【SUPER RIZIN04】秋元強真戦へ、カルシャガ・ダウトベック「彼の年齢に驚くことはない」
【写真】「日本のファンはカルシャガの笑顔を見たいはずです」とスクショを撮る際に頼み込むと、精一杯の笑顔を浮かべてくれたダウトベック (C)MMAPLANET
27日(日)にさいたまスーパーアリーナで開催される超RIZIN04でカルシャガ・ダウトベックが、秋元強真と対戦する。
Text by Manabu Takashima
昨年の3連勝、今年の鈴木千裕戦の勝利でRIZINの顔の一人となったといっても過言でないダウトベック。バンタム級王座を狙うと宣言しているなかで、超RIZINではフェザー級で秋元と戦うことになった。
ダウトベックは秋元戦のオファーを受けた時、フロリダのATTでトレーニング中だったという。しかしながら、ダウトベックは世界中から頂点を目指してファイターが集まるATTの練習を「これまで経験してきたことと大きな違いはなかった」と抑揚のなく言い切ってしまう。
感情を露わにせず、常に無表情で話すダウトベックに、今回は2つの技術的な質問――①右手の使い方。②ボディストレートを打つ時のレベルチェンジ――を投げかけた。
ATTでは過去に触れたことがないファイター達と練習をして、力をつけようと思った
――カルシャガ、インタビューの度に尋ねていますが、今はカザフスタンですか。それともタイですか(※インタビューは13日に行われた)。
「カザフスタンのシムケントだよ」
――つまりはファイトキャンプもカザフスタンで行ったということでしょうか。
「今回はタイに行って準備する時間がなかった。だからシムケントでキャンプをした。試合に同意したのは2カ月前で、その時はアメリカン・トップチームで練習をしていた。日本へ行くにはビザが必要だからカザフスタンに帰国して、そのままキャンプに入った」
――ATTへ? なせ、ATTでキャンプを?
「キャンプではない。ATTでは過去に触れたことがないファイター達と練習をして、力をつけようと思ったんだ。ATTには多くのUFCファイターが練習しているから。アレッシャンドリ・パントージャ、ダスティン・ポイエー。それからユーキ・モトヤもいたよ。本当に多くの選手がいて、名前もあまり覚えていない。誰と練習したいということではなかったので。ATTで練習をしている時に、RIZINからアキモトと戦うオファーを貰ったんだ。5月にフロリダへ行き、試合が決まったから6月の最初に帰国した」
――そのATTで何を学べたでしょうか。
「これまで経験してきたことと大きな違いはなかった。これまでと違った選手と練習ができただけで」
――なるほど……。日本人選手からはレスリング、それと打と組み、組みと寝技の間の攻撃のバリエーションが違う。そこが勉強になったという声をよく聞きます。カルシャガはそのようには感じなかったのですね。
「グラップリングとレスリングにより集中していたようには感じた。ただ、打撃はそれほどでなかった。寝技にしても、さほど自分の持っている技術と違いがあるとは思わない。コントロールはコントロールだ。大きな違いはない。
自分は十分に経験を積んできたファイターだ。だからATTにいって驚くことはなかった。彼らが優れていることは分かっているし、それが分かってATTに行ったのだから。そういう選手と練習して、経験を積みたかっただけで技術的に大きな違いが見つかることはなかった」
――特に印象に残った選手はいましたか。
「世界中からファイターが集まっているし、印象に残る選手だらけだったよ。日本、中央アジア、ロシア、ヨーロッパから選手がやってきていた。誰か一人、名前を挙げることはできない。とにかく凄いファイターが揃っていた」
――以前に米国に行ったことは?
「ない。今回が初めてだったよ」
――では米国の生活習慣などを経験して、何か苦労はありましたか。
「違いはあっても、難しいと思うことはない。これまで、色々な国でファイトキャンプを行ってきたから。カザフスタンでも色々な都市で練習をしている。だから、どこかに行って難しいと感じることはない。それに1カ月間練習ばかりしていたから、あっという間に時間は過ぎてしまった」
カザフスタンでボクシングをしていた時は、右でもKOしている
――そしてATTから戻って、秋元選手との試合の備え始めたということですね。
「そうだATTでは自分のスキルを磨くための練習をしていた。アキモトと戦うことばかりか、7月28日に試合をすることも決まっていなかった。だから帰国してから、アキモトの研究を始めたんだ。アキモトは良いファイターだ。現時点でも強く、将来的にはもっと強くなるだろう。全く軽視することはない」
――19歳という年齢はどのように思っていますか。
「MMAは世界中で急激に発展している。10代でも簡単に強くなれるようになってきた。だから彼の年齢に驚くことはない。秋元は既に良い試合をして、経験も積んでいる」
――秋元選手はグラウンドもそうだし、打撃でもやりあえる自信があるという風に言っています。
「まぁ、何を言おうが構わない。それは彼が、そう思っているに過ぎないことで。全く自分には関係ない。彼はグッドファイターで、何ができるのか凄く興味深いよ」
――ところで皆がカルシャガの左の強さを理解しています。そのなかで右腕の役割が実は重要に思えます。
「右で距離を感じて、コントロールしている。それだけでなくカザフスタンでボクシングをしていた時は、右でもKOしているよ」
――対戦相手が左を意識しすぎると、右腕でもKOできるということですね。
「それは試合展開によるだろう。左腕を使わずに相手をKOしようと思って戦うことはないし、どのような手段だろうが正しいタイミングで使うことを意識している。右も左もない。必要な腕を使う」
――おっしゃる通りですね。では時折見せるレベルチェンジしてからのボディストレートですが、あの頭の高さはダブルレッグに行くときと似ているように見ます。踏み込み方も似ていて、対戦相手を混乱させようとしているのでしょうか。
「全てのステップ、ヘッドムーブは対戦相手によってアジャストしている。トラップを仕掛けるのもそうだ。いえば、全ての動きが相手をだますためでもある。罠を仕掛けて殴り、テイクダウンする。何をするかゲームプランを立てて、対策練習をする。それも対戦相手の動きによって、立てる作戦も対策練習も違ってくる」
――押忍。実はバンタム級ばかりか、フライ級まで落とせるとカルシャガ言っていたという話を訊いたことがあります。
「それはない。フライ級では戦えない。自分はそんなことは言っていない。バンタム級までだ」
――承知しました。ところで去年は4試合、今年は3月30日に非常にタフな試合をして超RIZINを迎えます。この連戦でコンディションが落ちるようなことはないでしょうか。
「もちろん、体を休めることは大切だ。しっかりと体調を整えないといけない。同時に動いてみて、自分の体の具合も確認している。そして大丈夫だと感じると、試合を受けるんだ。可能な限り、試合のオファーは受けたいと思っているから」
――日本に100パーセントで来日して最強バージョンのカルシャガ・ダウトベックの姿が見られることを期待しています。
「自分の試合が退屈になることは絶対にない。いつだってファンが喜んでくれる試合をする。打撃もそうだし、どの局面でもベストを尽くす。ファンが期待する以上の試合をして、もっと日本のファンに応援してもらえるようになりたい。そのためにも皆が楽しめる試合をする。
皆には7月27日に、さいたまスーパーアリーナに来て自分を応援してほしい。いつも日本のファンのサポートに感謝している。アリガト」
■視聴方法(予定)
7月27日(日)
午後1時00分~ ABEMA、U-NEXT、RIZIN LIVE、RIZIN100CLUB、スカパー!