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【Road to UFC S04 Ep01】モンゴルのナムスレンと対戦、山内渉「緻密さでいえば、打撃は僕の方が上」

【写真】過信でなく、つけてきた自信。ここを晴れ舞台としないための勝利を!!(C)MMAPLANET

2025年5 月22 日(木・現地時間)に中華人民共和国は上海のUFC PI上海において、Road to UFC S04 がスタートする。
text by Manabu Takashima

22日と23日の両日に行われる4階級、16試合の1回戦。その先陣を切ってオクタゴンに足を踏み入れるのが、山内渉だ。UFCを目指す過程で、修斗世界フライ王座は取り逃した。敗戦を糧に、技術面を磨き直し昨年10月に松場貴志戦で再起。それから半年を経て、Road to UFC出場が決まった。

UFCにダイレクトに通じる道で、最初の難関はモンゴルのナムスライ・バットバヤルと戦う。初めての国際戦が、Road to UFCという舞台になった山内に自信のほどを尋ねた。


──山内選手がRoad to UFCのメンバーに入ったと知った時、少し驚きました。3月の修斗の会場でお会いした時に今後のキャリアアップ方法を伺っていて、それがRoad to UFCではなかったので。

「ハイ。じつは3月の最初に、無理やったって話があったんです。僕も藤田大和選手や伊藤盛一郎選手が申し込んだというのを訊いて、あの2人が出るなら自分はないだろうと思っていたので案の定、ダメやったかと。

3月の修斗の頃は、ここからまたUFCに繋がる方向でやっていこうかと。髙谷さんが開くPOUNDOUTで、外国人選手と戦って、勝てばLFAに通じるかもという感じでした。それも凄く気合の入る話でした。なので、そこに向けて練習をしていた時期でした」

──UFCに通じる国際戦というのは、国内のタイトル云々よりも気合が入るモノなのですか。

「日本でも気合は入りますけど、僕はUFCのチャンピオンになることが目標でMMAを始めたので。僕も26歳になるし、回り道はできない。Road to UFCも厳しいトーナメントで、次の年に出られても優勝できる確証もないので、残された時間を考えるとできる限りUFCに繋がる試合しかやりたくないとは思っていました」

──それが急転直下、Road to UFCが決まったと。

「ハイ。誰か欠員がでたのか、修斗の大会少し後で出ることができると連絡を受けて。まさかだったから、めちゃくちゃ嬉しかったですね。自分はあまり体重を減らすのが上手くないので、すぐに減量に取り掛かりました」

──早っ(笑)。対戦相手はモンゴルのナムスライ・バットバヤルです。今回からオセアニア勢に加え、モンゴルとアジア太平洋の強豪国がフライ級に加わりました。そして初戦の相手がモンゴル人だと分かった時は、どのように思いましたか。

「特に気にすることなく、いつも通り決まったなぁと。UFCを目指すなら、乗り越えないといけない。変に相手を大きく見過ぎず、しっかりと対策を練ってやっていこうと思いました」

──とはいえ、初めての国際戦がRoad to UFCです。

「練習でも外国人とやったことがなくて。外国人は強いという先入観は少しあります。皆が『力が強いよ』と言っていますし。でも、ビビると後手に回ります。同じ階級だし、世界で戦っている日本人もいるので、そこは自信を持って、やってきたことを信じて戦います」

──押忍。以前、モンゴルに取材に行った時にナムスレンの練習を見て、レスリングが強く打撃もできるという印象を持った選手でした。試合映像等も見て、その印象はどのようなものでしょうか。

「確かに体は強そうです。勢いも凄いですよね。それとバックを取るのが速い。そういうところは凄く警戒しています。凄く強いと想定して、そのなかで自分の対策をどうするのか……ある程度、自信がつくところまで来ました」

──試合映像は相手のレベルが分からないモノが多かったです。そのなかで山内選手自身が、アドバンテージがあるのはどこだと考えていますか。

「打撃です。打撃が粗いので、僕の方がコツコツとコンパクトに打てるので削ることができるかと思います。UFCで戦うことを想定して組みも凄くやっていて、手応えも感じています。だから打撃で組み立てて行って、組み技になっても戦えるようになっています」

──打撃という面で、以前に話していただいたように山内選手はどの距離でも攻撃でき、その攻撃も散らすように備えてきました。昨年10月の松場貴志戦では、片鱗を見せられたのではないでしょうか。

「あの試合はまだ本質を理解しないでやっていました。狙い過ぎて、出し切れず。結果、待ちの展開になっていました」

──トライしていることは伝わってきましたが、なるほど……そういう風に捉えていたのですね。

「ハイ。パンチをもらいそうで、危ない戦いだったと思います。指導してもらっていることを理解しきれていなかったです。理解していたつもりだったんですけど。あの試合後から、そこを突き詰めて半年間やってきて。今はかなり形になってきたと感じています。

毎回、試合で気づくことができる部分がたくさんあって。毎試合、成長できています。この半年でも、結構変わることができたという自信があります。だからこそ、今回の試合も緻密さでいえば、打撃は僕の方が上かと思っています」

──と同時にバック奪取&チョークの速さ、アレは試合映像で予めチェックできて良かったのではないかと。

「大体の試合、アレで極めちゃっているので(笑)。バックに入ってからが、凄く速いです。ニャムジャルガルでしたっけ?」

──ハイ。現UFCファイターのニャムジャルガル・トウメンデムベレルですね。ナムスライが唯一敗北を喫した相手です。

「そのニャムジャルガルとの試合でも、1Rはナムスライがバックを取ってキープしているので。あのバックとRNCが得意なのは間違いないです」

──ところで初戦で戦う相手以外に気になる選手はいますか。

「噂程度ですけど、ニュージーランドのアーロン・タウっていう選手が強いと聞いています。でも別ブロックなので、当たるとしても決勝ですし。それに今回のトーナメントに出る選手は、全員が強いと思っています。油断なく、一戦・一戦を大切に戦います」

──さきほども話しましたが、豪州&NZやモンゴルの参戦もありRoad to UFCも回を重ねるごとに厳しさが増しています。

「それでも変わらないのは、UFCを目指すなら突破しない戦いだということです。絶対に突破しないといけない。それだけです」

──では最後に改めて、Road to UFCという舞台で我々はどのような山内渉の姿を見ることができるでしょうか。

「前回の試合とは違った自分を見てもらえると思います。その成長を見て、楽しんでもらいたいです」

■視聴方法(予定)
5月22日(木)
午後8時00分~UFC Fight Pass
午後8時00分~U-NEXT

■Road to UFC S04 Ep01対戦カード

<Road to UFCフェザー級準々決勝/5分3R>
セバスチャン・スーレイ(豪州)
チィルイイースー・バールガン(中国)

<Road to UFCフライ級準々決勝/5分3R>
イン・シュアイ(中国)
吉田開威(日本)

<Road to UFCフェザー級準々決勝/5分3R>
中村京一郎(日本)
パク・オジン(韓国)

<Road to UFCフライ級準々決勝/5分3R>
山内渉(日本)
ナムスライ・バットバヤル(モンゴル)

<女子ストロー級/5分3R>
フン・シャオカン(中国)
松田亜莉紗(日本)

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