【DWCS S09Ep08】世界のMMA縮図。アフリカ大陸、カリブ、中東 & etc五大陸からファイターが集結
【写真】本当にMMAは世界中に広まったことが実感できるファイターの出身国と、経験を積んで大会の開催国だ(C)Zuffa/UFC
30日(火・現地時間)、ネヴァダ州エンタープライズのUFC APEXでDWCS S09 Ep08が開催される。2025年のコンテンダーシリーズも最終第4コーナーを回り、残り3イベントとなった。
text by Manabu Takashima
今や世界に広まったMMAにあって、Road to UFCが実施されているアジアの当該階級以外ほぼ世界中から選手が集まるコンテンダーシリーズはUFCの縮図――いや最終試験をパスする前だけあってUFC以上にバラエティに富んだ国々のファイターが見られる。
今週は全5試合10人のファイターが出場するなかで、米国人ファイターは僅か1人。ブラジルが3選手と最多で、残りはロシア、英国、カナダとお馴染みの国から1名ずつ。この他カリブのオランダ領アルバ、さらにコンゴ民主共和国&セネガルとアフリカ大陸から挑戦するファイターが見られる。
唯一の米国人ファイターであるクリストファー・アルヴィドレスは4月にXFCで佐藤天にTKO勝ちしており、戦績は6勝1敗。カラテコンバットに出場経験のあるストライカーは、スイッチヒッターで遠い距離も近距離もアグレッシブな打撃を見せる。
そんなアルヴィドレスと戦うエリエゼル・クバンザはIMMAFなどアマでの活動後、インド洋のモーリシャスでプロデビューを果たしたコンゴ民主共和国出身の選手だ。インドネシアはバリ島のSOMAファイトクラブ所属でBRAVE CFで4連勝をし、コンテンダーシリーズ進出を果たした。
クバンザと同様にアフリカからの挑戦となるディンバ・セッキは、今回が初めてアフリカ大陸以外でのファイトとなる。ほんの5年前までアフリカのMMA大会といえば南アフリカのEFC World Wide一択のような状況だったが、2021年5月デビューのセッキはそのEFC=南アフリカをはじめ、ナイジェリア、セネガル、ガーナ、サンビア、コンゴ民主共和国で12試合を戦ってきた(10勝2敗)。
いわば新世代アフリカン・コンチネンタル・ファイターのセッキと対戦するのは、英国のカーティス・キャンベル=FCCフェザー級チャンピオンだ。7戦全勝のキャンベルに対し、未知のアフリカン・ローカルショー出身のセッキがどのようなファイトを見せるのか、興味深い一戦だ。
オランダ領アルバ出身のデミアン・ピナスは、Jangle Fightミドル級チャンピオンのヴィトー・コスタと相対する。オランダ領ということもあり、実は四半世紀前からMMAイベントが行われてきたアルバの地元大会で4連勝し、ピナスはMMA王国に渡り修斗ブラジルに出場も初黒星を喫した。
今ではその修斗ブラジルを主戦場とし、母国のVEFC (Victory Extreme FC)ミドル級のベルトを巻いているピナス。同イベントを主催するノヴァウニオンのデデ・ペデネイラスを師事している。LFAに次ぐブラジルの人材育成大会といえるジャングル・ファイトと修斗ブラジルで経験を積んだ両者の対戦は、メインで組まれている。
コメインでは現UFCファイター=シャルル・ジョーダンの実弟ルイ・ジョーダンとブラジルのマギノ・ジアスとのマッチアップが用意された。兄と同じキアナディアン・ストライカーのジョーダンは、プロボクシングでも3勝1敗というレコードを持っている。
オープニングファイトはフライ級のロシア×ブラジル決戦。ラシッド・ヴァガボフはダゲスタン出身&ヌルマゴ軍団の一員で、13勝2敗の戦績を誇る。Eagle FCからUAE Warriorsに転進し、4連勝& 4試合連続フィニッシュ勝利中で、藤田大和とUAEWフライ級戦線で戦うこともあると予想された実力者だ。
対するパウロ・ダ・シウバも11勝1敗のレコードを誇り、ブラジルのローカルショーでフライ級二冠、5月にLFA209でウゴ・パイヴァをスプリットで下し、コンテンダーシリーズ出場権を得た。
国籍だけでなく、アフリカ、カリブ、北米、南米、欧州、そして中東で戦ってきたファイターたちの競演は、まさに世界のMMAが散りばめられているといっても過言でない。そんなコンテンダーシリーズ第8週だ。
■視聴方法(予定)
10月1日(水・日本時間)
午前9時~UFC FIGHT PASS
■DWCS S09 Ep08対戦カード
<ミドル級/5分3R>
ヴィトー・コスタ(ブラジル)
デミアン・ピナス(アルバ)
<バンタム級/5分3R>
ルイ・ジョーダン(カナダ)
マギノ・ジアス(ブラジル)
<ウェルター級/5分3R>
クリストファー・アルヴィドレス(米国)
エリエゼル・クバンザ(コンゴ民主共和国)
<フェザー級/5分3R>
カーティス・キャンベル(英国)
ディンバ・セッキ(セネガル)
<フライ級/5分3R>
ラシッド・ヴァガボフ(ロシア)
パウロ・ダ・シウバ(ブラジル)