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【Interview】RFCバンタム級王者イ・ギルウ「石渡選手と戦いたい」

Lee Kil-woo

【写真】自ら経営するSsabiMMAでRFCのベルトとともに。サビMMAは東京でいえば新宿や渋谷に当たるホンデという一等地にある(C)MMAPLANET

UFCファイター、カン・ギョンホに続きRoad FCバンタム級王者となったイ・ギルウ。成長著しい韓国MMA界で最も層の厚いバンタム級の頂点に立つ。そんな彼はサッカー選手になる夢を諦めなければならなかった喉の病気と今も戦い続けている。

現在発売中のFight&Life Vol41では、イ・ギルウが共同運営するサビMMAなど、ソウルのMMAの現状を紹介した「Fight&Life 格闘紀行=ソウル編」が掲載されています。『0』から蘇ったソウルのMMA。その象徴といえるイ・ギルウのインタビューをお届けしたい。

──イ・ギルウ選手は何度も日本にやってきた経験があります。そんなイ・ギルウ選手は、最近の韓国のMMAの盛り上がりをどのように捉えていますか。

「4度ほど日本に行ったことがあります。SRCに2度、DEEPに1度、それとGladiatorで試合をしました。韓国ではRFCが定期的に試合を開催してくれるようになり、ジムも規模が大きくなっています。何よりも選手が試合の機会が増えたことで力をつけてきたと思います。以前は、韓国人選手は日本や他の国からのオファーを待つしかなかったのですが、いつ声が掛かるか分からない状況でした。

選手も普段は仕事をしており、試合が決まってから練習を始めるような形だったので、常に練習している状況になったことが大きいです。ジム自体、RFCの試合に向けて練習している選手が多くなり、練習相手が必要になってきたので、常に試合を睨んだハードな練習が続いています。単純に練習時間が増えているので、以前より韓国人選手は強くなっていると思います」

──RFCバンタム級チャンピオンのイ・ギルウ選手ですが、王座決定トーナメント決勝前も対戦相手のソン・ミンジョン選手が有利だという声が多かったのも事実です。

「そういう声は多かったです。韓国国内だけでなく、日本の関係者もそう思っていたようです。そういう声が多くて、夢の中でも、いつも僕が負けていました。逆に発奮して練習もしましたし、あのような声があったおかげで、かなり力をつけることができました。

僕の夢はサッカー選手になることでした。ただし、喉に障害があって諦めないといけなかったんです。手術をして、格闘技を始めてからソウルで試合に出て、一度でも良いから日本で戦ってみたいという新しい夢を持つことができました。そのまま戦い続けたことで、RFCのチャンピオンになれました。このベルトは僕の夢であり、命です。

本当は2月に今年の第1戦を戦う予定でしたが、また喉の病気が再発して無理になりました。引退すべきか悩んでいたのですが、このベルトを目にして、自分がチャンピオンなんだという気持ちが湧き出てきて、負けていられないと思い直したんです」

──喉の手術はかなり繰り返されていると聞いています。

「声帯にポリーフが出来るのですが、切っても切ってもまた出来てしまいます。子供の頃は2カ月に一度ぐらい手術しないといけなくて、これまで合計25度の手術を繰り返してきました」

──……。本当ですか。そんなに大変な状況だったとは知らなかったです。

「放っておくと、癌になる可能性もあるので……」

──お医者さんはMMAで戦うことについては、どのようなことを言っていますか。

「やはり『辞めなさい』と言われています。ポリーフができると呼吸も普通にできなくなり、手術で切除すると問題なくなります。その繰り返しです。やはりポリーフがある時は、しっかりと練習できる体力もないですし、疲れやすくて……。また、手術をして防衛戦に臨もうと思います」

──イ・ギルウ選手の過酷な状況を理解したうえで、RFCとしてチャンピオンが試合にずっと出られない状況をどこまで寛容になれるかということはあると思います。

「ベルトも大切ですが、ベルトを返上しても、また取り戻せるチャンスはあります。自信もあります。だから、それよりも試合に出て、同じ症状で苦しむ人達に、僕が頑張ることで勇気を与えたい。その気持ちの方が大きいです」

──韓国のバンタム級は層が厚いです。一番ライバル視しているファイターは誰になりますか。

「カン・ギョンホ選手です。初代RFCバンタム級王者で、一足先にUFCで戦っています。カン・ギョンホ選手と戦った時、実は足首の具合が悪くなって、セコンドのタオル投入でTKO負けとなりました。あの試合の悔しさは、今も忘れていません。また、戦ってみたいです」

──イ・ギルウ選手が言われたように、今、カン・ギョンホ選手はUFCで戦っています。どのようなシチュエーションで再戦を行いたいですか。

「本音はUFCで戦いたいのですが、同じ韓国人選手同士の試合が組まれるとは思えないです。それにRFCで組まれた試合なので、RFCで決着をつけたいです」

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──RFCではなかなか結果が出ていないですが、韓国と同様に日本もバンタム級は層が厚いです。イ・ギルウ選手がRFCで戦ってみたい日本人選手はいますか。

「僕は勝ったと思ったのですが、日本で判定負けをした釜谷真選手と戦いたかったです。ただ、彼がRFCでイ・ユンジュン選手に負けたので、今は石渡(伸太郎)選手と戦いたいです。SRCではチョークで負けました。その後、どこかで石渡選手が、僕のことを『戦ったなかで、一番ハードパンチャーだった』と言ってくれたと聞きました。凄く嬉しかったですし、ぜひRFCで再戦をしたいと思っています」

──RFCとパンクラスのバンタム級王者対決ですね。

「戦えるなら、いつでも戦いたいです」

──パンクラスも5月からケージに移行されますが、また日本で戦うということは?

「僕はRFCのチャンピオンですから、一度、こっちで戦わないかと尋ねたいです。石渡選手もパンクラスのチャンピオンなのですが……。まぁ、タイトルを失う人が来るべきでしょう(笑)」

──ジョン・ムンホン代表が公言しているRFC日本大会での再戦というのも興味深いです。

「自分はジョン・ムンホン代表が戦えといえば、いつでも戦います」

──最後に喉の病気とも戦い続けるイ・ギルウ選手のMMAファイターとしての目標を教えてください。

「波乱万丈の末、MMAでチャンピオンになる目標を達成することができました。これからは、チャンピオンとして良い試合をして、TVにも進出したい。有名になりたいです。僕の病気は、その実態を余り理解されていません。僕自身、一見、障害があるように見えなくて、心を痛めるようなことを言われることも少なくなかったです。だから同じ症状の人が、世間の無理解に苦しんでいることを知っています。この障害を世間に知ってもらい、苦しんでいる人たちへの誤解を解きたい。彼らの力になりたいです。彼らの希望になること、それが僕の目標です」

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