【Shooto2023#06】内田タケルの大竹陽戦の振り返りと、今後。「山内渉選手と新井丈選手のどちらかと」
【写真】憂いのある表情なのか、飄飄としているだけなのか。独特の空気感を醸し出す内田だ(C)TAKUMI NAKAMURA & MATSUNAO KOKUBO
9月24日(日)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されたShooto2023#06で大竹陽と対戦した内田タケル。2年ぶりの再戦は前回とほぼ同じ展開で内田がRNCで一本勝ちを収めた。
Text by Takumi Nakamura
2022年6月にRoad to UFCのワンマッチで勝利したあと、修斗でキャリアを積むことを選択した内田。その初陣となった同年9月の関口祐冬戦では一本負けし、今年4月の片山将宏戦は片山の計量オーバーにより試合が消滅するなど、今回の大竹戦でようやく新たなスタートを切ったと言える。修斗での王座奪取とRoad to UFC再出場。内田がこれからのファイターとしての展望を語った。
――Shooto2023#06で大竹陽選手に一本勝ちした内田選手です。まず試合の感想を話していただけますか。
「普段と変わらないというか、自分のスタイルというか。今の段階の自分にはこれしか通用しないという技を選択して戦った試合だと思います。寝技の打撃はもっと打ちたかったですし、反省する部分も多かったです」
――大竹選手は2021年9月に対戦して一本勝ちしている相手です。
「試合そのものは2年前ですし、相手もあれから勝っていたので、前回とは別人だと思って戦いました」
――試合は2年前の対戦と同じように、テイクダウンからパスガード、マウント、バック、RNCという流れでの一本勝ちでした。あれは内田選手の得意な形ですか。
「あれが一番ハマる技なので、極まるならああいう展開だなと思いました」
――テイクダウンからフィニッシュまでが一つの形になっていたと思うのですが、そこは意識しているのですか。
「いや、特に意識はしていなくて。相手が動いてきたら、それに身を任せてグルグルやっている感じです」
――解説でも「内田選手はスルスルと知らない間に上を取っている」と言われていましたが、自分でもそういった動きは得意にしているのですか。
「僕はあまり力が強くない方だと思うし、15歳からアマチュアでやっていて、練習でも力勝負で勝てなかったんですよね。そこで工夫したことが今につながっているのかもしれないです」
「はい。高校1年で大人の選手に混ざって練習していたので、基本的にボコボコにされていたんです」
――そのなかで生き残るための術が今のファイトスタイルにつながっているのですね。
「そこまで考えてやってなかったのですが、今思うと当時の練習が今の自分のスタイルに響いているのかなと思います」
――あの形に入ったら絶対に一本取れるという自信はありますか。
「バックまでいければ………………ちょっとは自信があります(笑)」
――かなり間が空きましたね(笑)。内田選手は昨年6月にRoad to UFC(以下、RTU)のワンマッチでショーン・エチェルに勝利して、同年9月から修斗に参戦。その初戦で関口祐冬選手に一本負けしていますが、あの敗戦からどこに力を入れて練習していたのですか。
「関口戦はRTUで勝ったあとの試合で、それまでよりも多くの人に試合を見てもらえるということで、ちょっと周りの目を気にして緊張していたのかなと思います。今回はそこの意識を変えてというか、しっかり5分3Rやるつもりで練習してきました」
――関口戦は内田選手が得意の形に入る前に腕十字を取られたという印象があります。
「フィニッシュを急いで力みすぎていたのかなと思います」
――RTUからの復帰戦で敗れて、あの時はどのような心境だったのですか。
「めちゃくちゃ落ち込んだし、あの時は眠れなかったです(苦笑)」
――その後、今年4月に修斗で片山将宏と再起戦が組まれていたものの、片山選手の計量オーバーで試合が消滅。今回は試合そのものも約1年ぶりとなったわけですが、この期間はどう気持ちを作って練習していたのですか。
「とにかく毎日練習して準備をしていれば、必ずチャンスが来ると思ってやっていました」
――今回の大竹戦以降、どこを伸ばそうと思って練習していますか。
「パウンドです。前回の試合は寝技での打撃が課題だったので、そこを意識してやるようにしています。あとは苦手にしているスタンドの打撃もですね」
――得意な組み技・寝技を活かす意味でも打撃の必要性を感じたのですか。
「そうですね。寝技でも打撃で削った方が極めやすくなると思いますし、スタンドでも打撃が出来たほうがテイクダウンもいきやすくなると思います」
――当面の目標は修斗のベルトですか。
「はい、(フライ級の)ランキングが上の選手とやって、11月の修斗で山内渉選手と新井丈選手が王座決定戦をやるので、勝ち上がって行ってどちらかとやりたいです。今は修斗のベルトを目指して戦っていきたいです」
――内田選手はRTUを経験して、どこに一番刺激を受けましたか。
「ナンバーシリーズとは違うと思うんですけど、UFCの大会の雰囲気を味わえたのは大きかったです。計量、宿泊、移動、会場……自分もいずれはこの舞台で戦っていきたいと思いました。修斗でベルトを獲ったら、また海外で試合をしたいです」
――その目標に向けても試合数は多くこなしていきたいでしょうか。
「そうですね。場数を踏むのが強くなる近道だと思うので、チャンスがあればどんどん試合していきたいです」
――次の試合はいつ頃に戦いと思っていますか。
「具体的にはまだ決まっていないのですが、出来れば年内、早ければ年明けすぐに試合をやりたいです。必ず修斗でベルトを獲ってRTUにチャレンジして、そこからUFCに行きます」