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【UFC310】UFC8勝=全て判定勝ちのエフロエフと対戦。アルジョ・ステーリング「ああいう相手だから」

【写真】グラップリングの話になると、目が輝いていた (C)MMAPLANET

7日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのTモバイルアリーナにて開催されるUFC 310「Pantoja vs Asakura」でアルジャメイン・ステーリングがモフサル・エフロエフと対戦する。
Text Manabu Takashima

元バンタム級世界王者と18勝0敗の新鋭が、プレリミで戦うという贅沢なマッチアップ。アルジャメインは頻繁にプログラップリングの試合に出場するようになっているが、そこでの経験がMMAに如何に活きるのか。

平良達郎のオタツロックへの興味、グラップリングへの造詣の深さが伝わってくるアルジョは、判定でしっかりと勝つ相手だからこそサブミットしたいと言い切った。


──モフサル・エフロエフとの試合が迫ってきました。今の気持ちを教えてください。

「いい感じできているよ。今は減量に集中している。まだ週の初めだけど、もう数ポンドだけだから上手くいっている。土曜日は俺かエフロエフ、より優れたファイターか分かる。楽しみだよ」

──フェザー級2戦目ですが、バンタム級の時と比べて減量は楽になっていますか。

「そりゃあイージーになっているよ。いや、それでもイージーじゃないな(笑)。バンタム級の時と比べると、楽だ。もともとやせ型で贅肉がないから、水分を落とさないといけない。そのためにウォーターローディングが必要だ」

──ところでエフロエフ戦は10月に決まっていましたが、アルジョの負傷で延期となりました。

「もうバッチリだよ。UFC PIのサポートは完璧だ。100パーセントの状態に戻るよう支えてくれた。だからこそ、今週に戦うことができるわけだし。どんなふうに戦えるのか、期待でいっぱいだ」

──昨年8月にベルトを失ってから、グラップリングの試合に定期的に出場していますね。

「MMAを始めた当初はグラップリングのトーナメントにも出ていた。あの頃の楽しさが蘇ってくるんだよ。MMAとは違うスポーツで、違う方法論が存在している。それにグラップリングでも自分の成長を確かめることができるし、実戦だからチャレンジしがいがある。もちろん、今はファイマネーも入って来る。痛みもないのに(笑)。オクタゴンで試合がない時は、楽しみながらグラップリングの試合に出ているよ」

──MMAファイターとの試合も少なくないですが、グラップリングの試合に出ることはMMAファイターとしての成長につながるのでしょうか。

「そうだと言いたいね。BJJでは効果的でも、パンチのあるMMAではできない動きは当然ある。同時にBJJの要素があるグラップリングだから、MMAに通じるピンチからの脱出方法なんかもある。そんな動きがあることを認識できるようにもなるし、MMAなんだから柔術やグラップリングの動きでも効果的であるなら取り入れるべきで。そのためにはグラップリングの試合に出ることは、MMAでの成長にも通じているはずだ」

──7月のKarate Combatのジェイジェイ・ウィルソンとの試合は、そういうリラックスしたなかで延長のポイント戦でテイクダウンでリードを許しながら、最後の数秒でバックマウントを奪って逆転勝ち。真剣勝負でしか味わえないであろう醍醐味が感じられたグラップリング戦でした。

「本戦ドローで、延長のポイント制マッチになった。しかもポイントをリードされていたけど、最後の最後にスイッチからパスガード、そしてマウントで逆転できた」

──MMAであればハーフガードでステイしていたかもしれないですが、パスからサイドでなく直接マウントという動きでした。

「あのパスはMMAでも使える、凄く良いパスだった。レスリングのプレッシャーがあるから、パスも可能になる。結果、柔術がMMAに使える。それに足関節に関しても、仕掛ける方でなくて防ぐという意味では、自分の動きにも満足できた。相手がどのようなポジションを取っているのか。そこを見極めて、トップの自分が如何にプレッシャーをかけるか。この感覚を身に着けることにも役立つよ」

──MMAで50/50で膠着することはないかと思いますが、そこから外掛けにジェイジェイはスイッチし、さらにヒザ十字のエントリー。アルジョはコレを完全に防ぎました。

「色々なエントリーがあり、そのなかで足を抜く。そしてガードを越していく。そういう感覚を掴めることは、絶対的にMMAに生きてくるだろう」

──何より三角絞めの仕掛けの早さは、驚かされました。

「ハハハハ。俺も入ったと思ったよ。でも、ジェイジェイは見事にエスケープしたね。実はMMAでも2度、三角絞めは仕掛けたことがあるんだ。ヘナン・ベラォン戦で仕掛けて失敗。コディ・ステーマン戦ではトライアングルから、リバース・ボウロックを狙ったんだけど、頭を抜かれた」

──アルジョのグラップリングへの造詣の深さが、本当に分かります。そういえば平良達郎選手がアレックス・ペレスからオタツロックで負傷TKO勝ちをした時も、すぐさま反応していましたね。

「あの組み方で、ヒザを壊すぐらいプレッシャーをかける仕掛けを見たことが無かった。腕をとって体を捻り、思い切りヒザに体重を掛けてグラウンドに持ち込み、壊した。これまで自分が使っていたヘンゾ・グレイシーのような仕掛けとは違っていた。あれだけ上半身を固めていると、そりゃあヒザは壊れるよ」

──それだけの見識があれば、自らのレパートリーに加えているのではないでしょうか。

「可能ならね。だからトライしてみる価値はある。足をクロスさせて、腕を取って体を捻る。その機会が訪れたら、やってみようかと思う」

──そんななか対戦相手のエフロエフの印象を教えてください。

「タフだよ。まだ無敗で素晴らしいレスラーだ。打撃もしっかりしている。スタミナも十分にあるしね。俺としてはグラップリングの部分で、彼がどれだけ力があるのか試合中に理解する必要がある。そのためにもスマート、そしてスピーディーに戦わないといけない。そしてレンジと距離をコントロールできれば、勝てるはずだ」

──エフロエフがUFCで挙げた8勝は全て判定勝ちです。その辺りが攻略することの難しさに繋がっているかと思うのですが。

「そうだね。フィニッシュがないけど、その分しっかりと勝利を重ねている。勝ち方を知っているし、そこから外れることがない。まぁ、俺との勝負はできるならエキサイティングなモノにしたいね。いつものように仕掛けを多くて、普段通り動き続けてペースを崩したい。

ああいう相手だからこそ、ファンにサブミッションで勝つ試合を見せたいと思っている」

──ぜひとも3度目の正直で三角絞めを。

「良いねぇ。でも凄く体が柔軟だから、難しいだろう。極めるならチョーク、ギロチン、アナコンダ、ダース、ニンジャだな」

──押忍。楽しみにしています。では、最後に日本のファンにメッセージをお願いします。

「俺はミヅキ・イノウエ、ナオキ・イノウエ、ウルカ・ササキと練習をしてきた。そしてウルカのコーナーに就くために日本に行ったこともある。最高だった。土曜日の夜には、カイ・アサクラが日本人で初めてUFCチャンピオンになるかもしれない。皆、凄くエキサイトしているだろう。この週末、日本人UFCチャンピオンが誕生し、皆が盛り上がることを願っているよ。ダイジョーブ!!」

■視聴方法(予定)
12月8日(日・日本時間)
午後8時00分~UFC FIGHT PASS
午前12時~PPV
午後7時 30分~U-NEXT


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