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Overlooked【RING C05】レスリングの圧を拳に乗せた高木恭平。ソン・ミンソォを右からパウンドアウト

【写真】2戦目でこの経験ができたのは、財産になる(C) GYO DUK LEE

スケジュールの都合により速報できなかった試合をお伝えする──帳尻合わせ試合レポート。今回は1日(金・現地時間)に韓国はソウルのJBKコンベンションホールで開催されたRING Championship06より、ソン・ミンソォ×高木恭平のフライ級戦の模様をお届けしたい。
Text by Manabu Takashima

昨年10月にPOUNDOUTでデビューした高木が、2戦目を韓国で戦う。対するソン・ミンソォはアマキックボクシング韓国国家代表の経歴を持つプロ2勝1敗のファイターだ。ソン・ミンソォは昨年10月の第5回大会で和田教良にスプリット判定負けを喫している。ともに10カ月振りの実戦の行方は――。

<フライ級/5分3R>
高木恭平(日本)
Def.1R4分14秒by TKO
ソン・ミンソォ(日本)

グローブタッチの際に、しっかりと握手&ハグした両者。まずソン・ミンソォが前蹴りを腹に繰り出し、左ボディを入れる。右ミドルに右を伸ばした高木はテイクダウンを織り交ぜる打撃戦のなかで、常にソン・ミンソォをケージの前に立たせる。ワンツーから組む高木、離れたソン・ミンソォは右のカウンターを入れるが、綺麗な打撃が高木の粗い打撃の前になかなか機能しない。高木は殴られも、殴り返してクリンチへ。自ら距離を取った高木は、首相撲&ヒザ蹴り。ソン・ミンソォのヒジ狙いをかわして右を打ち込む。

ソン・ミンソォのシングルを切った高木は、右オーバーハンドで殴られても構わず前に出ていく。右に回るソン・ミンソォをダブルレッグで倒した高木は、シングル&アンクルピックで尻餅をつかせる。ソン・ミンソォは胸を合わせたままで立ち上がり、ケージ中央で両者は離れる。高木は右の勢いがつき、右カーフを蹴り込む。直後にソン・ミンソォがダブルレッグでテイクダウンを決めるが、すぐに時間に。ソン・ミンソォは守勢のファイトに大きく息をついた。

2R、ジャブを当てた高木。ソン・ミンソォの組みを切ると、右をヒットさせる。ソン・ミンソォもヒジを返し、ワンツー。それでも高木は勢いが落ちず、スイッチからミドルを蹴られたタイミングでダブルレッグで組みつき、バックに回り寝技に持ち込む。逆ハーフで余り状態が良くなかったが、ソン・ミンソォは動かずブレイクが掛かる。

高木は右アッパー、直後にショートを被弾する。それでも圧を掛けているのは完全に高木で、ソン・ミンソォは距離を取れず苦し紛れのような組みへ。押し返した高木だが、ここでアイポークがあったと試合が中断される。

再開後、ワンツーからスリーの右を当てたソン・ミンソォがダブルレッグ。切った高木は腹を蹴られても前に出る。ソン・ミンソォが右を当て、組んでワキ差しテイクダウンを決める。オーバーフックのままで高木が立ち上がると、クリンチの状態ですぐにレフェリーがブレイクを要求した。右から左を打って前に出るソン・ミンソォが右をヒット。高木はヒザ蹴りもバランスを崩し、尻餅をつく。即スクランブル、ケージに押し込まれた高木だがレベルチェンジを許さない。根負けしたようにソン・ミンソォは、エルボーを振って自ら離れる。遠い間合いから右を伸ばしたソン・ミンソォから、高木は右を打ち抜いてダウンを奪う。

高木は必死に左足を抱えに来たソン・ミンソォを殴り続ける。やがて背中が伸び、顔面がら空きになって殴られ続けるソン・ミンソォを見て、レフェリーが試合を止めた。高木はしっかりと組みができるなかで、ストライカーに打ち勝つ――大きな経験となるTKO勝ちを手にし「最高に気持ちが良いです。また戦いたいです。レスリング出身なんですけど、なかなかテイクダウンを取れなくて。逆に取られそうになって、ちょっと大変でしたけど自分の力が出せて良かったです。いつでもお呼びがかかるなら、誰とでも戦えるんで。よろしければ呼んでください」と勝利者インタビューで話した。


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