【RFC】韓国MMA界の至宝イ・ユンジュンがキム・スーチョルと……地上波リアリティTVで復活へ動き出す
【写真】イ・ユンジュンがグローブをはめて再び、その雄姿を見せた。『僕は元バンタム級王者の』というテロップが見える(C)ROAD FC
韓国MMA界で最強、最高のファイターという誉を得ながら、昨年6月に脳梗塞で倒れた前ROAD FCバンタム級王者イ・ユンジュンが、この11月より放送の始まったロードFC版リアリティTVショー「コプオムヌンニョソクドゥル(※恐れを知らない者達)」のオーディションに参加、現役復帰へ動き始めた。
イ・ユンジュンの症状は当時、試合や練習で脳にダメージを受けたからでなく、脳以外の部位にある血管が詰まったことで脳梗塞に至ったという診断を受けていた。そして、完治には静養とリハビリが必要だということだった。
復帰に向けて体を動かしていた彼に対し、ロードFC関係者からも以前のような動きを取り戻せることはないだろうという意見があった。そのイ・ユンジュンが、ロードFCが韓国のジェネラル層への定着を目指す地上波=三大TV局のMBSによるリアリティTVショー・プログラム「コプオムヌンニョソクドゥル」に書類審査を経て、オーディション会場に集まった出演者の1人して姿を見せた。
11月11日(土・現地時間)より、零時45分に放送が始まった同プログラムは翌18日の第2回を経て、第3回から毎週金曜日の深夜・零時45分より放送されている。まずオーディション会場のマットスペースでは、応募者同士がスパーリングを行い、ジョン・ムンホン代表やクォン・アソルらが勝ち上がりを選び、そこでマスターと呼ばれるロードFC契約下選手との100秒間のスパーリングをし、合否が決まると言う流れだ。
ここをクリアした参加者は第3回放送よりスタートを切る、合宿生活に合流することになるのだがイ・ユンジュンはその第1回放送に登場し、まず同番組出演理由を語る様子が放送された。
「去年の6月に突然の脳梗塞で倒れてから、長い回復時間を持つことになりました。少しずつまた練習を始めていたので、まだ死んでいない、生きていることを知らせたかったです。
正直、少し辛い時間でしたけど、体を動かし始めながら、復帰のための努力をしてきて、今回のオーディションのお陰で、やっとまた格闘技ができるという希望が見えたようで、改めて上を見ていこう。また一生懸命に挑戦しようという思いで出ました」とコプオムヌンニョソクドゥルへの挑戦理由をイ・ユンジュンは語る。
そして完全に回復していないのに、MMAを戦っても大丈夫なのかという問い対しては、「一から十まで食事面、生活パターンを管理するようになり、練習も慎重にやりながらだったのでかなりの時間が経ってしまいましたが、またやれると思えるので続けています」と返答。
「嬉しさ半分、恐怖が半分です。まだ完調ではないので実際に戦ったら『KOされるかもしれない』という不安が少しあります」という振り返りVに続き、「元バンタム級王者のイ・ユンジュンです」と自己紹介をし、他の応募者と審査マッチを行った。
ここで明らかにブランクからくる、以前のような動きができないという印象を残したイ・ユンジュンだが、審査員からの「マスターとの試合を望むか」という問い掛けに当然のように応じ、その対戦相手が現ロードFCバンタム級王者で、練習仲間だったキム・スーチョルとの100秒スパーが第2週に放送された。
スーチョルとのスパー=オーディション審査後に「今日はしっかり動けていなかったと思います。久しぶりだったせいか、まだ完璧ではないということを感じさせられた試合でした。それでも歯を食い縛って戦いました。これからも今のように変わらずに前進します。また戦う機会を与えてくださったことに感謝します」とマイクで話した。
この後、バックステージで涙を流す模様が映し出され、第一次審査は終了。これより、イ・ユンジュンとコプオムヌンニョソクドゥルは──合宿という二次審査のステージへ突入していく。その合宿にはクォン・アソルの実弟も参加している。
復帰へ動き始めたイ・ユンジュンがMMAPLANETのために以下のように電話インタビューに答えてくれた。
──現状、コンディションはどのような感じですか。
「かなり良くなりました。練習も今では以前と同じように行うこともできています」
「不安はありましたけど、大分回復したので。とにかく試合復帰に向けて動きたかったので、出ることにしました。
元チャンピオンだから出られたという声もありますが、僕自身は完全にゼロから始めるつもりで出ました」
──イ・ユンジュン選手は日本のMMAファンにとっても、特別なファイターです。
「日本で僕のことをまだ覚えていてくれる方々がいることがとても嬉しいです。完全復帰に向けて動いています。その日もそう遠くはないと信じています。もう少しだけ、待ってください。また、日本の皆さんに喜んでもらえる格好良い試合をお見せしますッ!!」