【UFC ESPN54】ワイドマンがシウバを下すも、アイポーク頻発で後味が悪い3年7カ月ぶりの勝利
<ミドル級/5分3R>
クリス・ワイドマン(米国)
Def.3R2分18秒 by TKO → Def.3-0:30-27.30-27.30-27. ※アイポーク発生時点までの判定
ブルーノ・シウバ(ブラジル)
左手を前に突き出したが距離を詰める。ワイドマンが右ミドルを繰り出すと、シウバがサウスポーにスイッチする。シウバは左ストレートをボディに伸ばした。ワイドマンが距離を詰めてダーティボクシングから、蹴りを散らしながらシウバにケージを背負わせた。ここで打ち合いとなり、ワイドマンの右を受けたシウバの動きが止まる。しかしワイドマンもシウバのパンチをもらい、いったん距離を置く。そして組みついたワイドマンが頭を下げたシウバの顔面に右ヒザを連打する。ボディロックに切り替えたワイドマンがリフトアップした。シウバも体を起こすがバックコントロールを許してしまう。ワイドマンは動かないシウバの足にヒザをコツコツと入れ続けた。
2R、ワイドマンがジワリジワリと距離を詰める。シウバはスイッチしながら、ワイドマンの蹴りをキャッチしながら右ストレートを合わせた。マットに手を着いたワイドマンもすぐに立ち上がる。サウスポーにスイッチしたワイドマンの左ローが当たり、シウバがスイッチを繰り返す。ワイドマンがオーソドックス、シウバがサウスポーに戻すと、ワイドマンの右三日月蹴りがシウバのボディに突き刺さる。シウバもワイドマンの蹴りにパンチを合わせるが届かない。打ち合いになるとワイドマンが下がる。ワイドマンが右ボディストレートでシウバを下がらせた。
ここでシウバがワンツーを繰り出したが、ワイドマンの左手がアイポークを引き起こした。シウバに休憩が与えられて再開後、ワイドマンが蹴りを散らしながら、出てきたシウバに右ストレートを合わせていく。シングルレッグはスプロールされたが、ワイドマンが左ジャブを突く。さらに左ジャブを打ち下すとシウバがグラついた。シウバのパンチもワイドマンのアゴを捉える。シウバも連打を繰り出すが、ワイドマンが右の打ち下ろしを当て、さらに右アッパー。左目下から出血が見られるワイドマンだが、ラウンド終了間際にパンチのラッシュでシウバを追い詰めた。
最終回、シウバが右ジャブを伸ばす。ここでまたもワイドマンのアイポークが発生したと、シウバがケージ中央でうずくまった。リピート映像が流れると、会場の観客はシウバにブーイングを浴びせる。シウバの指のほうがワイドマンの目を襲っているようにも見えるが……。再開後、シウバがパンチから右ミドルハイに繋げる。ワイドマンも右ハイを返した。ワイドマンのフェイントに対し、シウバが下がる。シウバが突っ込んで来るとワイドマンが左を合わせてダウンを奪った。ここでもアイポークを主張するシウバにワイドマンがパウンドの連打を浴びせると、シウバは亀になりレフェリーは試合をストップした。
ここでリプレイ映像が流されると、ワイドマンの左手、さらに右手が連続でアイポークになっていることが分かる。シウバは両手を広げて抗議し、涙を流しながらワイドマンと抱擁したが、ここは納得できないだろう。
1試合前でもデュマがアイポークをアピールしながら試合は続行され、ルジボエフのパウンドで決着した。アイポークはファイティング・アクシデントだ。レフェリーにも把握できないケースが多いかもしれない。しかし試合展開を変えてしまうケースが頻発するのであれば、ルール上で何かしらの対策は必要になる。特に手を広げて戦うことが多かった今回、ワイドマンのアイポークは目立っただけに、競技運営面での対応が求められる。
【追記】
試合後にワイドマンのTKO勝利から負傷判定勝ちに変更された。アイポークを反則とみなし、その時点までの採点でワイドマンのユナニマス判定勝利となった。