【UFN55】完成度高めるロックホールドに対し、ビスピンが講じる手段は……
【写真】勢いがあるのはロックホールド。ビスピンはエキサイティングな試合モードでは、その勢いを止めることは難しい (C)MMAPLANET
8日(土・現地時間)、豪州ニューサウスウェールズ州シドニーのオールフォンズ・アリーナでUFC Fight Night 55「Rockhold vs Bisping」が行われる。メインは大会名にある通りミドル級のルーク・ロックホールド×マイケル・ビスピンの一戦が組まれている。
ビスピンといえば、試合前の丁丁発止のやり取りは通常化しているが、この両者に関してはロックホールドらStrikefroce勢がUFCへの移籍が決まった2012年末に因縁は始まっている。ビスピンがロックホールドと練習したときのことを踏まえて「俺がストライクフォースの非公式チャンピオンになったようなもの」と先制口撃をしたことから、今に至るまでなにかと言い争いを続けてきた。
ロックホールドもまた、近々の煽り番組のなかでも「ヤツを黙らせたい。僕はダニエル・コーミエー、ケイン・ベラスケスという世界のベストファイターで練習している。奴は誰と練習している? 僕は2015年にチャンピオンになる」とビスピンを歯牙にもかけないような言葉を発している。
多分にショーマン的要素をもって、自らのポジションも維持しようとしているビスピンに対し、ロックホールドの言葉は落ち着いた自信の表れのようにも感じられる。ストライクフォース世界王者としてオクタゴン入りを果たした初戦こそ、ヴィトー・ベウフォートの後ろ回し蹴りに敗れたロックホールドだが、その後はコスタ・フィリポウをミドルキック一発でKO、ティム・ボッシュ戦は横三角絞めで一本を奪うなど、常に試合中にアップデートを見せている。
組技の強さは、そもそもストライクフォース・デビュー時から定評があった。課題の打撃はまずは遠い距離からの攻撃と組技へのつなぎ、ジャカレ・ソウザ戦で見せたような徹底的に捌く動きを見せ、ディフェンシブな部分で力を伸ばしていった。ディフェンス能力が上がると、今度は蹴り技、さらにサウスポー特有の左ストレートに加え、右フックなどKOパワーを持つパンチを接近戦でも使えるようになった。打撃の能力が上がったことで、寝技もより力強くなったことはボッシュ戦の勝利でも明らかだ。
一方、ロックホールドでさえ認めるウェルラウンダーのビスピンだが、8月のカン・リー戦こそ打撃で圧倒しTKO勝ちを収めたものの、そこはオールドスクールの匂いがする戦いだったことは否定しようがない。何よりも、4月のティム・ケネディ戦で打撃の間合いを外され、テイクダウンからコントロールされ続けた試合が気になる。カン・リー戦では打ち勝った。ケネディは打ち合ってくれなかった。そして、ロックホールドは最初から打ち合うようなことはしない。ビスピンにフラストレーションを与える打撃戦をまずは見せるに違いない。ここでビスピンがロックホールドに打ち合いに応じさせるような試合の流れを作れるかどうか。
まずはポイントを先制すること。ただし、大きな一発を当てようと思うとロックホールド陣営の思うツボだ。大きな一発を見せておいて、距離を潰してケージコントロールに徹するなど、ロックホールドがやってこないと踏んでいる攻撃を仕掛けるのも手だ。ロックホールドのリズムを崩すには、ビスピンらしさを封印する必要も出てくる。ただし、それをやって負ければ、ビスピン=アグレッシブなファイターというイメージを壊す恐れもある。右肩上がりで完成度が上がるロックホールドに対して、ビスピンが仕掛ける生き残り策がどのようなモノになるのか、見ものだ。
■UFN55対戦カード
<ミドル級/5分5R>
ルーク・ロックホールド(米国/5位)
マイケル・ビスピン(英国/8位)
<ライト級/5分3R>
ロス・ピアソン(英国)
アル・イアキンタ(米国)
<ミドル級/5分3R>
ロバート・ワイッタカー(豪州)
クリントン・ヘスター(米国)
<ヘビー級/5分3R>
ソア・パラレイ(豪州)
ウォルト・ハリス(米国)
<ライト級/5分3R>
ジェイク・マシューズ(豪州)
ヴァグネル・ロハ(ブラジル)
<ライトヘビー級/5分3R>
アンソニー・ペロシュ(豪州)
グト・イノセンチ(ブラジル)
<ウェルター級/5分3R>
ディラン・アンドリュース(ニュージーランド)
サム・アルヴィー(米国)
<ウェルター級/5分3R>
ビク・グルジック(豪州)
クリス・クレメンツ(カナダ)
<フライ級/5分3R>
リッチー・ヴァスリック(豪州)
ルイス・スモルカ(米国)
<ミドル級/5分3R>
ルーク・ザクリッチ(米国)
ダニエル・ケリー(豪州)