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【BFC67】郷野聡寛×マイケル・チャンドラー、その攻略方法は?

Chandler

【写真】昨年11月にエディ・アルバレスを下し、BFC世界ライト級チャンピオンとなったマイケル・チャンドラー。フィジカルの強さが抜群の若い王者をベテラン郷野が攻略するには―― (C) BFC

4日(金・現地時間)にカナダ・オンタリオ州のカジノ・ラマで開催されるベラトールFC「Bellator67」。メインは日本から郷野聡寛が出場し、BFC世界ライト級王者マイケル・チャンドラーと対戦する。

現在26歳のチャンピオン、MMA戦績はまだ9戦9勝。対する郷野は37歳で、MMAデビューは1996年。キャリア17年目を迎える。一昨年8月にライト級転向を果たすも、その後は打撃系大会や今年2月のDEEP=中村大介戦など、幾度となく計量をパスできないでいる。

今回は米国遠征ということもあり、郷野には慎重に慎重を期した調整が必要となってくる。エディ・アルバレスが青木真也に圧勝したこともあり、さらに注目度が上がることとなったチャンドラーとの対戦は、それでなくても厳しい戦いが予想される。

ミズーリ大レスリング部出身、先輩にはタイロン・ウッドリー、ベン・アスクレンというMMAファイターが存在する。D-1オールアメリカン・レスラー。テイクダウンの強さは絶対的だが、アルバレスに負けなかった打撃も脅威だ。その打撃は後ろ足重心で手打ち、軸の強さと一発をもらう危うさをもって、KOパンチになりえている。

パンチを受けても、テイクダウンに持っていけば仕切り直しができるというスタイルでもあるチャンドラーだが、いずれにせよ郷野は前に出て来る力を止めたい。それには足を使いながらのジャブ、あるいはローという手段も考えられる。ただし、距離をとって戦うのであれば、そのステッピングが一方向、かつ真っ直ぐ下がるようであれば、チャンドラーのテイクダウンの餌食になる可能性は非常に高くなる。

かつてUFCでジョン・フィッチと対戦したときの郷野の試合が、まさにそのパターンにはまった戦いだった。郷野お得意のスウェイは、重心が上がり、テイクダウンに捕まりやすいという一面を持つのも事実。その一方で、後足重心ながら左足を大きく踏み込むチャンドラーだけに、前足は狙いどころだ。

テイクダウンに関しても、後足を狙う場面も多く、腹這いになりやすい。チャンドラーのテイクダウンは、勢いに任せた攻撃が多く、決してMMAにアジャストしているわけではない。だからこそ、パンチの間合いのジャブだけでなく、テイクダウンをさけるため胸の高さのジャブ、そしてインサイドローを有効に使いたい。また、頭が真ん中に来る組み方も多いため、ヒザのフェイントなどを使えば、チャンドラーも戸惑うはずだ。

9戦9勝は最短距離で強くなった証、郷野サイドからすれば蹴りという、アメリカンMMAで重要視されない部分を生かしたい。そのためのフェイントを織り交ぜた、攻めに繋がるアウトボックスを見せてほしいところだ。

■BFC67主な対戦カード

<ライト級/5分3R>
マイケル・チャンドラー(米国)
郷野聡寛(日本)

<ウェルター級トーナメント準決勝/5分3R>
ベン・サンダース(米国)
ブライアン・ベイカー(米国)

<ヘビー級/5分3R>
ダミアン・グラボウスキー(ポーランド)
デイブ・ハッカバ(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ライアン・フォード(カナダ)
ルイス・サッポ(ブラジル)

<ライト級/5分3R>
コズモ・アレッシャンドリ(米国)
ロラワン・ネルソン(米国)

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