選手が王座を獲得した相手、ソン・ミンジョン選手にトーナメント準決勝で敗れています。
「ユンジュンは本当によく練習をしていて、かつ抜群のセンスを持っている後輩、ですね。いつかは(対戦相手として)当たる日が来ると思っていましたが、それがタイトルマッチになるとは……(笑)。ただ嬉しく思ってます」。
──バンタム級トーナメントの頃と、イ・ユンジュン選手のどこが一番変わったと思いますか。
「実力がかなり上がったとよく聞きますが、彼が一番直さないといけない部分、フィニッシュ力がまだ無いと思います。それは試合になれば分かると思います」
──そのなかでも最も警戒する攻撃を教えてください。
「キックですね。ただユンジュンのキックはあまり自分には当たらないでしょう。最近、オーソドックスサウスポーも取り入れていますが、完璧に使いこなせないなら、使わない方が良い。打撃は自分の得意分野なので惑わされません」
──逆に付け入る隙になる?
「ご存知の通り、ユンジュンは打撃のディフェンスが弱いじゃないですか。そのため逃げながら打撃を繰り出し、頭を下げながら打つ。これは直した方が良い。それを直せば、次のステージにいけると思います」
──この試合に向けて、所属するチームSAABIで特別な練習を行っていれば教えてください。
「クリンチ対策をやってきました。自分はクリンチ、組みが本当に嫌いだったのですが、なぜか他の選手は皆、自分と組みたがります。ただ最近はクリンチからの流れで勝つ試合を見ながら、よく学んでいます。UFC世界ライト級王者アンソニー・ペティスがギルバート・メレンデスに勝った試合もそうでしたが」
──出稽古も行っていますか。
「練習はSSABIでしかやっていません。全ての練習をSSABIでこなすことが出来るので。監督も夜遅くまで指導してくれ、打撃はウォンシンさん、レスリングはSSABIレスリングコーチのチョ・ビョングァン(元北京オリンピック韓国代表、2002釜山アジア大会74キロ級銀メダリスト)、柔術は他の一般の生徒とともスパーを多くやっています」
──1年半振りの実戦、どこに一番気を付けないといけないと思っていますか。
「気を付けることはありません。ただタイトルを守ることが重要なのか、そういうことを考えず、がむしゃらに戦うべきかは悩みます。以前はチャンピオンになることが夢でした。でも、もうそれを達成している今はプレッシャーもありません。「永遠のチャンピオンなんていないよ」と周りからも言われています。ただ失神KO勝ちの快感などもう一度味わえたら良いですね」
──減量も1年半振りです。体重は順調に落ちていますか。それとも、最後に一気に落とすのでしょうか。
「体重はあと6日で計量ですが、残り8キロといったところです。元々、我慢強い性格なので問題なく落とせるでしょう。前にサウナに入って1時間半で3.2kg落としたこともあります」
──韓国人選手は、計量前夜からサウナに籠って大幅に体重を落とすイメージがありますが、イ・ギルウ選手はどのような体重の落とし方をしていますか。
「自分は最後の1週間で一気に体重を落とすスタイルです。今回のように残り8キロほどの状態で、食事と水分の摂取量を減らしながら、少しずつ一日一日体重を落とし、前日にあと5キロの状態にします。そして、動いて4キロ程度落とし、その後は何も摂らずにただ疲れをとるために計量まで休みます」
──最後まで動ける力を残しているのですね。では初防衛後、どのようなキャリアを積んでいきたいですか。
「どのような結果になっても、まずユンジュンとメシを食いに行くなり、一緒に酒を飲みに行きたいです」
■RFC20対戦カード
<ROAD FCバンタム級選手権試合/5分3R>
[王者] イ・ギルウ(韓国)
[挑戦者] イ・ユンジュン(韓国)
<女子アトム級/5分2R>
ソン・ガヨン(韓国)
高野聡美(日本)
<ミドル級/5分3R>
パク・ジョンギョ(韓国)
ソン・ヘソク(韓国)
<バンタム級/5分2R>
キム・ミンウ(韓国)
ムン・ジェフン(韓国)
<バンタム級/5分2R>
パク・ヒョングン(韓国)
ハン・イムン(韓国)
<80キロ契約/5分2R>
キム・デファン(韓国)
ダグラス・コバヤシ(ブラジル)
■ Young Guns 19 対戦カード
<フライ級/5分2R>
山上幹臣(日本)
ユ・ジェナム(韓国)
<フェザー級/5分2R>
キム・ジヒョン(韓国)
チョ・ヨンスン(韓国)
<バンタム級/5分2R>
ジョン・ジンスク(韓国)
ジョン・ジュンホ(韓国)
<バンタム級/5分2R>
キム・デミョン(韓国)
チェ・ムソン(韓国)
<ライト級/5分2R>
ムングントスズ・ナンディンエルデン(モンゴル)
アン・ジュンヨン(韓国)
<ライト級/5分2R>
パク・チョンイル(韓国)
キム・イサク(韓国)
<フェザー級/5分2R>
イ・サンヒョン(韓国)
キ・ウォンビン(韓国)